○霞ケ浦に係る湖沼水質保全計画
平成29年3月30日
茨城県告示第376号
湖沼水質保全特別措置法(昭和59年法律第61号)第4条第1項の規定により,霞ヶ浦に係る湖沼水質保全計画(第7期)を次のとおり定めたので,同条第7項の規定により公表する。
霞ヶ浦に係る湖沼水質保全計画(第7期)
第1 霞ヶ浦の現状と課題
1 霞ヶ浦の概要
茨城県,栃木県及び千葉県の一部を流域とする霞ヶ浦は,湖面積約220km2(西浦:168.22km2,北浦:35.04km2,常陸利根川:15.33km2)に及ぶ我が国第2の湖沼です。
霞ヶ浦は,水道水源をはじめ首都圏における水資源の安定的な確保に重要な役割を果たし,豊かな水産資源を育み,水郷筑波国定公園の一部として良好な景観を構成するなど,古くから人々に多様な恵沢をもたらしてきたかけがえのない貴重な資産となってきましたが,湖面積が広いうえに水深が浅く,また湖水の交換日数が約200日かかることなどから,元来水質が汚濁しやすい湖です。
2 水質保全対策
昭和40年代後半から流域における人口増加や生活様式の多様化,産業活動の進展などに伴い水質の汚濁が進行したことから,霞ヶ浦では,「茨城県霞ケ浦の富栄養化の防止に関する条例」(昭和57年9月施行)による規制や保全計画に基づく取組を進めました。
また,昭和60年度に湖沼水質保全特別措置法(昭和59年法律第61号)に基づく指定湖沼に指定されて以来,6期30年にわたる霞ヶ浦に係る湖沼水質保全計画を通して,下水道の整備や高度処理の推進,高度処理型浄化槽の設置促進,工場・事業場の排水規制,家畜排せつ物処理施設の整備などの点源対策,農地における適正施肥の推進や森林の整備などの面源対策,湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)の整備や底泥しゅんせつ等の湖内対策など様々な施策を進めてきました。
さらに,平成19年には,第5期計画を着実に実行するため,従来の「茨城県霞ケ浦の富栄養化の防止に関する条例」を全面改正し,「茨城県霞ケ浦水質保全条例」として,小規模な工場・事業場への排水規制の適用や生活排水,農業・畜産業等における水質浄化対策の徹底等を新たに規定し,流域の全ての生活者・事業者の適切な排水処理の実施を推進してきました。
加えて,平成20年度には森林湖沼環境税を導入し,この財源を活用した新たな補助制度などを創設し,下水道や農業集落排水施設への接続支援や高度処理型浄化槽の設置促進,循環かんがい施設の整備促進など,各種対策を強化してきました。
3 湖内の水質と課題
(1) 水質
ア 水質の長期傾向
湖内のCODは,近年大きく変動し,平成21年度には,昭和54年度以来の高い値である9.5mg/Lに上昇し,平成25年度には平成3年度以来の低い値である6.8mg/Lまで低下しましたが,長期的には昭和50年代後半から8mg/L前後の概ね横ばいで推移しています。
西浦・北浦の水域別に見ると,CODについては,かつては西浦で高かったものが,平成10年以降は,北浦が高い状態で推移しています。
全窒素については,西浦・北浦ともに長期的には概ね横ばいで推移しましたが,平成19年度以降はやや高めで推移し,特に北浦は,平成16年度以降上昇し,平成21年度からは西浦よりも高い状態で推移しています。
全りんは,昭和60年度以降上昇し,平成20年度に0.12mg/Lとなった後は低下傾向を示していましたが,平成24年度以降再び微増傾向で推移しています。西浦では,平成14年度に0.12mg/Lとなった後は低下傾向ですが,北浦では,上昇割合が大きく,平成18年度以降西浦よりも高い状態で推移しています。
第6期計画終了年度(平成27年度)の全水域平均の水質を見ると,CODは,目標値7.4mg/Lに対して年間平均値が8.2mg/L,全窒素は,目標値1.0mg/Lに対して年間平均値が1.1mg/L,全りんは目標値0.084mg/Lに対して年間平均値が0.094mg/Lと,いずれも目標を達成することはできませんでした。
図1 COD(全水域平均)の推移
図2 COD(水域別)の推移
図3 全窒素(全水域平均)の推移
図4 全窒素(水域別)の推移
図5 全りん(全水域平均)の推移
図6 全りん(水域別)の推移
イ 水域ごとの水質傾向
(ア) 西浦
第6期計画期間中(平成23年度から平成27年度)の西浦の湖内水質については,CODは平成22年度値(現状値。以下同じ。)より改善しましたが,目標を達成できませんでした。全窒素は現状値より改善し,目標を達成しましたが,全りんは横ばいであり,目標を達成できませんでした。
西浦流入河川の水質については,CODは横ばいであり,湖内のCODよりも低く推移しています。また,全窒素は横ばいであるものの,湖内の全窒素より約2倍高くなっています。全りんは改善しましたが,湖内の全りんと同程度で推移しています。
西浦湖内のCODが目標を達成できなかった主な要因としては,依然として,湖内の全窒素,全りんが高い状況の中,植物プランクトンが増殖し,湖内のCODが上昇したためと考えられます。
西浦の水質の推移(平均値)
(mg/L)
| 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
| 目標値 27年度 |
COD | 8.2 | 8.1 | 7.5 | 6.6 | 6.6 | 7.8 | 7.3 | |
全窒素 | 1.3 | 1.2 | 1.0 | 1.3 | 1.2 | 1.1 | 1.1 | |
全りん | 0.090 | 0.076 | 0.084 | 0.086 | 0.085 | 0.090 | 0.088 |
西浦への流入河川の水質の推移(加重平均値)
(mg/L)
| 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
COD | 5.1 | 5.5 | 5.5 | 5.7 | 5.1 | 5.4 |
全窒素 | 2.7 | 2.5 | 2.5 | 2.5 | 2.6 | 2.5 |
全りん | 0.095 | 0.081 | 0.088 | 0.083 | 0.080 | 0.089 |
(イ) 北浦
第6期計画期間中の北浦の湖内水質については,COD,全窒素,全りんともに現状値より低下しましたが,目標を達成できませんでした。
北浦流入河川の水質については,COD,全窒素及び全りんともに横ばいでした。ただし,全窒素は湖内よりも約5倍高く,全りんは湖内よりも低くなっています。
北浦流入河川の全窒素が高い主な要因としては,過去に流域で使用されて地中に蓄積された窒素が流出している可能性が考えられます。また,湖内の全りんが流入河川よりも高い主な要因として,底泥からりんが溶出していると考えられます。
北浦の水質の推移(平均値)
(mg/L)
| 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
| 目標値 27年度 |
COD | 9.1 | 8.0 | 8.3 | 7.3 | 7.5 | 8.9 | 7.6 | |
全窒素 | 1.6 | 1.6 | 1.2 | 1.4 | 1.4 | 1.2 | 0.99 | |
全りん | 0.13 | 0.093 | 0.090 | 0.11 | 0.096 | 0.11 | 0.096 |
北浦への流入河川の水質の推移(加重平均値)
(mg/L)
| 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | 平成26年度 | 平成27年度 |
COD | 4.6 | 5.1 | 4.8 | 4.8 | 4.6 | 4.5 |
全窒素 | 7.3 | 6.8 | 6.7 | 6.0 | 6.2 | 7.0 |
全りん | 0.093 | 0.094 | 0.086 | 0.083 | 0.090 | 0.087 |
(2) 課題
ア 西浦
西浦については,流入河川から依然として高い濃度の窒素・りんの供給が続いていることから,窒素の汚濁負荷割合の高い農地・畜産,りんの汚濁負荷割合の高い生活排水からの負荷削減対策等を進め,流入河川及び湖内の全窒素・全りん濃度の改善を図っていく必要があります。
イ 北浦
北浦については,西浦同様,流入河川から依然として高い濃度の窒素やりんの供給が続いており,特に窒素が非常に高い濃度で推移していることから,生活排水対策等によるりんの削減を進めるとともに,窒素の汚濁負荷割合の高い農地・畜産からの負荷削減対策等を重点的に進め,流入河川の全窒素・全りん濃度の改善を図っていく必要があります。
また,湖内ではりんが流入河川より湖内の方が高い濃度で推移していることから,底泥からのりんの溶出を削減する必要があります。
ウ 調査・研究の継続
流域から排出される負荷量や,河川から霞ヶ浦に流入する負荷量,流域に蓄積されていると考えられる窒素などの実態把握及び計画に位置付けた施策の効果検証を継続的に実施し,より効果的な対策を実行するため,引き続き河川や湖内の水質データの集積や負荷量に関する調査・研究を行う必要があります。
第2 霞ヶ浦の水質保全に向けた取組
1 水質保全の方針
(1) 基本的な考え方
西浦(常陸利根川を含む。以下同じ。)と北浦では,生活排水の処理状況や地域の産業などが異なり,水質汚濁の要因も異なることから両水域ごとに対策を実施し,特に北浦おいて重点的に実施することとし,対策実施に係る目標値等を設定します。
主な対策として,生活排水対策については,下水道や農業集落排水施設の整備・接続,高度処理型浄化槽の設置・単独処理浄化槽からの転換などを進め,生活排水処理率の向上を図ります。農地対策については,生産性との調和に配慮しつつ,環境保全型農業直接支払制度の活用による環境にやさしい農業を推進します。また,畜産対策については引き続き良質堆肥の広域流通や家畜排せつ物の農外利用(堆肥以外の利用)などを推進します。湖内対策については,北浦において,しゅんせつや覆砂,脱窒による水質浄化試験について,費用対効果を含めて調査検討を進めます。
さらに,第17回世界湖沼会議の茨城県開催を契機に,市民参加で水質浄化に取り組む気運を醸成し,霞ケ浦環境科学センターを環境学習・市民活動の拠点として水質保全活動の活性化を図ります。そして,霞ヶ浦流域のすべての関係者がそれぞれ役割を分担しながら総合的な水質保全対策を実施していく流域連携を推進し,流域水循環協議会の設置に向けて取り組みます。
