ホーム > 日本脳炎に注意しましょう

ここから本文です。

更新日:2023年2月1日

日本脳炎に注意しましょう

日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスの感染によって起こる中枢神経(脳や脊髄など)の疾患で、東アジア・南アジアやオーストラリア・オセアニアなど広く分布しています。ヒトからヒトへの感染はなく、ブタなどの体内でウイルスが増殖した後、そのブタを刺したコガタアカイエカなどがヒトを刺すことによって感染する蚊媒介性の疾患です。

ほとんどは感染しても症状が現れない不顕性感染ですが、発症した場合は20~40%が死に至る病気です。症状が出る場合、6~16日間の潜伏期間の後、数日間の高熱・頭痛・嘔吐などが現れ、急激に光への過敏症、意識障害、けいれんなどの中枢神経系障害を生じます。

国内の発生状況

国内の発生状況は1992年から2017年まで年間10名前後の患者が確認されていましたが、2018年には年間を通しての患者の報告はありませんでした。しかし、2019年、2020年には再び患者の発生が確認されています。患者の多くは九州・沖縄地方及び中国・四国地方で発生していますが、茨城県でも患者の発生は確認されています。発生時期は蚊の活動が活発な7月から9月が中心です。

全国と茨城県における日本脳炎の患者報告数
全国と茨城県における日本脳炎の患者報告数(人)

日本脳炎感染源調査

茨城県では感染症流行予測調査事業の一環として、ブタ血清中の日本脳炎ウイルスに対する抗体(感染の指標)を測定し、ウイルスの浸淫度を追跡しています。例年夏期に県内と畜場にてブタから採血し検査を実施しています。

2017年から2020年には抗体が検出されませんでしたが、2021年の検査では抗体は検出されています。検出率は10%未満であり、高頻度の汚染は確認されていません。

現在のところ、県内と畜場のブタが日本脳炎ウイルスに高頻度に汚染されているとは考えにくいと思われますが、引き続き調査を行うことで状況を注視してまいります。

  2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021
茨城県 + + + - - - - +

*抗体が検出された年を(+)、検出されなかった年を(-)で示している。

日本脳炎を予防するには

日本脳炎を予防するためには予防接種と蚊の対策が重要です。

日本脳炎の予防接種は定期接種に分類されており、対象年齢の小児は無料で予防接種を受けることができます。予防接種を受けることで、罹患リスクを75~95%減らすことができると報告されています。

日本脳炎ウイルスの媒介蚊は主にコガタアカイエカであり、日没後に活動が活発になるとされています。屋外に出る際には(1)虫除けスプレーの使用、(2)できる限り長袖・長ズボン着用など対策を行い、屋内であっても網戸や蚊帳の利用や窓や戸の開閉を少なくするなど蚊に刺されない工夫をすることが予防に役立ちます。

このページに関するお問い合わせ

保健医療部衛生研究所ウイルス部

〒310-0852 茨城県水戸市笠原町993-2

電話番号:029-241-6652

FAX番号:029-243-9550

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?