露地野菜の防寒対策-多様な被覆で保温を-(2016年12月)

露地栽培は多くの野菜が生育適温を下回る時期になり、生育の停滞や品質の低下を招く恐れがあります。低温期でも安定した収量や品質を得るため、露地野菜栽培での資材を利用した防寒対策を紹介します。

トンネル被覆

トンネル+べたがけ

(写真は「トンネル+べたがけ」)

トンネルは支柱を設置し、主にフィルムで被覆します。フィルムの素材には、農ビ、農PO、農サクビ、農ポリがあり、この順で保温性が高まります。

フィルムには穴なしと穴ありがあります。トンネルは空間が大きいほど保温効果が高まるほか、素材が厚く、被覆枚数が多くなるに従い、トンネル内の温度は外気温より高まります。トンネル内の夜間温度は外気温に比べ、1重トンネルで1~2度、2重トンネルでは4~5度高まります。

穴なしフィルムのトンネル被覆では日中に温度が高くなりすぎることがあり、作物自体が持っている寒さに対する耐性の低下を招きますので、こまめな換気を行いましょう。穴あきフィルムを利用すると、換気作業を省くことはできますが、穴なしフィルムより保温性は劣ります。

 

べたがけ

浮きがけ

(写真は「浮きがけ」)

べたがけの方法には、作物に直接、被覆資材が接する「直がけ」と、支柱を設置して被覆資材を浮かせてかける「浮きがけ(浮かせがけ)」があります。

フィルムを利用したトンネル被覆より外気との差は小さいですが、霜に直接当たらないことや地温の確保によって生育促進効果があります。同じ資材を利用したとき、浮きがけは直がけよりも夜間の保温効果が高く、反対に日中の温度上昇は小さくなります。

直がけの被覆方法は容易ですが、強風による資材と作物とのこすれ防止や、資材が剥がれないようにするため、固定をしっかりと行う必要があります。

べたがけには不織布を一般的に利用します。不織布には長繊維と割繊維の2種類があります。長繊維は比較的低コスト、また、軽量であることから取り扱いが容易ですが、耐久性はやや劣ります。割繊維はやや高価ですが、耐久性が高く、通気性も良いことから日中の過度な気温上昇を防ぐことができます。

専門技術指導員室T.K

2016年12月26日