加えて,調査・分析の結果,第7期計画期間中に新たに判明した汚濁要因や対策の強化・見直しの必要等がある場合は,それに応じた対策を速やかに検討・実施します。
茨城県,栃木県及び千葉県の3県は,次世代に向けて霞ヶ浦を貴重な資産として残すため,関係機関及び関係者の幅広い合意と協力のもと施策の方向性を示すとともに,その実現に向けて必要な事業に取り組みます。
(2) 本計画の期間及び達成すべき目標
長期ビジョンの実現に向け段階的に水質の改善を図るため,定期的に水質浄化に関する対策の進捗状況を検証・評価し必要な見直しを行うため,本計画の計画期間は,平成28年度から平成32年度までの5年間とします。
また,計画期間内(平成28年度から平成32年度)に達成すべき目標として,COD,全窒素,全りんについて水質目標値を定め,霞ヶ浦の着実な水質改善を図ります。
〈水質目標値〉
(mg/L)
項目 | 水域 | 現況 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 増減 A-B |
COD (平均値) | 西浦 | 7.8 | 7.2 | 0.6 |
北浦 | 8.9 | 7.8 | 1.1 | |
常陸利根川 | 8.3 | 7.6 | 0.7 | |
全水域の平均 | 8.2 | 7.4 | 0.8 | |
COD (75%値) | 西浦 | 8.6 | 7.7 | 0.9 |
北浦 | 10 | 8.4 | 1.6 | |
常陸利根川 | 9.0 | 8.1 | 0.9 | |
全窒素 | 西浦 | 1.1 | 1.1 | 0.0 |
北浦 | 1.2 | 1.1 | 0.1 | |
常陸利根川 | 0.89 | 0.89 | 0.00 | |
全水域の平均 | 1.1 | 1.0 | 0.1 | |
全りん | 西浦 | 0.090 | 0.080 | 0.010 |
北浦 | 0.11 | 0.099 | 0.011 | |
常陸利根川 | 0.090 | 0.080 | 0.010 | |
全水域の平均 | 0.094 | 0.083 | 0.011 |
2 計画の目標及び対策と長期ビジョンをつなぐ道筋
(1) 長期ビジョン
「泳げる霞ヶ浦」(霞ヶ浦の湖水浴場がにぎわっていた昭和40年代前半の状況)及び「遊べる河川」を実現するため,第8期計画以降,できる限り早期に全水域の平均値でCOD5mg/L台前半の水質を目指します。
(2) 長期ビジョン達成の道筋
流域の生活排水対策や畜産対策,さらに農地・市街地等からの流出水対策等,全ての汚濁発生源で例外なく排出負荷の削減に取り組むとともに,湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)の整備や湖岸植生・砂浜の保全・再生等の湖内対策,浄化用水の導入等の対策を進めます。
また,湖内や流域における汚濁要因等の調査研究を更に推進し,その結果を反映して対策の見直し・強化を図ります。
さらに,平成30年に茨城県で開催される世界湖沼会議を契機として,県民,事業者などすべての主体が一体となった水質保全対策をより強く進めることにより,長期ビジョンの実現を目指します。
第3 西浦における水質保全対策
西浦の水質保全を図るため,窒素・りんの汚濁負荷割合の高い,生活排水や農地・畜産からの負荷を中心に,一層の汚濁負荷削減に取り組みます。
生活排水対策については,流域人口の約22%,195.0千人の家庭からの排水が未処理のため,下水道の整備・接続促進を中心に,生活排水処理率を77.7%から83.3%まで向上させます。
畜産対策については,引き続き堆肥の流域外への流通や家畜排せつ物の農外利用を推進することで,負荷削減を図ります。
農地対策については,土壌診断に基づく適正施肥の推進や,環境にやさしい営農活動実施面積の拡大により,化学肥料使用量の削減を図ります。
さらに,湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)の土砂の堆積状況の調査や除去,湖岸植生帯の造成など,湖内の浄化対策に取り組みます。
1 湖沼の水質の保全に資する事業
西浦流域における生活排水対策については,下水道や農業集落排水施設の整備を進めており,今後はこれらの整備と併せ,下水道・農業集落排水施設への接続率の向上を図っていきます。浄化槽については,窒素とりんを効率的に除去する高度処理型浄化槽の設置や単独処理浄化槽の廃止促進などを図ります。
これらにより,西浦流域における生活排水処理率を,77.7%(平成27年度)から83.3%(平成32年度)まで向上させます。
また,生態系の持つ自然浄化機能を活用した浄化対策など,湖沼や流入河川の浄化対策を進めます。
(1) 下水道,農業集落排水施設,浄化槽の整備等
ア 下水道の整備・接続
西浦流域における下水道の整備状況は,平成27年度末において,霞ケ浦湖北流域下水道,霞ケ浦水郷流域下水道など13施設が稼働しており,そのうち処理水を流域内に放流している9施設では,窒素やりんを除去する高度処理機能を有しています。
平成27年度末において,下水道整備人口は583.0千人であり普及率は66.7%,接続率は89.9%です。
西浦流域においては,流域幹線管渠の整備は完了していることから,関連する市町村の公共下水道の整備促進を図るとともに,接続などの経費助成や広報啓発活動等により下水道への接続を促進します。
これらにより,計画期間内に,整備人口を602.3千人,普及率を70.5%,接続率を90.6%まで向上させるとともに,下水処理水における窒素やりんを低減させ,放流水の水質向上を図ります。
〈下水道整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画 B-A |
行政人口 | 西浦 | (千人) | 873.6 (871.7) | 854.2 (852.5) | -19.4 (-19.2) |
下水道の整備 | 西浦 | 整備人口(千人) | 583.0 | 602.3 | 19.3 |
普及率(%) | 66.7 | 70.5 | 3.8 | ||
下水道の接続 | 西浦 | 接続率(%) | 89.9 | 90.6 | 0.7 |
( )内は茨城県内分を示す。千葉県と栃木県に下水道整備の計画はない。
イ 農業集落排水施設の整備・接続
西浦流域における農業集落排水施設は,平成27年度末において56施設で稼働しており,そのうち処理水を流域内に放流しているのは51施設です。また,西浦流域内全ての施設で,窒素,りんを除去する高度処理を行っています。
平成27年度末において,西浦流域の整備人口は54.2千人となっています。そのうち茨城県内は53.4千人,接続率は76.3%,千葉県内は0.7千人,接続率は95.0%となっており,整備はほぼ完了しているため,接続などの経費助成や広報啓発活動等により,接続率を茨城県内では80.3%,千葉県内では96.6%まで向上させます。
〈農業集落排水施設整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
農業集落排水施設の接続 | 西浦 | 接続率(%) | 西浦全域 | 76.5 | 80.5 | 4.0 |
茨城県 | 76.3 | 80.3 | 4.0 | |||
千葉県 | 95.0 | 96.6 | 1.6 |
栃木県に農業集落排水施設整備の計画はない。
ウ 浄化槽の整備等
西浦流域における合併処理浄化槽の設置基数は,平成27年度末において31,362基,処理人口は112.9千人となっています。うち,高度処理型浄化槽については11,191基,処理人口は40.3千人となっています。今後,単独処理浄化槽からの転換の補助を手厚くしたり,流域市町村に積極的に働きかけ市町村が設置する高度処理型浄化槽の整備を促進することで,設置基数が14,261基となるよう高度処理型浄化槽の設置促進を図ります。
また,浄化槽の維持管理の徹底を図るため,県や市町村の広報紙(誌)やホームページなどにより,県民や事業者に広く周知するとともに,戸別訪問による指導を実施することなどにより,浄化槽法(昭和58年法律第43号)に基づく法定検査の受検率の向上を図ります。
〈浄化槽の整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
浄化槽の設置等 | 西浦 | 合併処理浄化槽設置基数(基) | 西浦全域 | 31,362 | 34,358 | 2,996 |
茨城県 | 31,214 | 34,166 | 2,952 | |||
千葉県 | 106 | 150 | 44 | |||
栃木県 | 42 | 42 | 0 | |||
うち高度処理型浄化槽の設置基数(基) | 西浦全域 | 11,191 | 14,261 | 3,070 | ||
茨城県 | 11,164 | 14,222 | 3,058 | |||
千葉県 | 27 | 39 | 12 | |||
栃木県 | 0 | 0 | 0 | |||
合併処理浄化槽の処理人口(千人) | 西浦全域 | 112.9 | 123.5 | 10.6 | ||
茨城県 | 112.4 | 123.0 | 10.6 | |||
千葉県 | 0.4 | 0.4 | 0 | |||
栃木県 | 0.1 | 0.1 | 0 | |||
うち高度処理型浄化槽の処理人口(千人) | 西浦全域 | 40.3 | 51.3 | 11.0 | ||
茨城県 | 40.2 | 51.2 | 11.0 | |||
千葉県 | 0.1 | 0.1 | 0 | |||
栃木県 | 0 | 0 | 0 |
増加分は全て高度処理型浄化槽です。
〈浄化槽の法定検査受検率〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
浄化槽の法定検査受検率の向上 | 西浦 | 受検率(%) | 33.2 | 50.0 | 16.8 |
茨城県内分を示す。
〈汚水処理人口普及率※〉
項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
汚水処理施設の整備 | 西浦 | 普及率(%) | 西浦全域 | 85.9 | 91.1 | 5.2 |
茨城県 | 85.9 | 91.1 | 5.2 | |||
千葉県 | 66.8 | 66.8 | 0 | |||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 |
