○茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱

昭和48年4月2日

公告

茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱を定めたので,次のとおり公告する。

最近,本県においては民間デベロツパーによる土地取得が顕著となり,地域住民の動揺をもたらしている。県土が無秩序な開発に放置されると,自然環境の破壊,災害の発生,農業経営の混乱を惹起するばかりか,公共事業の施行に障害が生ずるなど県民の生活を破壊し,県土の荒廃を招く恐れがある。

したがつて,ゴルフ場等土地開発事業については,自然環境の破壊および災害の発生を極力防止するため,地域土地所有者参加の方式の導入などによる地域の環境及び振興と調和する秩序ある立地を指導するとともに最小限のものについてのみ承認するものとする。

茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱

第1 目的

茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱(以下「要綱」という。)は,土地開発事業の施行に関し,必要な基準等を定めて,その適正な施行を確保することにより,開発区域及びその周辺の地域における災害を防止するとともに,自然の保護と環境の保全を図り,もつて県土の利用の合理化及び県民の福祉の増進に資することを目的とする。

(平31.3.28・一部改正)

第2 定義

1 この要綱において「土地開発事業」とは,一団の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。

2 この要綱において「開発区域」とは,土地開発事業を行う土地の区域をいう。

3 この要綱において「事業主」とは,土地開発事業に係る工事(以下「工事」という。)の請負契約の注文者又は請負契約によらないでみずから工事を施行する者をいう。

4 この要綱において「工事施行者」とは,土地開発事業の工事の請負人又は請負契約によらないでみずから工事を施行する者をいう。

(平21.3.5・一部改正)

第3 適用事業

この要綱は,次の各号の一に該当する土地開発事業,地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の22第1項の中核市又は地方自治法の一部を改正する法律(平成26年法律第42号)附則第2条に規定する施行時特例市における土地開発事業及び茨城県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例(平成11年茨城県条例第44号)第2条の表22の項の規定により第1号から第22号までに掲げるすべての事務を処理することとされた市町村における土地開発事業(第9の1の規定による承認を受けたもののうち,第16の2の規定による交付を受けていないものを除く。)を除き,1ヘクタール(土採取にあつては1.0ヘクタール又は20,000立方メートル)以上の一団の土地開発事業について適用する。

(1) 国及び地方公共団体その他別に定める公共的団体が事業主となつて行う土地開発事業

(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条第1項又は第2項に規定する開発行為に係る土地開発事業(前号に該当するもの及びゴルフ場に係るものを除く。)

(3) 削除

(4) 鉱業法(昭和25年法律第289号)に規定する鉱業に係る土地開発事業

(5) 採石法(昭和25年法律第291号)に規定する採石に係る土地開発事業

(6) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第2条に規定する砂利採取に係る土地開発事業

(7) 土採取事業規制条例を施行している市町村における土採取に係る土地開発事業

(8) 農業,林業又は漁業の用に供する土地開発事業で別に定めるもの

(9) 非常災害のため必要な応急措置として行う土地開発事業

(10) その他公益の用に供する土地開発事業で別に定めるもの

(昭49.12.24・昭58.5.26・昭59.12.24・平13.6.21・平14.3.18・平17.3.10・平21.3.5・平28.3.31・平31.3.28・一部改正)

第4 事業主の責務

土地開発事業を行おうとする者は,土地開発事業の計画を策定しようとするときは,次の各号を順守しなければならない。

(1) 県及び開発区域の所在する市町村の定める土地利用に関する計画その他の施策と調和すること。

(2) 地域住民の意見を尊重し,その理解と協力が得られること。

(平21.3.5・一部改正)

第5から第7まで 削除

(昭49.12.24)