※下水道や農業集落排水施設の整備及び合併処理浄化槽の処理の人口の和から行政人口を除して算出
〈生活排水処理率※〉
項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
生活排水の処理 | 西浦 | 処理率(%) | 西浦全域 | 77.7 | 83.3 | 5.6 |
茨城県 | 77.7 | 83.3 | 5.6 | |||
千葉県 | 64.6 | 65.3 | 0.7 | |||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 |
※下水道や農業集落排水施設の接続及び合併処理浄化槽の処理の人口の和から行政人口を除して算出
(2) 湖沼等の浄化対策
ア 流入河川等の直接浄化対策
国は,これまで流入河川河口部に設置した3箇所(川尻川,園部川,梶無川)の湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)のモニタリング調査を実施し,必要に応じて堆積土砂を除去し,流入負荷削減に努めます。
イ 生態系の持つ自然浄化機能を活用した浄化対策
茨城県は,湖内において,魚介類の産卵・育成の場となり,水質浄化機能も有する水生植物帯を整備します。
国は,自然再生事業実施計画書に基づき施設整備及びモニタリング調査を実施します。更に自然再生協議会において,自然再生地の維持管理・利活用を推進します。
水資源機構※は,事業管理において発生するしゅんせつ土を用いた前浜等の湖岸保全を実施します。(※ 独立行政法人水資源機構)
〈自然浄化機能を活用した浄化対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
水生植物帯の造成 | 西浦 | 面積(m2) | 36,889 | 42,889 | 6,000 |
湖岸の自然環境の保全・再生 | 西浦 | 工事区間(m) | 900 (A,B地区) | 3,600 (A~I全区間) | 2,700 |
しゅんせつ土を用いた前浜等の湖岸保全 | 西浦 | 工事区間(m) | 5,970 | 6,470 | 500 |
ウ しゅんせつ
国は,平成24年5月に湖内作業が終了した霞ヶ浦の底泥しゅんせつについて,底泥からの汚濁負荷溶出のモニタリングを行うとともに,しゅんせつ土の処理として,農地等への活用を進めていきます。
エ 浄化対策に関する調査研究
近年の霞ヶ浦の水質汚濁状態に鑑み,国と茨城県は水質汚濁メカニズムについて引き続き調査・検討を進め,互いに情報共有するとともに,他の関係機関等と連携し,より効果的な水質浄化対策に努めていきます。
オ 浄化用水の導入
国は,那珂川から霞ヶ浦へ最大15m3/秒,利根川から霞ヶ浦へ最大25m3/秒導水することによる霞ヶ浦の水質浄化に向け,霞ヶ浦導水事業を促進します。
〈浄化用水の導入〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
那珂導水路 | 西浦 | 導水路(km) | 14.2 | 18.0 | 3.8 |
利根導水路 | 西浦 | 導水路(km) | 2.6 | ― | ― |
那珂導水路総延長:約43km,利根導水路総延長:約2.6km
2 水質の保全のための規制その他の措置
(1) 生活排水対策
ア 水環境にやさしいライフスタイルの推進
住民一人ひとりが水環境にやさしくしようという意識を持つとともに,霞ヶ浦の水質浄化を自らの課題として認識し,日常生活において水質浄化に向けた積極的な取組を行うことが重要です。
そのため,洗剤や石鹸の使用量は適量にする,食用油は使い切る,食器を洗う前には油汚れを拭き取る,調理くずや食べ残しは生ごみとして適切に処分し,雑排水に含めて排出しない,風呂の残り湯は再利用するなど,生活雑排水に含まれる汚濁負荷の削減について広報・啓発による普及を図り,環境への負荷の少ないライフスタイルの確立に努めます。
また,市町村と連携した家庭の廃油の処理に係る啓発及び回収の活動を促進します。
イ 生活排水対策の重点的な推進
流域市町村において,整備計画を策定して計画的に高度処理型浄化槽の設置を促進することなどにより,生活排水対策を重点的に推進します。
(2) 工場・事業場排水対策
ア 排水基準遵守の徹底
水質汚濁防止法等に基づき排水基準遵守の徹底を図ります。
特に,「霞ケ浦水質保全条例」(平成19年10月施行)等により,排水量10m3/日以上20m3/日未満の工場・事業場に排水基準を適用したことから,引き続き立入検査を実施し,排水基準遵守の徹底を指導します。また,排水基準の適用を受けない排水量10m3/日未満の小規模事業所等に対しても,立入検査の実施等により条例が規定する基準の遵守の徹底を図ります。
イ 汚濁負荷量規制の強化
霞ヶ浦流域における湖沼特定事業場(日平均排水量50m3/日以上の事業場)のうち,湖沼水質保全特別措置法に基づく汚濁負荷量規制を適用していない事業場(汚水処理施設,基準適用日前(CODについては昭和62年9月1日,窒素及びりんについては平成4年9月1日)に特定施設を設置して,その後変更がない事業場)に対して規制基準値を制定し,負荷量規制の適用を図ることにより,さらなる負荷削減を図ります。
(3) 畜産業に係る対策
ア 畜舎等に係る排水濃度規制及び構造・使用規制
畜舎については,水質汚濁防止法及び水質汚濁防止法に基づき排水基準を定める条例に基づく排水基準の遵守を徹底するとともに,規制の対象とならない指定施設,準用指定施設については,湖沼水質保全特別措置法に基づく構造・使用に係る基準の遵守の徹底を図ります。
イ 家畜排せつ物の適正な管理と利用
畜産農家に対し,家畜排せつ物の管理・利用の状況を把握するとともに,家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)の管理基準の遵守を指導します。家畜排せつ物の処理・利用の促進に必要な機械等の導入に対し支援します。
ウ 堆肥の流通促進と農外利用
茨城県家畜排せつ物利用促進計画に基づき,良質堆肥の広域流通や家畜排せつ物の農外処理・利用の促進を図ります。
良質堆肥の広域流通の促進においては,耕種農家の需要にあった良質堆肥の生産とともに,堆肥コーディネーターの活用などによる耕種農家と畜産農家との連携を図り,流域から流域外への堆肥の流通を推進します。
農外処理・利用においては,農場内等での燃料への活用など畜産バイオマスとしての利用を推進します。
〈畜産業に係る対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
堆肥の農外利用等※ | 西浦 | (t/年[窒素換算]) | 3,137 | 3,970 | 833 |
※「堆肥の農外利用等」とは,蒸発散,焼却などの処理,又は堆肥の流域外やホームセンターへの流通等による利用をいいます。また,茨城県内分の西浦・北浦合計の値です。
(4) 漁業・網いけす養殖業に係る対策
ア 未利用魚等の回収・駆除と漁業における資源管理の推進
湖内の窒素・りんを体内に取り込んだ未利用魚や外来魚の回収・駆除を実施し,魚体を通じた窒素・りんの湖外への取り出しによる水質浄化を進めます。
また,漁業は漁獲を通じて効率的に湖内から窒素・りんを取り出す機能を有することから,わかさぎ等有用資源の持続的かつ安定的な漁獲が行えるよう資源管理型漁業の取り組みを支援します。
イ 網いけす養殖の適正な管理と効率的な養殖生産の推進
環境に配慮した養殖を実践するため,餌料の投与,死魚の適正処理に関する基準の遵守,低タンパク,高カロリーの改善餌料の使用徹底などを図るとともに,養殖施設周辺の水質及び底泥のモニタリングを行います。さらに,コイの生産効率の向上等に関する調査研究を行い,汚濁負荷の低減に努めます。
〈漁獲による浄化対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
未利用魚等回収量 | 西浦 | (t/年) | 169 | 280 | 111 |
漁業生産量※ | 西浦 | (t/年) | 749 | 2,150 | 1,401 |
※平成27年の漁業生産量は未発表のため平成26年の漁業生産量を記載しています。
(5) 流出水対策
ア 農地対策
(ア) 適正施肥
農業者に対する霞ヶ浦水質浄化に対する啓発を進めるとともに,生産性との調和に配慮しつつ,減肥技術などの活用による環境にやさしい農業を推進します。
このため,化学肥料や化学合成農薬を5割以上低減し,地球温暖化防止や生物多様性に効果の高い営農活動に取り組む農業者に対し追加的コスト(注)を支援します。
また,土壌診断に基づく適正施肥を指導するため,展示ほを設置し,技術講習会に活用することで,適正施肥等の意識啓発・技術の普及を図ります。
さらに,茨城県内では土壌診断に基づく施肥設計に「たい肥ナビ!」を活用して,堆肥の肥料成分も考慮した総窒素量,総りん酸量の指導を行います。
(注) 堆肥の散布代や有機質肥料の購入費等,通常の栽培と環境保全型農業のコストの差額のこと
〈水田・レンコン田・畑での取組み〉
水田については,土壌診断に基づく適正施肥の指導,肥効調整型肥料の普及により施肥量の削減を図ります。また,代かき時の濁水の流出防止やかけ流しの防止,畦畔の保全・管理等,水管理の徹底について指導を行います。
レンコン田については,土壌診断に基づく適正施肥の指導の徹底を図るとともに,湛水条件における石灰窒素の肥効解明,それを考慮した施肥技術の実証及び水環境に及ぼす影響の解明を行います。
畑については,土壌診断に基づく適正施肥の指導や局所施肥技術を普及することで施肥量の低減を図ります。また,被覆作物(カバークロップ)の作付け等による表土や肥料成分の流出抑制を推進します。
(イ) 排水管理
水田については,既存の土地改良施設を活用し,かんがい期に農業排水を霞ヶ浦に排水せず,農業用水として循環させる「循環かんがい」の促進を図ることにより,農業排水からの流出負荷軽減に努めます。
〈農地対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量B-A |
化学肥料及び化学合成農薬を5割以上削減した環境にやさしい営農活動実施面積 | 西浦 | (ha) | 1,390 | 2,010 | 620 |
環境保全型農業直接支払事業取組面積 | 西浦 | (ha) | 259 | 626 | 367 |
茨城県内分を示す。西浦流域の農地面積は,58,680ha
イ 市街地対策