第8 設計の基準

事業主は,工事の設計(以下「設計」という。)を定めるにあたつては,別表第1に定める設計の基準(以下「基準」という。)に適合するようにしなければならない。

第9 設計の承認

1 事業主は工事を施行しようとするときは,当該工事に着手する前に,その設計が基準に適合するものであることについて,知事の承認を受けなければならない。

2 前項の規定による承認を受けようとする事業主は,次の各号に掲げる事項を記載した承認申請書に別に定める図書を添えて知事に提出しなければならない。

(1) 氏名及び住所(法人にあつては,名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

(2) 開発区域(開発区域を工区に分けたときは,開発区域及び工区)の位置,区域及び面積

(3) 工事の着手及び完了の時期

(4) 請負契約によつて工事を施行しようとする場合は,当該工事の請負人の氏名及び住所(法人にあつては,名称,代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

3 知事は,前項の規定による承認申請書を受理した場合において,設計が基準に適合することを認めたときはその旨を,適合しないことを認めたときはその理由を明らかにしてその旨を,当該承認申請書を提出した者に通知しなければならない。

(昭49.12.24・一部改正)

第10 市町村長の意見

事業主は,第9の2の規定による申請書の提出をするときは,開発区域の所在する市町村の長の意見を聞かなければならない。

(令2.12.28・一部改正)

第11 設計の変更

1 事業主は,第9の1の規定による承認を受けた設計を変更しようとするときは,当該変更に係る部分の工事に着手する前に,当該変更に係る部分の設計が基準に適合するものであることについて,知事の承認を受けなければならない。ただし,別に定める軽微な変更をしようとする場合は,この限りでない。

2 第9の2及び3の規定は前項の承認について準用する。

第12 協定の締結

事業主は,土地開発事業の施行について知事と協定を締結しなければならない。

第13 防災等の措置

1 事業主又は工事施行者は,工事の施行に当たつては,当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において,次の各号に掲げる事態を生じさせないように,適切な措置を講じなければならない。

(1) 土砂くずれ,出水等による災害が生ずること。

(2) 河川及び水路の利水又は排水に支障を及ぼすこと。

(3) 排水路その他の排水施設の使用に支障を及ぼすこと。

(4) 交通に支障を及ぼすこと。

2 事業主又は工事施行者は,工事を廃止し,又は中止しようとするときは,当該工事に係る開発区域及びその周辺の地域において,前項各号に掲げる事態を防止するため,必要な措置を講じなければならない。

第14 変更等の届出

事業主は,次の各号に掲げる場合において,すみやかに別に定めるところによりその旨を知事に届け出なければならない。

(1) 第11の1のただし書きの規定による軽微な設計の変更をしたとき。

(2) 工事施行者を変更したとき。

(3) 工事の着手又は完了の時期を変更しようとするとき。

(4) 工事を2月以上中止し,又はその工事を再開しようとするとき。

(5) 工事を廃止しようとするとき。

第15 設計承認の掲示

第9の3の規定による承認の通知を受けた事業主は,工事着手の日から第16の2に規定する検査済証の交付の日まで,当該承認に係る開発区域内の見やすい場所に,別に定める様式によつて,当該事業主及び工事施行者の氏名又は名称並びに当該設計が基準に適合することの承認があつた旨を掲示しておかなければならない。

第16 工事の完了検査

1 事業主は,開発区域(開発区域を工区に分けたときは,その工区)の全部について工事が完了したときは,すみやかに別に定めるところによりその旨を知事に届け出なければならない。

2 知事は,前項の届出があつたときは,すみやかに当該届出に係る工事が第9の1の規定により承認を受けた設計(第11の1の規定による変更の承認を受けたときは,その変更後のもの)に適合しているか否かについて検査し,当該工事が当該承認を受けた設計に適合していると認めたときは,検査済証を事業主に交付するものとする。

第17 建築制限等

第9の1の規定による承認を受けた開発区域内の土地においては,第16の2の規定による検査済証の交付があるまでの間は,建築物を建築し,又は特定工作物を建設してはならない。ただし,次の各号の一に該当するときは,この限りでない。

(1) 当該土地開発事業に関する工事用の仮設建築物を建築するとき,その他知事が支障がないと認めたとき。

(2) 当該開発区域内の土地につき当該開発区域に係る土地開発事業の施行又は土地開発事業に関する工事の実施の妨げとなる権利を有する者(当該土地開発事業の施行又は土地開発事業に関する工事の実施について,事業主に対し,同意を与えた者を除く。)がその権利の行使として建築物を建築するとき。

(3) 都市計画法第37条第1号の規定により建築物の建築又は特定工作物の建設について知事の承認を受けたとき。

(昭58.5.26・追加)

第18 勧告

知事は,工事がこの要綱の規定に違反して施行されたときは,当該土地開発事業の事業主,工事施行者又は工事管理者に対して,適正な手続により,当該工事の停止又はその違反を是正するために必要な措置をとることを勧告することができる。

(昭58.5.26・旧第17繰下)

第19 調査

知事は,必要があると認めるときは,関係職員をして土地開発事業の施行状況について調査させることができる。

(昭58.5.26・旧第18繰下)

第20 報告

知事は,この要綱の施行に必要な限度において事業主又は工事施行者に対し工事に関する報告又は資料の提出を求めることができる。

(昭58.5.26・旧第19繰下)

第21 施行の確保

1 知事は,この要綱の規定に違反した事業主又は工事施行者に対しては,この要綱の適正な施行を確保するため,法令の規定の範囲内において,次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

(1) この要綱の規定に違反した事実の内容を公表すること。

(2) 当該土地開発事業の施行に関連する道路の工事,占有又は特殊車両の通行の許可を行わず,必要があるときは,他の道路管理者及び関係官庁に対し,同様の措置をとるよう要請すること。

(3) 当該土地開発事業に係る別表第2に掲げる法令の規定による許可等を行わず,必要があるときは,関係官庁に対し,同様の措置をとるよう要請すること。

(4) 県の工事入札指名業者から除外すること。

(5) 水道,電気等の供給事業者に対し,水道,電気等の供給をしない旨を要請すること。

2 開発区域の所在する市町村の長は,前項の規定による行政措置が十分に達成されるため,必要な協力をするように努めなければならない。

(昭58.5.26・旧第21繰下,平15.5.8・旧第22繰上,平21.3.5・一部改正)

第22 地位の承継

1 第9の1の規定による承認を受けた者の相続人,その他の一般承継人は,被承継人が有していた当該承認に基づく地位を承継する。

2 第9の1の規定による承認を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該土地開発事業に関する工事を施行する権原を取得した者は,知事の承認を受けて,当該承認を受けた者が有していた当該承認に基づく地位を承継することができる。

(昭58.5.26・追加,平15.5.8・旧第23繰上)

(施行期日)

1 この要綱は,昭和48年4月2日から施行する。

(経過規定)

2 この要綱の規定は,この要綱の施行の際,現に工事に着手している土地開発事業については適用しない。ただし,要綱別表第1に規定する設計基準については順守しなければならない。

3 この要綱の施行の際,農地法(昭和27年法律第229号)第4条又は第5条に規定する農地転用に係る申請に基づき,知事が許可相当として認めた土地開発事業については,要綱第5の規定は適用しない。

4 この要綱の施行の際,現に工事に着手している土地開発事業の事業主は,この要綱の施行の日から起算して30日以内に第9の2に掲げる事項を記載した届出書に別に定める図書を添えて知事に提出しなければならない。

(昭和49年12月24日)

(施行期日)

1 この要綱は,昭和49年12月24日から施行する。

(経過規定)

2 この要綱の施行の際,現にこの要綱による改正前の茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱第5の1の規定により知事との事前協議を了している土地開発事業については,なお従前の例による。

3 この要綱の施行の際,現に第9の1の規定により設計の承認を申請している土採取に係る土地開発事業については,別表第1の(2)に掲げる設計の基準は適用しない。

(昭和58年5月26日)

この要綱は,昭和58年6月1日から施行する。

(昭和59年12月24日)

この要綱は,昭和60年1月1日から施行する。

(平成14年3月18日)

1 この要綱は,平成14年4月1日から施行する。

2 この要綱の施行前にこの要綱による改正前の茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱第9の1に規定する知事の承認を受けた土地開発事業で,この要綱の施行の際現に茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱第16の2の規定による検査済証の交付を受けていないものについては,なお従前の例による。