国,県及び市町村は,自ら道路・雨水排水路の清掃の強化を図るとともに,霞ヶ浦・北浦地域清掃大作戦等により,自治会や住民団体,企業,ボランティア団体等による清掃活動を促進するなど,市街地からの汚濁物質の流出抑制に努めます。
ウ 流出水対策地区における重点的な対策の実施
湖沼水質保全特別措置法第25条から第28条までの規定に基づき流出水対策地区に指定した山王川流域について,流出水対策推進計画(別添)に基づき農地・市街地対策を重点的に実施します。
(6) 緑地の保全その他湖辺の自然環境の保全
ア 森林の保全・整備,創出
水源かん養などの公益的機能を有している森林の荒廃と減少を抑制するため,森林の保全・整備を推進します。また,市町村や地域住民等に対し,生活環境の保全や湖沼の水質浄化機能の発揮などに寄与する森林の有する多面的機能と,併せて森林の保全・整備の必要性について一層の普及啓発を図ります。
〈平地林(里山林)の保全・整備〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
森林整備面積 | 西浦 | (ha) | 1,453 | 1,783 | 330 |
茨城県内分を示す。西浦流域の森林面積は,31,150ha
イ 湖岸の自然環境の再生・保全
霞ヶ浦の湖岸植生帯は,多様な動植物の生育・生息空間として重要であり,水質浄化機能も期待されることから,この湖岸植生帯の再生・保全を推進するとともに,沿岸住民や関係行政機関等と連携して,西浦湖岸の特性と調和した魅力的な湖岸景観の保全・形成を図ります。
第4 北浦における水質保全対策
北浦の水質保全を図るため,りんの汚濁負荷割合が高い生活排水や,窒素の汚濁負荷割合が高い農地・畜産からの負荷を中心に,一層の汚濁負荷削減に取り組みます。
生活排水対策については,流域人口の約5割,43.1千人の家庭からの排水が未処理であり,大きな汚濁負荷源となっていることから,高度処理型浄化槽人口を約2倍に増やすなど,浄化槽の整備を中心に生活排水対策を強化し,生活排水処理率を52.0%から69.7%と大幅に向上させます。
畜産対策については,北浦流域では豚の飼養頭数が多いことから,引き続き堆肥の流域外への流通や家畜排せつ物の農外処理・利用の推進などを重点的に実施し,汚濁負荷削減を図ります。
農地対策については,土壌診断に基づく適正施肥の推進や,環境にやさしい営農活動実施面積の拡大により,化学肥料使用量の削減を図ります。
さらに,湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)の土砂の堆積状況の調査や除去,多自然川づくりの推進など,湖内の浄化対策に取り組むとともに,しゅんせつや覆砂,脱窒などの試験を実施し,新たな湖内対策に向けて検討します。
1 湖沼の水質の保全に資する事業
平成27年度における北浦流域の生活排水処理率は52.0%となっていることから,生活排水対策を強化し,平成32年度の生活排水処理率を69.7%まで向上させます。
また,生態系の持つ自然浄化機能を活用した浄化対策など,湖沼や流入河川の浄化対策を進めます。
(1) 下水道,農業集落排水施設,浄化槽の整備等
ア 下水道の整備・接続
北浦流域における下水道の整備状況は,平成27年度末において3施設が稼働しており,すべての施設で,窒素やりんを除去する高度処理機能を有しています。そのうち2施設では,処理水を流域外に放流しています。
平成27年度末において,下水道処理人口は15.3千人であり普及率は17.0%,接続率は80.6%です。
北浦流域では,霞ケ浦湖北流域下水道,霞ケ浦水郷流域下水道の流域幹線管渠の整備は完了しており,また,鉾田市公共下水道が平成25年度から供用を開始しております。今後も市町村の公共下水道の整備促進を図るとともに,広報啓発活動を重点的に行い,下水道への接続を促進します。
〈下水道整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
行政人口 | 北浦 | (千人) | 90.0 | 84.8 | -5.2 |
下水道の整備 | 北浦 | 整備人口(千人) | 15.3 | 17.6 | 2.3 |
普及率(%) | 17.0 | 20.8 | 3.8 | ||
下水道の接続 | 北浦 | 接続率(%) | 80.6 | 85.4 | 4.8 |
イ 農業集落排水施設の整備・接続
北浦流域における農業集落排水施設は,平成27年度末において部分供用を含む12施設で稼働し,整備人口は10.2千人となっています。また,全ての施設で,窒素,りんを除去する高度処理を行っています。
北浦流域においては,継続中の2施設の整備を進めるとともに,未接続世帯への戸別訪問の実施などにより,農業集落排水への接続を促進し,接続率を78.3%まで向上させます。
〈農業集落排水施設整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
農業集落排水施設の整備 | 北浦 | 整備人口(千人) | 10.2 | 9.9 | -0.3 |
普及率(%) | 11.3 | 11.7 | 0.4 | ||
農業集落排水施設の接続 | 北浦 | 接続率(%) | 72.8 | 78.3 | 5.5 |
ウ 浄化槽の整備等
北浦流域における合併処理浄化槽の設置基数は,平成27年度末において7,529基,処理人口は27.1千人となっています。うち,高度処理型浄化槽については2,412基,処理人口は8.7千人となっています。
北浦流域では,浄化槽設置による生活排水処理率向上が中心となることから,単独処理浄化槽の廃止や高度処理型浄化槽の設置費用の助成などにより,設置促進を図ります。その際には,流域市町村に積極的に働きかけることにより,市町村が設置する窒素やりんを除去できる高度処理型浄化槽の整備を促進します。
また,浄化槽の維持管理の徹底を図るため,県や市町村の広報紙(誌)やホームページなどにより,県民や事業者に広く周知するとともに,戸別訪問による指導を実施することなどにより,浄化槽法(昭和58年法律第43号)に基づく法定検査の受検率の向上を図ります。
〈浄化槽の整備計画〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
浄化槽の設置等 | 北浦 | 合併処理浄化槽設置基数(基) | 7,529 | 10,122 | 2,593 |
うち高度処理型浄化槽の設置基数(基) | 2,412 | 5,556 | 3,144 | ||
合併処理浄化槽の処理人口(千人) | 27.1 | 36.4 | 9.3 | ||
うち高度処理型浄化槽の処理人口(千人) | 8.7 | 20.0 | 11.3 |
〈浄化槽の法定検査受検率〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
浄化槽の法定検査受検率の向上 | 北浦 | 受検率(%) | 34.8 | 50.0 | 15.2 |
〈汚水処理人口普及率※〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
汚水処理施設の整備 | 北浦 | 普及率(%) | 58.4 | 75.4 | 17.0 |
※下水道や農業集落排水施設の整備及び合併処理浄化槽の処理の人口の和から行政人口を除して算出
〈生活排水処理率※〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
生活排水の処理 | 北浦 | 処理率(%) | 52.0 | 69.7 | 17.7 |
※下水道や農業集落排水施設の接続及び合併処理浄化槽の処理の人口の和から行政人口を除して算出
(2) 湖沼等の浄化対策
ア 流入河川等の直接浄化対策
国は,これまで流入河川河口部に設置した2箇所(武田川,大円寺川)の湖内湖植生浄化施設(ウェットランド)のモニタリング調査を実施し,必要に応じて堆積土砂を除去し,流入負荷削減に努めます。
イ 生態系の持つ自然浄化機能を活用した浄化対策
茨城県は,流入河川において,河川の自然浄化機能を活用した水質浄化対策を促進するため,生物の良好な生息環境や多様な河川景観を保全・創出する多自然川づくりや植生浄化施設による水質浄化対策を推進し,湖内においては魚介類の産卵・育成の場となり,水質浄化機能も有する水生植物帯を整備します。
北浦を流末とする一級河川山田川の一定区間について,生態系の持つ自然浄化機能を向上させるため,生態系に十分配慮した河川改修事業を実施します。
水資源機構は,事業管理において発生するしゅんせつ土を用いた前浜等の湖岸保全を実施します。
〈自然浄化機能を活用した浄化対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
水生植物帯の造成 | 北浦 | 面積(m2) | 34,614 | 42,290 | 7,676 |
多自然川づくりの推進 | 北浦 | 河川数(箇所) | 0 | 1 | 1 |
しゅんせつ土を用いた前浜等の湖岸保全 | 北浦 | 工事区間(m) | 980 | 1,480 | 500 |
ウ 浄化対策に関する調査研究
国はしゅんせつや覆砂,脱窒による水質浄化試験を実施し,新たな対策に向けて費用対効果を含めて調査検討を進めます。
近年の霞ヶ浦の水質汚濁状態に鑑み,国と茨城県は水質汚濁メカニズムについて引き続き調査・検討を進め,互いに情報共有するとともに,他の関係機関等と連携し,より効果的な水質浄化対策に努めていきます。
2 水質の保全のための規制その他の措置
(1) 生活排水対策
ア 水環境にやさしいライフスタイルの推進
住民一人ひとりが水環境にやさしくしようという意識を持つとともに,霞ヶ浦の水質浄化を自らの課題として認識し,日常生活において水質浄化に向けた積極的な取組を行うことが重要です。
そのため,洗剤や石鹸の使用量は適量にする,食用油は使い切る,食器を洗う前には油汚れを拭き取る,調理くずや食べ残しは生ごみとして適切に処分し,雑排水に含めて排出しない,風呂の残り湯は再利用するなど,生活雑排水に含まれる汚濁負荷の削減について広報・啓発による普及を図り,環境への負荷の少ないライフスタイルの確立に努めます。
また,市町村と連携した家庭の廃油の処理に係る啓発及び回収の活動を促進します。
イ 生活排水対策の重点的な推進
流域市町村において,整備計画を策定して計画的に高度処理型浄化槽の設置を促進することなどにより,生活排水対策を重点的に推進します。