(平成15年5月8日)

この要綱は,公布の日から施行する。

(平成17年3月10日)

この要綱は,平成17年4月1日から施行する。

(平成21年3月5日)

1 この要綱は,平成21年4月1日から施行する。

2 この要綱の施行前に,この要綱による改正前の茨城県土地開発事業の適性化に関する指導要綱第9の1に規定する知事の承認を受けた土地開発事業で,この要綱の施行の際,現に茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱第16の2の規定による検査済証の交付を受けていないものについては,なお従前の例による。

(平成28年3月31日)

この要綱は,平成28年4月1日から施行する。

(平成31年3月28日)

この要綱は,平成31年4月1日から施行する。

(令和2年12月28日)

この要綱は,令和3年1月4日から施行する。

別表第1

(昭49.12.24・平13.6.21・平15.5.8・平21.3.5・一部改正)

設計の基準

(1) 土採取に係る土地開発事業以外のもの

区分

設計の基準

1 森林

(1) 保全

ア 森林の伐採は,最小限に留めるよう設計及び施行するものとし,開発区域内に40パーセント以上の樹林地帯を保存すること。

イ ゴルフ場のコースの造成にあたつては,コース間に約20メートル以上の樹林帯を保存すること。

(2) 植樹

開発区域内の自然環境の保全及び植生の回復等を図るため積極的に植樹すること。

2 防災

(1) 切盛土

ア 事業の施工については,自然の景観をそこなわないよう努めると共に自然の保全に努めること。

イ 土砂移動量(切土及び盛土の合計量)は,当該開発行為の目的実施のための必要最小限度とし,ゴルフ場に係る土地開発事業についての土砂移動量は,18ホール当たりおおむね250万立方メートルとする。

ウ 切土をする場合において,切土をした後の地盤にすべりやすい土質の層があるとき又はがけ面が生ずるときは,安全な措置を講ずること。

エ 盛土をする場合には,盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水の浸透によるゆるみ,沈下又は崩壊が生じないように締固めその他の措置を講ずること。

オ 著しく傾斜している土地において盛土をする場合には盛土をする前の地盤と盛土とが接する面がすべり面とならないように段切りその他の措置を講ずること。

(2) 防災施設

開発区域内の造成に伴い利水若しくは排水に支障を及ぼし又は土砂の流出,出水等の被害を及ぼすことのないよう,水文資料,地質,地形等を勘案して別に定める設計基準により適切な防災ダム及び防災施設等を設置し,防災に万全を期すこと。

(3) 防火施設

消火栓,防火水槽等を設置し,隣接地との間に防火樹の植栽あるいは防火帯を設けるなど火災の予防に十分配慮すること。

3 排水施設

(1) 設置

ア 雨水(処理された汚水及びその他の汚水でこれと同程度以上に清浄されたものを含む。)を放流する場合,その放流先の排水能力に支障あるときは,当該開発区域内において一時雨水を貯留する調整池の設置又は河道改修を行うこと。

イ 排水施設は,放流先の排水能力,利水の状況その他の状況を勘案して,当該開発区域内の下水(雨水,処理された汚水等)を有効かつ適切に排出できるように,下水道,排水路その他の排水施設又は河川その他の公共の水域若しくは海域に接続していること。

ウ 調整池の設置については,「茨城県の大規模宅地開発に伴う調整池技術基準」によること。

(2) 構造

ア 排水施設は,堅固で耐久力を有する構造であること。

イ 排水施設は,コンクリート,れんがその他の耐水性の材料で造り,かつ,漏水を最小限度のものとする措置が講じられていること。

ウ 排水施設は,道路及び他の排水施設の維持管理上支障がない場所に設けられていること。

4 用水

 

ア 用水は原則として公共水道を使用し,やむを得ず地下水又は表流水を使用する場合は,開発区域外の農耕用のかんがい用水及び水道用水等に支障のないよう安全揚水又は安全取水をすること。

イ 水質は,水道法(昭和32年法律第177号)第4条に定める水質基準に合致したものであること。


5 擁壁

(1) 設置

ア 開発区域内にがけ面があるとき又は切土若しくは盛土をした土地の部分にがけ面が生ずるときは,当該がけ面が擁壁でおおわれていること。ただし,切土をした土地の部分に生ずることとなるがけ若しくはがけの部分で,次の規定により,擁壁を要さない勾配の上限に,崩壊崩落の危険のないよう石張り,芝張り等の処置によりそのがけ面が保護されていること。

 

 

 

 

土質

擁壁を要しない勾配の上限

擁壁を要する勾配の下限

 

軟岩(風化の著しいものを除く。)

60度

80度

風化の著しい岩

40度

50度

砂利,真砂土,関東ローム,硬質粘土,その他これらに類するもの

35度

45度

 

 

 

(2) 構造

ア 高さが2メートルをこえる擁壁の構造は,鉄筋コンクリート造,無筋コンクリート造,間知石練積み造その他の練積み造であること。

イ 擁壁は,壁面の面積3平方メートル以内ごとに1個の耐水材料を用いた水抜穴(内径7.5センチメートル以上)が設けられ,かつ,擁壁の裏面で水抜穴の周辺その他必要な部分には,砂利等の透水層が設けられていること。

(3) 地表水の処理

切土又は盛土をした土地の部分に生ずるがけ面の上端に続く地盤面は,特別の事情のない限り,そのがけの反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配が設けられていること。

6 道路

 

ア 開発区域の主要な道路と開発区域外の道路との取り付け道路(以下「取り付け道路」という。)は,道路構造令(昭和45年政令第320号)の規定に準拠して建設すること。

イ 取り付道路は,開発区域外の平均車道幅員5.5メートル以上の道路(開発区域の周辺の道路の状況によりやむを得ないと認められるときは,車両の通行に支障がない道路)に接続していること。

(2) 土採取に係る土地開発事業

区分

設計の基準

1 掘削

(1) 採取工法

ア 採取工法は,通常「階段式工法」,「傾斜式工法」又は「平面式工法」で行い,いわゆる「エグリ掘り」は行わないこと。

イ 隣地との保安距離は,最小限度2メートル以上を残し,隣地に人家又は公共施設等がある場合は,土質及び地形を勘案して保安上必要な距離をとること。

なお,擁壁等の堅固な建造物を設ける場合は,この限りでない。

ウ 採取途中の災害防止のため,極力「切り下げ方式」を採用すること。

(2) 最終法面

ア 最終法面は,極力階段を設けること。

イ 階段を設ける場合は,切土高5メートル以下で,階段幅は2メートル以上とすること。

(3) 深さ

掘削の深さは,掘削する場所の周辺の土地のうち最も低い部分よりも低くしないものとすること。

(4) 切土の標準勾配

土質及び切土高に応じ,次に示す角度以下とすること。

 

 

 

 

土質

切土高5メートル以上の場合

切土高5メートル以下の場合

 

軟岩(風化の著しいものを除く。)

60度

70度

風化の著しいもの

40度

50度

砂利,真砂土,粘土,その他これらに類するもの

35度

45度

 

 

 

2 災害防止

(1) 崩壊防止対策

ア 地山の亀裂,陥没等の異常の有無及び含水,ゆう水の状態を絶えず監視するとともに,計画的採取に努めること。

イ 1日の作業終了時に,落石,倒木のおそれのある浮石や立木がある場合は,その日のうちに除去すること。

ウ 気象状態に絶えず留意し,気象状態の悪化が予想される場合は,作業の中止,危険個所の保全処置等適切な措置を講ずること。

(2) 土砂流出対策

採取中,集中豪雨その他の原因で土砂が付近に流出しないよう土俵積・土盛堤・柵等の仮設工事を行い,完了後も土砂流出のおそれがある場合は,擁壁,堰堤その他これに代り得る施設を築造し,土砂の流出に対処すること。