(2) 工場・事業場排水対策
ア 排水基準遵守の徹底
霞ヶ浦流域においては,「霞ケ浦水質保全条例」(平成19年10月施行)等により,排水量10m3/日以上20m3/日未満の工場・事業場に新たに排水基準を適用していることから,今後も引き続き立入検査を実施し,排水基準遵守の徹底を指導します。排水基準の適用を受けない排水量10m3/日未満の小規模事業所等に対しても,立入検査の実施等により条例が規定する基準の遵守の徹底を図ります。
イ 汚濁負荷量規制の強化
霞ヶ浦流域における湖沼特定事業場(日平均排水量50m3/日以上の事業場)のうち,湖沼水質保全特別措置法に基づく汚濁負荷量規制を適用していない事業場(汚水処理施設,基準適用日前(CODについては昭和62年9月1日,窒素及びりんについては平成4年9月1日)に特定施設を設置して,その後変更がない事業場)に対して規制基準値を制定し,負荷量規制の適用を図ることにより,さらなる負荷削減を図ります。
(3) 畜産業に係る対策
ア 畜舎等に係る排水濃度規制及び構造・使用規制
畜舎については,水質汚濁防止法及び水質汚濁防止法に基づき排水基準を定める条例に基づく排水基準の遵守を徹底するとともに,規制の対象とならない指定施設,準用指定施設については,湖沼水質保全特別措置法に基づく構造・使用に係る基準の遵守の徹底を図ります。
イ 家畜排せつ物の適正な管理と利用
畜産農家に対し,家畜排せつ物の管理・利用の状況を把握するとともに,家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第112号)の管理基準の遵守を指導します。家畜排せつ物の処理・利用の促進に必要な機械等の導入に対し支援します。
ウ 堆肥の流通促進と農外利用
茨城県家畜排せつ物利用促進計画に基づき,良質堆肥の広域流通や家畜排せつ物の農外処理・利用の促進を図ります。
良質堆肥の広域流通の促進においては,耕種農家の需要にあった良質堆肥の生産とともに,堆肥コーディネーターの活用などによる耕種農家と畜産農家との連携を図り,流域から流域外への堆肥の流通を推進します。
農外処理・利用においては,農場内等での燃料への活用など畜産バイオマスとしての利用を推進します。
〈畜産業に係る対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
堆肥の農外利用等※ | 北浦 | (t/年[窒素換算]) | 3,137 | 3,970 | 833 |
※「堆肥の農外利用等」とは,蒸発散,焼却などの処理,又は堆肥の流域外やホームセンターへの流通等による利用をいいます。また,茨城県内分の西浦・北浦合計の値です。
(4) 漁業・網いけす養殖業に係る対策
ア 未利用魚等の回収・駆除と漁業における資源管理の推進
湖内の窒素・りんを体内に取り込んだ未利用魚や外来魚の回収・駆除を実施し,魚体を通じた窒素・りんの湖外への取り出しによる水質浄化を進めます。
また,漁業は漁獲を通じて効率的に湖内から窒素・りんを取り出す機能を有することから,わかさぎ等有用資源の持続的かつ安定的な漁獲が行えるよう資源管理型漁業の取り組みを支援します。
イ 網いけす養殖の適正な管理と効率的な養殖生産の推進
環境に配慮した養殖を実践するため,餌料の投与,死魚の適正処理に関する基準の遵守,低タンパク,高カロリーの改善餌料の使用徹底などを図るとともに,養殖施設周辺の水質及び底泥のモニタリングを行います。さらに,コイの生産効率の向上等に関する調査研究を行い,汚濁負荷の低減に努めます。
〈漁獲による浄化対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
未利用魚等回収量 | 北浦 | (t/年) | 22.5 | 40.0 | 17.5 |
漁業生産量※ | 北浦 | (t/年) | 111 | 350 | 239 |
※平成27年の漁業生産量は未発表のため平成26年の漁業生産量を記載しています。
(5) 流出水対策
ア 農地対策
(ア) 適正施肥
農業者に対する霞ヶ浦水質浄化に対する啓発を進めるとともに,生産性との調和に配慮しつつ,減肥技術などの活用による環境にやさしい農業を推進します。
北浦流域は農地が広く分布していることから,化学肥料や化学合成農薬を5割以上低減し,地球温暖化防止や生物多様性に効果の高い営農活動に取り組む農業者に対し,追加的コスト(注)を支援します。
また,土壌診断に基づく適正施肥を指導するため,展示ほを設置し,技術講習会に活用することで,適正施肥等の意識啓発・技術の普及を図ります。
さらに,土壌診断に基づく施肥設計に「たい肥ナビ!」を活用して,堆肥の肥料成分も考慮した総窒素量,総りん酸量の指導を行います。
(注) 堆肥の散布代や有機質肥料の購入費等,通常の栽培と環境保全型農業のコストの差額のこと
〈水田・レンコン田・畑での取組み〉
水田については,土壌診断に基づく適正施肥の指導,肥効調整型肥料の普及により施肥量の削減を図ります。また,代かき時の濁水の流出防止やかけ流しの防止,畦畔の保全・管理等,水管理の徹底について指導を行います。
レンコン田については,土壌診断に基づく適正施肥の指導の徹底を図るとともに,湛水条件における石灰窒素の肥効解明,それを考慮した施肥技術の実証及び水環境に及ぼす影響の解明を行います。
畑については,土壌診断に基づく適正施肥の指導や局所施肥技術を普及することで施肥量の低減を図ります。また,被覆作物(カバークロップ)の作付け等による表土や肥料成分の流出抑制を推進します。さらに窒素の環境負荷を削減するため,化学肥料等を減らした,環境にやさしい営農活動を推進します。
(イ) 排水管理
水田については,既存の土地改良施設を活用し,かんがい期に農業排水を霞ヶ浦に排水せず,農業用水として循環させる「循環かんがい」の促進を図ることにより,農業排水からの流出負荷軽減に努めます。
〈農地対策〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
化学肥料及び化学合成農薬を5割以上削減した環境にやさしい営農活動実施面積 | 北浦 | (ha) | 420 | 560 | 140 |
環境保全型農業直接支払事業取組面積 | 北浦 | (ha) | 86 | 191 | 105 |
北浦流域の農地面積は,14,290ha
イ 市街地対策
国,県及び市町村は,自ら道路・雨水排水路の清掃の強化を図るとともに,霞ヶ浦・北浦地域清掃大作戦等により,自治会や住民団体,企業,ボランティア団体等による清掃活動を促進するなど,市街地からの汚濁物質の流出抑制に努めます。
ウ 流出水対策地区における重点的な対策の実施
湖沼水質保全特別措置法第25条から第28条までの規定に基づき流出水対策地区に指定した鉾田川流域について,流出水対策推進計画(別添)に基づき農地・市街地対策を重点的に実施します。
(6) 緑地の保全その他湖辺の自然環境の保全
ア 森林の保全・整備,創出
水源かん養などの公益的機能を有している森林の荒廃と減少を抑制するため,森林の保全・整備を推進します。また,市町村や地域住民等に対し,生活環境の保全や湖沼の水質浄化機能の発揮などに寄与する森林の有する多面的機能と,併せて森林の保全・整備の必要性について一層の普及啓発を図ります。
〈平地林(里山林)の保全・整備〉
項目 | 流域 | 単位 | 現状 A (平成27年度) | 目標 B (平成32年度) | 計画量 B-A |
森林整備面積 | 北浦 | (ha) | 363 | 448 | 85 |
北浦流域の森林面積は,8,450ha
イ 湖岸の自然環境の再生・保全
霞ヶ浦の湖岸植生帯は,多様な動植物の生育・生息空間として重要であり,水質浄化機能も期待されることから,この湖岸植生帯の再生・保全を推進するとともに,沿岸住民および関係行政機関等と連携して,北浦湖岸の特性と調和した魅力的な湖岸景観についても保全・形成を図ります。
第5 その他水質保全のために必要な措置
1 地域住民等に対する知識の普及と意識の高揚
(1) 情報発信
水質浄化対策の推進のため,霞ヶ浦や河川の動向や水質,本計画に基づく対策の実績量,霞ケ浦環境科学センターをはじめとする研究機関において取り組んでいる研究成果,環境保全に取り組む団体の活動状況等について,情報を収集・整理し,国,県及び市町村の広報誌やインターネット等を活用して積極的な発信を行います。
(2) 環境学習・啓発活動の実施
小学生や中学生を中心に,霞ヶ浦をはじめ県内の環境について楽しく学びながら学習し,身の回りの環境を大切にする心を育むことができるよう,霞ケ浦環境科学センターの展示室等を活用した体験型の環境学習や,霞ヶ浦の湖上において,直接,霞ヶ浦を体感できる学習に取り組むとともに,霞ヶ浦周辺の自然観察会や野外講座等,幅広い年代が参加できる環境学習事業を実施するなど,霞ヶ浦を身近に感じることのできる機会を提供します。
また,流域探検隊交流活動や霞ヶ浦教室の開催,食用残廃油回収作業の実施,清掃大作戦等の実践活動を通じて,水質浄化に対する関心を高めるとともに,問題意識の共有化を図るため,霞ヶ浦問題協議会と連携を図りながら啓発活動を実施します。
さらに,環境保全活動を実践する人材の裾野を広げるとともに,これらの活動のリーダーとなる人材を養成するため,エコ・カレッジを実施します。
〈環境学習等の実施〉
項目 | 流域 | 単位 | 目標(5年間計) |
環境学習への参加者数 | 合計 | (人) | 75,000 |
啓発活動の参加者数 | 合計 | (人) | 1,200,000 |
エコ・カレッジの参加者数 | 合計 | (人) | 300 |
(3) 地域住民等の参画の促進
本計画に基づく対策の実施において,地域住民等の理解と積極的な参画が得られるよう,啓発の機会や場を設けるとともに,計画の評価に当たっても広く住民の参画を図るため,説明会や意見交換会の開催等に努めます。さらに,環境保全に取り組む団体の活動への市民の参画の場づくりを推進します。
また,本計画に掲げる事業をより一層広範にきめ細やかに推進するために,地域や住民団体の自主性,主体性を尊重しつつ,それらの有している創造力・企画力を生かし,環境学習や水質浄化活動を行う団体に対する支援や,ヨシ帯等の保全活動等を行う団体に対する支援など,地域住民や団体等の水質浄化への取組を積極的に支援します。
2 世界湖沼会議の開催を契機とした取組
平成7年に茨城県で第6回世界湖沼会議を開催してから20年余り経過し,霞ヶ浦の水質保全活動の取組(霞ケ浦環境科学センターの設立,流域のすべての主体に適切な排水処理を義務付けた茨城県霞ケ浦水質保全条例の施行,水質浄化も目的とした自主税財源である森林湖沼環境税の導入など)や成長した市民の環境保全活動を世界に発信するとともに,市民に参加してもらうことで霞ヶ浦の水質保全に向けた県民の気運を盛り上げるとともに,流域すべての関係者と連携して水質保全対策の取り組みをより一層進めます。
(1) 市民活動の活性化
第17回世界湖沼会議では,市民の環境保全活動を発表できるようなプログラムを設定するとともに,会議の内容や運営方法について,市民団体等と意見交換をしながら検討することにより水質浄化に取り組む気運を醸成し,市民活動の活性化を図ります。
(2) 流域連携の推進
世界湖沼会議の開催を契機に,霞ヶ浦流域が一体となった水質浄化運動に取り組むようにするため,流域すべての関係者がそれぞれ役割分担をしながら総合的な水質保全対策を実施していく流域連携を推進し,流域水循環協議会の設置に向けて取り組みます。
3 霞ヶ浦及び流入河川の水質状況の把握
(1) 関係機関は連携して,霞ヶ浦及び流入河川の水質の状況を的確に把握するため定期的に水質の監視,測定を実施するとともに,降雨時や小河川の水質調査を実施するなど,対策に必要な湖内や河川の情報を把握するためのモニタリングを実施し,その結果を評価・解析し公表します。
4 霞ケ浦環境科学センターと関係機関との連携による調査研究の推進
茨城県は,霞ケ浦環境科学センターを拠点とし,大学や国の研究機関,畜産センターや農業総合センター,水産試験場等の県の研究機関とも連携して,霞ヶ浦の水質浄化に関する調査研究を進めます。
湖内については,水質や植物プランクトンについての詳細調査を実施し,その増殖要因を解析するとともに,COD変動の直接の要因である植物プランクトンの動態解明,その増殖要因である窒素・りんの削減に向けた調査研究・技術開発を進めます。また,生物による植物プランクトン等のろ過機能について検討します。さらに,底層溶存酸素量の実態や気候変動による水質への影響を既存データの解析により検討します。
流域については,汚濁負荷を正確に把握するための研究に取り組むとともに,特に農地は施肥等により窒素の負荷割合が高く,また,畜産業から発生する堆肥を施肥していることから,農地からの窒素負荷の動態並びに流域土壌中に蓄積した窒素量や許容できる環境容量について研究するとともに,農地からの汚濁物質の削減手法や各分野が連携した新たな視点での負荷低減を検討します。
これらの調査研究の成果や研究情報等については,一元的に収集・整理・提供することにより,情報の共有化を図ります。
5 関係者の連携・協力による計画推進体制の整備
本計画を効果的かつ確実に推進するためには,住民・事業者・研究者・行政の4者が,住民,事業者といった各主体で幅広く連携・協力できる体制の整備を進め,4者のネットワーク化を目指します。
また,環境保全に取り組む団体の連携・交流を促進します。
なお,本計画を着実に推進するために,各事業の進捗状況や対策効果の検証等を関係者間で積極的に行います。
6 アオコの発生要因の究明及び対策
富栄養化が最も進行していた昭和40年代後半から昭和50年代には,毎年夏になると大量のアオコが発生していましたが,その後の水質改善対策の実施等により近年は以前のような頻繁な大発生は少なくなりました。しかしながら,頻度は少なくなったものの平成23年のように大発生することもあります。
アオコの発生には,窒素,りんなどの栄養塩の濃度,光,水温,風などの気象条件が影響を与えているといわれていますが,そのメカニズムについては不明な点も多く,発生要因の一層の究明に努めます。
アオコが大発生すると,周辺地域における良好な環境や水質への悪影響が懸念されることから,関係行政機関等が連携して,既存の「霞ヶ浦及び北浦アオコ等対策連絡会議」の一層の活用を図り,監視パトロール,発生抑制や回収等を実施して,アオコ対策の強化を図ります。
〈主な対策内容・実施主体〉
対策内容 | 実施主体 |
情報の収集,アオコ発生の予測,関係機関の調整 | 県 |
アオコ監視パトロールの実施(発生状況確認) | 国,県,市 |
河川への遡上防止(フェンスの設置,送水ポンプの運転等) | 国,県 |
アオコの回収等 | 国,県,市 |
7 霞ヶ浦等の水環境の放射性物質モニタリング
福島第一原子力発電所の事故により,環境中に広範囲に放射性物質が放出されている一方で,霞ヶ浦の水は飲料用水,工業用水等に使われていることから,関係機関との調整のもと,霞ヶ浦等の水環境の放射性物質を把握するため定期的にモニタリングを行います。
Ⅰ 山王川流域における流出水対策推進計画
1 流出水対策の実施の推進に関する方針
(1) 取組目標
石岡市の中心部を流下し西浦に流入する山王川の流域については,第5期計画において流出水対策地区に指定し,農地対策として環境にやさしい営農活動の実施や土壌診断に基づく適正施肥の推進等,市街地対策として道路清掃などを実施してきました。
また,住民団体による水質浄化キャンペーンや廃油回収等,水質浄化に向けた意識啓発事業が実施されました。
その結果,山王川の水質については,平成22年度値よりCOD,全窒素,全りんのすべての項目で改善しましたが,依然として高い濃度で推移しています(図7~9)。
このように,様々な主体の連携による取組の結果,水質改善の効果が現れてきていることから,流出水対策地区におけるモデル的な取組として,他の河川流域への普及を図るとともに,流域から排出される汚濁負荷量の更なる削減を目指します。
(2) 実施体制
国及び県,市,地域の住民団体,関係機関等が互いに連携,協力することにより,流出水対策を推進します。
2 流出水の水質を改善するための具体的方策に関すること
(1) 農地対策
| 対策 | 実施主体 | 実施時期 | 実施場所 | 目標 (平成32年度) |
1 | 化学肥料及び化学合成農薬を5割以上削減した環境にやさしい営農活動実施面積 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 石岡市内 228ha |
2 | 環境保全型農業直接支払事業取組面積 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 石岡市内 70ha |
3 | 土壌診断 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 石岡市内 70地点 |
4 | 水田における水管理※の改善 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 石岡市内 適宜実施 |
5 | 適正施肥講習会 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 石岡市内 適宜実施 |
※水管理:代かき時の濁水の流出防止やかけ流しの防止,畦畔の保全・管理等
(2) 市街地対策
| 対策 | 実施主体 | 実施時期 | 実施場所 | 目標 (平成32年度) |
1 | 周辺道路,公園等の清掃 | 国,県,市,企業,住民等 | 通年 | 地区内道路等 | 適宜実施 |
3 流出水対策に係る啓発に関すること
茨城県は,パンフレットの作成や説明会等を開催し,対策地区の取組目標,対策,実施主体,実施時期,対策を講じる場所等について,流域住民や企業,農業者等に説明するとともに,市や住民団体等と連携しながら,家庭用廃油の回収・利用促進のほか,河川の水質調査や環境学習活動の実施促進等を図り,啓発に努めます。
4 その他流出水対策の実施の推進のために必要な措置
流出水対策の実施にあたっては,関係する国や市,農業者団体,企業,住民等との連携を図るとともに,流出水対策の効果把握のため,定期的な水質モニタリングの実施に努めます。
図7 山王川(所橋)のCODの推移
図8 山王川(所橋)の全窒素の推移
図9 山王川(所橋)の全りんの推移
山王川流域の地図
国土地理院の電子地形図(タイル)に山王川流域に関する情報を追記して記載
Ⅱ 鉾田川流域における流出水対策推進計画
1 流出水対策の実施の推進に関する方針
(1) 取組目標
鉾田市の中心部から北浦に流れる鉾田川については,第5期計画において流出水対策地区に指定し,土壌診断による適正な施肥指導や家畜排せつ物の適正な管理や利用などを指導したほか,道路清掃などの市街地対策を実施してきました。
また,住民団体による水質浄化キャンペーンや廃油回収等,水質浄化に向けた意識啓発事業が実施されました。
その結果,鉾田川の水質については,平成22年度値より全窒素及び全りんで上昇し,CODは横ばいで推移しました(図10~12)。
こうしたことから,汚濁要因の調査を継続するとともに,下記の対策を重点的に実施することにより,流域からの汚濁負荷量の削減を目指します。
(2) 実施体制
県と市,地元の農家,住民,住民団体等が互いに連携,協力することにより,流出水対策を推進します。
2 流出水の水質を改善するための具体的方策に関すること
(1) 農地対策
| 対策 | 実施主体 | 実施時期 | 実施場所 | 目標 (平成32年度) |
1 | 化学肥料及び化学合成農薬を5割以上削減した環境にやさしい営農活動実施面積 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 鉾田市内 217ha |
2 | 環境保全型農業直接支払事業取組面積 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 鉾田市内 83ha |
3 | 土壌診断 | 県,農業者団体,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 鉾田市内 1,000地点 |
4 | 堆肥の適正利用 | 県,農業者 | 通年 | 地区内農地 | 全戸の戸別訪問及び適正処理指導 |
(2) 市街地対策
| 対策 | 実施主体 | 実施時期 | 実施場所 | 目標 (平成32年度) |
1 | 周辺道路等の清掃 | 県,市,住民等 | 通年 | 地区内道路等 | 適宜実施 |
3 流出水対策に係る啓発に関すること
茨城県は,パンフレットの作成や説明会等を開催し,対策地区の取組目標,対策,実施主体,実施時期,対策を講じる場所等について,流域住民や企業,農業者等に説明するとともに,市や住民団体,農業者等と協力しながら,河川の水質調査や環境学習活動の促進のほか,適正な施肥の推進を図り,啓発に努めます。