(3) 排水施設

ア 採取中,表水面によつて法面が洗掘され,又は崩壊するおそれのある場合は,法肩に接する地山に法肩に沿つて素掘側溝,コンクリートラフ等による排水溝を設置し,地山からの流水が法面に流れ込まないよう処置すること。また,完了後は,法肩線又は小段に集排水施設を設け,縦排水溝,斜排水溝及びその接合点には集水桝等も考慮して円滑に排水すること。

イ ゆう水によつて法面が洗掘され,又は崩壊するおそれのある場合は,水抜きのための水平孔,盲渠等を設置してゆう水の排除措置を講ずること。

(4) 採取跡地の保全,利用

ア 採取行為を完了し,又は廃止したときは,跡地の崩壊を防止するため法面には,保護工を施行すること。

イ 採取跡地の利用計画は,周辺の環境と調和するよう配慮すること。また,採取しようとする土地が農地の場合は農地に復元すること。

3 公害,保安対策

(1) 立入禁止柵

採取場内は,一般の立入を禁じ,周囲は有刺鉄線柵,トタン塀,板塀等によつて囲い,出入口には扉を設け,標識をつけること。

(2) 騒音対策

始業,終業の時間を明確にし,騒音公害になるような早朝,深夜作業は行わないこと。

(3) ふんじん対策

採取場からの粉じん,運搬路から生ずるホコリ等が周辺の生活環境を阻害しないよう散水,防じん材散布,運搬車両の洗い場を設置する等適切な措置をとること。

(4) 交通対策

ア 運搬車の公道への出入口等必要な個所には,交通整理員を配置し,安全上の配慮をすること。

イ 積込場所において規定積載量を超えないよう留意するとともに,車両には必ず全面シートを装置し,路面を汚損したときは速やかに清掃すること。

4 緑の保護と緑化対策

 

ア 樹林のうち,景観上その他の見地から重要と思われるものについては,極力その全部又は一部の保存を図ること。

イ 採取跡地の法面については,原則として緑化することとし,周辺の状況,掘削前の状態を考慮して次のとおり植樹,植草等を行うこと。

(ア) 採取に当たり,山林の一部を伐採し,付近の景観を悪化させた場合は,植樹,植草を併用して行い,緑の復元を図るものとすること。

(イ) 前記以外の場合は,植草,種子吹付を行うものとすること。

別表第2

(昭49.12.24・平13.6.21・平15.5.8・平31.3.28・一部改正)

土地開発事業に係る関係法令

1 自然環境保全法(昭和47年法律第85号)

3 首都圏近郊緑地保全法(昭和41年法律第101号)

4 自然公園法(昭和32年法律第161号)

6 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)

7 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)

8 森林法(昭和26年法律第249号)

9 農地法(昭和27年法律第229号)

11 道路法(昭和27年法律第180号)

12 河川法(昭和39年法律第167号)

13 砂防法(明治30年法律第29号)

14 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)

15 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)

16 海岸法(昭和31年法律第101号)

17 公有水面埋立法(大正10年法律第57号)

18 港湾法(昭和25年法律第218号)

19 都市計画法(昭和43年法律第100号)

20 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)

21 建築基準法(昭和25年法律第201号)

22 削除

23 文化財保護法(昭和25年法律第214号)

25 食品衛生法(昭和22年法律第233号)

26 公衆浴場法(昭和23年法律第139号)

27 旅館業法(昭和23年法律第138号)

28 墓地,埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)

29 温泉法(昭和23年法律第125号)

30 道路運送法(昭和26年法律第183号)

31 国有財産法(昭和23年法律第73号)

32 国土利用計画法(昭和49年法律第92号)

茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱

昭和48年4月2日 公告

(令和3年1月4日施行)

体系情報
第1編 規/第8章 企画開発
沿革情報
昭和48年4月2日 公告
昭和49年12月24日 種別なし
昭和58年5月26日 種別なし
昭和59年12月24日 種別なし
平成13年6月21日 種別なし
平成14年3月18日 種別なし
平成15年5月8日 種別なし
平成17年3月10日 種別なし
平成21年3月5日 種別なし
平成28年3月31日 種別なし
平成31年3月28日 種別なし
令和2年12月28日 種別なし