4 その他流出水対策の実施の推進のために必要な措置
流出水対策の実施にあたっては,関係する市や農業者団体,企業,住民等との連携を図るとともに,流出水対策の効果把握のため,定期的な水質モニタリングの実施に努めます。
図10 鉾田川(旭橋)のCODの推移
図11 鉾田川(旭橋)の全窒素の推移
図12 鉾田川(旭橋)の全りんの推移
鉾田川流域の地図
国土地理院の電子地形図(タイル)に鉾田川流域に関する情報を追記して記載
第7期計画 事業目標等一覧
1 湖沼の水質の保全に資する事業
分野 | 項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状A (平成27年度) | 目標B (平成32年度) | 計画量 B-A |
(1) 下水道,農業集落排水施設,浄化槽等の整備等 | 行政人口 ( )内は茨城県内分 | 西浦 | (千人) |
| 873.6 (871.7) | 854.2 (852.5) | -19.4 (-19.2) |
北浦 | (千人) | 90.0 | 84.8 | -5.2 | |||
全水域計 | (千人) | 963.6 (961.7) | 939.0 (937.3) | -24.6 (-24.4) | |||
下水道の整備 | 西浦 | 整備人口(千人) | 583.0 | 602.3 | 19.3 | ||
普及率(%) | 66.7 | 70.5 | 3.8 | ||||
北浦 | 整備人口(千人) | 15.3 | 17.6 | 2.3 | |||
普及率(%) | 17.0 | 20.8 | 3.8 | ||||
全水域計 | 整備人口(千人) | 598.4 | 620.0 | 21.6 | |||
普及率(%) | 62.1 | 66.0 | 3.9 | ||||
下水道の接続 | 西浦 | 接続率(%) | 89.9 | 90.6 | 0.7 | ||
北浦 | 接続率(%) | 80.6 | 85.4 | 4.8 | |||
全水域計 | 接続率(%) | 89.7 | 90.5 | 0.8 | |||
農業集落排水施設の整備※1 | 北浦 | 整備人口(千人) | 10.2 | 9.9 | -0.3 | ||
普及率(%) | 11.3 | 11.7 | 0.4 | ||||
農業集落排水施設の接続 | 西浦 | 接続率(%) | 西浦全域 | 76.5 | 80.5 | 4.0 | |
茨城県 | 76.3 | 80.3 | 4.0 | ||||
千葉県 | 95.0 | 96.6 | 1.6 | ||||
北浦 | 接続率(%) |
| 72.8 | 78.3 | 5.5 | ||
全水域計 | 接続率(%) | 全水域 | 75.9 | 80.2 | 4.3 | ||
茨城県 | 75.7 | 80.0 | 4.3 | ||||
千葉県 | 95.0 | 96.6 | 1.6 | ||||
| 浄化槽の設置等 | 西浦 | 合併処理設置基数(基) | 西浦全域 | 31,362 | 34,358 | 2,996 |
茨城県 | 31,214 | 34,166 | 2,952 | ||||
千葉県 | 106 | 150 | 44 | ||||
栃木県 | 42 | 42 | 0 | ||||
うち高度処理型浄化槽の設置基数(基) | 西浦全域 | 11,191 | 14,261 | 3,070 | |||
茨城県 | 11,164 | 14,222 | 3,058 | ||||
千葉県 | 27 | 39 | 12 | ||||
栃木県 | 0 | 0 | 0 | ||||
合併処理浄化槽の処理人口(千人) | 西浦全域 | 112.9 | 123.5 | 10.6 | |||
茨城県 | 112.4 | 123.0 | 10.6 | ||||
千葉県 | 0.4 | 0.4 | 0 | ||||
栃木県 | 0.1 | 0.1 | 0 | ||||
うち高度処理型浄化槽の処理人口(千人) | 西浦全域 | 40.3 | 51.3 | 11.0 | |||
茨城県 | 40.2 | 51.2 | 11.0 | ||||
千葉県 | 0.1 | 0.1 | 0 | ||||
栃木県 | 0 | 0 | 0 | ||||
北浦 | 合併処理設置基数(基) |
| 7,529 | 10,122 | 2,593 | ||
うち高度処理型浄化槽の設置基数(基) | 2,412 | 5,556 | 3,144 | ||||
合併処理浄化槽の処理人口(千人) | 27.1 | 36.4 | 9.3 | ||||
うち高度処理型浄化槽の処理人口(千人) | 8.7 | 20.0 | 11.3 |
※1 西浦流域における農業集落排水施設の整備はほぼ完了しているため,北浦流域のみの数値目標とする。
分野 | 項目 | 流域 | 単位 | 対象 | 現状A (平成27年度) | 目標B (平成32年度) | 計画量 B-A |
(1) 下水道,農業集落排水施設,浄化槽等の整備等 | 浄化槽の設置等 | 全水域計 | 合併処理設置基数(基) | 全水域 | 38,891 | 44,480 | 5,589 |
茨城県 | 38,743 | 44,288 | 5,545 | ||||
千葉県 | 106 | 150 | 44 | ||||
栃木県 | 42 | 42 | 0 | ||||
うち高度処理型浄化槽の設置基数(基) | 全水域 | 13,603 | 19,817 | 6,214 | |||
茨城県 | 13,576 | 19,778 | 6,202 | ||||
千葉県 | 27 | 39 | 12 | ||||
栃木県 | 0 | 0 | 0 | ||||
合併処理浄化槽の処理人口(千人) | 全水域 | 140.0 | 159.9 | 19.9 | |||
茨城県 | 139.5 | 159.4 | 19.9 | ||||
千葉県 | 0.4 | 0.4 | 0 | ||||
栃木県 | 0.1 | 0.1 | 0 | ||||
うち高度処理型浄化槽の処理人口(千人) | 全水域 | 49.0 | 71.3 | 22.3 | |||
茨城県 | 48.9 | 71.2 | 22.3 | ||||
千葉県 | 0.1 | 0.1 | 0 | ||||
栃木県 | 0 | 0 | 0 | ||||
浄化槽の法定検査受検率の向上 | 西浦 | 受検率(%) |
| 33.2 | 50.0 | 16.8 | |
北浦 | 受検率(%) |
| 34.8 | 50.0 | 15.2 | ||
全水域計 | 受検率(%) |
| 33.5 | 50.0 | 16.5 | ||
汚水処理施設の整備 | 西浦 | 普及率(%) | 西浦全域 | 85.9 | 91.1 | 5.2 | |
茨城県 | 85.9 | 91.1 | 5.2 | ||||
千葉県 | 66.8 | 66.8 | 0 | ||||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 | ||||
北浦 | 普及率(%) |
| 58.4 | 75.4 | 17.0 | ||
全水域計 | 普及率(%) | 全水域 | 83.3 | 89.7 | 6.4 | ||
茨城県 | 83.3 | 89.7 | 6.4 | ||||
千葉県 | 66.8 | 66.8 | 0 | ||||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 | ||||
生活排水の処理 | 西浦 | 処理率(%) | 西浦全域 | 77.7 | 83.3 | 5.6 | |
茨城県 | 77.7 | 83.3 | 5.6 | ||||
千葉県 | 64.6 | 65.3 | 0.7 | ||||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 | ||||
北浦 | 処理率(%) |
| 52.0 | 69.7 | 17.7 | ||
全水域計 | 処理率(%) | 全水域 | 75.3 | 82.1 | 6.8 | ||
茨城県 | 75.3 | 82.1 | 6.8 | ||||
千葉県 | 64.6 | 65.3 | 0.7 | ||||
栃木県 | 100.0 | 100.0 | 0 | ||||
(2) 湖内等の浄化対策 | 水生植物帯の造成 | 西浦 | 面積(m2) |
| 36,889 | 42,889 | 6,000 |
北浦 | 面積(m2) |
| 34,614 | 42,290 | 7,676 | ||
全水域計 | 面積(m2) |
| 71,503 | 85,179 | 13,676 | ||
多自然川づくりの推進 | 西浦 | 河川数(箇所) |
| ― | ― | ― | |
北浦 | 河川数(箇所) |
| 0 | 1 | 1 | ||
全水域計 | 河川数(箇所) |
| 0 | 1 | 1 | ||
湖岸の自然環境の保全・再生 | 西浦 | 工事区間(m) |
| 900 | 3,600 | 2,700 | |
北浦 | 工事区間(m) |
| ― | ― | ― | ||
全水域計 | 工事区間(m) |
| 900 | 3,600 | 2,700 | ||
浄化用水の導入 | 西浦 | 那珂導水路(km) |
| 14.2 | 18.0 | 3.8 | |
利根導水路(km) |
| 2.6 | ― | ― | |||
しゅんせつ土を用いた前浜等の湖岸保全 | 西浦 | 工事区間(m) |
| 5,970 | 6,470 | 500 | |
北浦 | 工事区間(m) |
| 980 | 1,480 | 500 | ||
全水域計 | 工事区間(m) |
| 6,950 | 7,950 | 1,000 |
2 水質の保全のための規制その他の措置
分野 | 項目 | 流域 | 単位 | 現状A (平成27年度) | 目標B (平成32年度) | 計画量 B-A |
(1) 畜産業に係る対策 | 堆肥の農外利用等 | 全水域計 | (t/年[窒素換算]) | 3,137 | 3,970 | 833 |
(2) 漁業・網いけす養殖業に係る対策 | 未利用魚等回収量 | 西浦 | (t/年) | 169 | 280 | 111 |
北浦 | (t/年) | 22.5 | 40.0 | 17.5 | ||
全水域計 | (t/年) | 191.5 | 320.0 | 128.5 | ||
漁業生産量 | 西浦 | (t/年) | 749 | 2,150 | 1,401 | |
北浦 | (t/年) | 111 | 350 | 239 | ||
全水域計 | (t/年) | 860 | 2,500 | 1,640 | ||
(3) 農地対策 | 化学肥料及び化学合成農薬を5割以上削減した環境にやさしい営農活動実施面積 | 西浦 | 面積(ha) | 1,390 | 2,010 | 620 |
北浦 | 面積(ha) | 420 | 560 | 140 | ||
全水域計 | 面積(ha) | 1,810 | 2,570 | 760 | ||
環境保全型農業直接支払事業取組面積 | 西浦 | 面積(ha) | 259 | 626 | 367 | |
北浦 | 面積(ha) | 86 | 191 | 105 | ||
全水域計 | 面積(ha) | 345 | 817 | 472 | ||
(4) 緑地の保全その他湖辺の自然環境の保全 | 森林整備面積 | 西浦 | 面積(ha) | 1,453 | 1,783 | 330 |
北浦 | 面積(ha) | 363 | 448 | 85 | ||
全水域計 | 面積(ha) | 1,816 | 2,231 | 415 |
3 その他水質保全のために必要な措置
分野 | 項目 | 流域 | 単位 | 現状A (平成27年度) | 目標B (平成32年度) | 計画量 B-A |
地域住民等に対する知識の普及と意識の高揚 | 環境学習への参加者数 | 合計 | 参加者(人) | ― | (5年間計) 75,000 | ― |
啓発活動の参加者数 | 合計 | 参加者(人) | ― | (5年間計) 1,200,000 | ― | |
エコ・カレッジの参加者数 | 合計 | 参加者(人) | ― | (5年間計) 300 | ― |
フレームの推移
| 単位 | 平成27年度(現況) | 平成32年度(推計)※ | ||||||
西浦 | 北浦 | 全域 | 西浦 | 北浦 | 全域 | ||||
生活系 | 流域内人口 | 千人 | 873.6 | 90.0 | 963.6 | 854.2 | 84.8 | 939.0 | |
下水道 | 千人 | 524.3 | 12.3 | 536.6 | 545.9 | 15.0 | 560.9 | ||
農業集落排水施設 | 千人 | 41.4 | 7.4 | 48.8 | 41.8 | 7.7 | 49.5 | ||
合併処理浄化槽 | 千人 | 112.9 | 27.1 | 140.0 | 123.5 | 36.4 | 160.0 | ||
| うち,高度処理型 | 千人 | 40.3 | 8.7 | 49.0 | 51.3 | 20.0 | 71.3 | |
単独処理浄化槽 | 千人 | 108.5 | 31.1 | 139.6 | 77.7 | 18.3 | 96.0 | ||
し尿処理 | 千人 | 86.5 | 12.0 | 98.5 | 65.2 | 7.3 | 72.5 | ||
雑排水未処理人口 | 千人 | 195.0 | 43.1 | 238.1 | 142.9 | 25.6 | 168.5 | ||
工場・事業場 | 10億円 | 2,122.6 | 287.3 | 2,409.9 | 2,122.6 | 287.3 | 2,409.9 | ||
畜産系 | 牛 | 合計 | 千頭 | 17.4 | 9.6 | 27.0 | 17.7 | 9.7 | 27.4 |
うち,乳牛 | 千頭 | 7.2 | 5.8 | 13.0 | 7.3 | 5.8 | 13.1 | ||
うち,肉牛 | 千頭 | 10.2 | 3.8 | 14.0 | 10.4 | 3.9 | 14.3 | ||
豚 | 千頭 | 120.3 | 163.4 | 283.8 | 128.9 | 175.1 | 304.0 | ||
鶏 | 合計 | 十万羽 | 60.8 | 24.9 | 85.7 | 57.2 | 22.6 | 80.8 | |
うち,採卵鶏 | 十万羽 | 51.7 | 23.8 | 75.4 | 49.1 | 22.6 | 71.7 | ||
うち,肉用鶏 | 十万羽 | 9.1 | 1.1 | 10.2 | 8.1 | 1.0 | 9.1 | ||
面源系 | 水田 | 合計 | km2 | 354.8 | 49.0 | 403.9 | 354.8 | 49.0 | 403.9 |
うち,水稲田 | km2 | 267.4 | 38.3 | 305.7 | 267.4 | 38.3 | 305.7 | ||
うち,転作用 | km2 | 48.9 | 8.0 | 57.0 | 48.9 | 8.0 | 57.0 | ||
うち,不作付田 | km2 | 38.5 | 2.7 | 41.3 | 38.5 | 2.7 | 41.3 | ||
ハス田 | km2 | 13.6 | 2.2 | 15.8 | 13.6 | 2.2 | 15.8 | ||
畑 | km2 | 218.4 | 91.7 | 310.1 | 218.4 | 91.7 | 310.1 | ||
市街地 | km2 | 284.9 | 53.2 | 338.1 | 284.9 | 53.2 | 338.1 | ||
山林 | km2 | 311.5 | 84.5 | 396.1 | 311.5 | 84.5 | 396.1 | ||
その他 | km2 | 383.2 | 90.4 | 473.6 | 383.2 | 90.4 | 473.6 | ||
網いけす | t | 1,045.0 | 42.0 | 1,087.0 | 1,250.0 | 50.0 | 1,300.0 |
※平成32年度は推計値である。
汚濁負荷量の推移
COD
| 単位 | 平成27年度(現況) | 平成32年度(推計)※ | ||||
西浦 | 北浦 | 全域 | 西浦 | 北浦 | 全域 | ||
生活排水 | kg/日 | 4,482.0 | 881.6 | 5,363.6 | 3,644.2 | 599.8 | 4,243.9 |
工場・事業場 | kg/日 | 567.5 | 106.7 | 674.2 | 561.8 | 104.8 | 666.5 |
畜産 | kg/日 | 2,079.5 | 1,602.4 | 3,681.8 | 1,912.6 | 1,523.8 | 3,436.4 |
農地 | kg/日 | 2,675.3 | 402.0 | 3,077.3 | 2,675.3 | 402.0 | 3,077.3 |
市街地 | kg/日 | 3,760.7 | 702.6 | 4,463.3 | 3,760.7 | 702.6 | 4,463.3 |
山林・その他 | kg/日 | 2,660.8 | 669.9 | 3,330.7 | 2,660.8 | 669.9 | 3,330.7 |
網いけす | kg/日 | 383.1 | 15.4 | 398.5 | 458.2 | 18.3 | 476.5 |
湖面降雨 | kg/日 | 2,300.5 | 460.1 | 2,760.5 | 2,300.5 | 460.1 | 2,760.5 |
合計 | kg/日 | 18,909.3 | 4,840.7 | 23,750.0 | 17,974.0 | 4,481.3 | 22,455.2 |
全窒素
| 単位 | 平成27年度(現況) | 平成32年度(推計)※ | ||||
西浦 | 北浦 | 全域 | 西浦 | 北浦 | 全域 | ||
生活排水 | kg/日 | 2,218.3 | 411.3 | 2,629.6 | 1,983.6 | 321.9 | 2,305.6 |
工場・事業場 | kg/日 | 443.3 | 110.4 | 553.7 | 438.4 | 108.8 | 547.1 |
畜産 | kg/日 | 2,330.9 | 1,400.7 | 3,731.6 | 2,091.8 | 1,297.4 | 3,389.2 |
農地 | kg/日 | 1,835.9 | 514.4 | 2,350.3 | 1,786.5 | 501.4 | 2,288.0 |
市街地 | kg/日 | 735.0 | 137.3 | 872.4 | 735.0 | 137.3 | 872.4 |
山林・その他 | kg/日 | 1,083.8 | 272.9 | 1,356.6 | 1,083.8 | 272.9 | 1,356.6 |
網いけす | kg/日 | 141.1 | 4.6 | 145.7 | 163.4 | 4.5 | 167.9 |
湖面降雨 | kg/日 | 1,180.2 | 236.0 | 1,416.3 | 1,180.2 | 236.0 | 1,416.3 |
合計 | kg/日 | 9,968.6 | 3,087.6 | 13,056.2 | 9,462.7 | 2,880.3 | 12,343.1 |
全りん
| 単位 | 平成27年度(現況) | 平成32年度(推計)※ | ||||
西浦 | 北浦 | 全域 | 西浦 | 北浦 | 全域 | ||
生活排水 | kg/日 | 248.0 | 55.9 | 303.8 | 218.5 | 47.8 | 266.3 |
工場・事業場 | kg/日 | 45.9 | 11.1 | 57.0 | 45.3 | 10.9 | 56.1 |
畜産 | kg/日 | 16.6 | 11.4 | 28.0 | 15.0 | 10.7 | 25.7 |
農地 | kg/日 | 40.9 | 11.1 | 52.0 | 38.5 | 10.7 | 49.2 |
市街地 | kg/日 | 59.8 | 11.2 | 71.0 | 59.8 | 11.2 | 71.0 |
山林・その他 | kg/日 | 37.5 | 9.4 | 47.0 | 37.5 | 9.4 | 47.0 |
網いけす | kg/日 | 31.7 | 1.1 | 32.8 | 37.0 | 1.1 | 38.1 |
湖面降雨 | kg/日 | 53.3 | 10.7 | 64.0 | 53.3 | 10.7 | 64.0 |
合計 | kg/日 | 533.7 | 121.8 | 655.5 | 504.9 | 112.4 | 617.3 |
※平成32年度は推計値である。