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更新日:2018年2月22日

トピックス2016年度

成27年度試験成績・28年度試験設計検討会を開催(2016年5月10日)

5月10日(火曜日),鹿島地帯特産指導所で標記検討会を開催しました。検討会には,生産者,関係機関等,計51名が出席し,鹿南地域の特産であるピーマン,輪ギク,センリョウの昨年までの試験成績についての検討を行うとともに,今年度の試験設計についての意見交換を行いました。

ピーマンの試験では,苦みの少ないピーマン品種の食味や収量性について説明しました。また,プランター養液土耕栽培を用いた隔離床栽培として,液肥濃度と植物体中の硝酸態窒素量の相関関係と収量性,点滴チューブの目詰まりの原因物質について紹介しました。そのほか,CO2施用やネコブセンチュウ被害に対する休作効果,土壌病害抵抗性ピーマンの品種選抜,複合抵抗性台木,モザイク病対策技術等について説明しました。

花き部門では,センリョウと輪ギクの課題について検討しました。センリョウでは,輸出を見据えた病害対策技術として,センリョウ立ち枯れ性病害の有効薬剤の検討や敷き藁等マルチングによる発病軽減効果,種子の皮をむくことによる種子伝染の防止,センリョウプランター栽培試験の取組について説明しました。また,キクの生理障害の1つである”虎葉症”の発生要因として,虎葉症の発生消長と土壌水分との間に関連性が見られたこと,環境制御により場内で虎葉症を再現できたことなどを紹介しました。

鹿島特産指導所では,これからも関係機関と連携し,産地の発展につながる試験研究を行っていきます。

苦みの少ないピーマン試験圃場の様子
写真1:苦みの少ないピーマン試験圃場の様子

 

センリョウプランター栽培試験のの様子
写真2:センリョウプランター栽培試験の様子

 

JICA(独立行政法人国際協力機構)研修生が来所(2016年6月7日)

6月7日(火曜日),JICAの野菜生産技術コースの研修生11名が来所されました。研修生は,アジア・アフリカ等の世界10か国の研究員や普及員,農業行政に携わる方々です。

今回の訪問は,鹿島地帯のピーマン農家の視察とあわせて行われ,当所からはピーマンの基本的な栽培技術や試験内容について説明しました。

試験内容については,プランターを利用した養液土耕栽培,複合抵抗性台木および加工用カラーピーマンの系統選抜について,考え方や栽培方法・試験状況をハウス内で実際にピーマンを見学しながら説明しました。

肥培管理や土壌病害対策,プランター利用時のコスト等について質問が挙がり,ピーマンの生育の様子や養液土耕栽培技術を熱心に観察していました。

プランターを利用した養液土耕栽培試験の説明
プランターを利用した養液土耕栽培試験の説明

 

センリョウ新規課題「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係るキックオフミーティングを開催しました。(2016年8月3日~4日)

鹿島地帯特産指導所では,本年度より「革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)」により,新規課題「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に取り組んでいます。

この課題は,神栖市の特産物であるセンリョウの新たな需要拡大のための輸出を見据え,輸送及び流通時における鮮度保持技術と,輸送や検疫を考慮し,かつ高品質センリョウを生産するための病害虫防除技術の確立を目的としています。試験の実施機関は当所と農研機構野菜花き研究部門,高知県農業技術センターとなり,茨城県,高知県の生産者や普及組織とも連携しながら研究を進めています。

去る8月3日(水曜日)~4日(木曜日),神栖市において本課題に係る研究推進会議(キックオフミーティング)を開催し,生産者や関係機関,有識者等38名が参加しました。

3日に神栖市商工会館で行われた推進会議では,課題の全体計画及び本年度の試験計画について検討を行いました。参加者からは「輸入が導入された場合の経営評価を行うこと」「試験期間が3年間と短いので,効率的に進めること」等アドバイスをいただきました。

4日はセンリョウの試験輸出を行っている株式会社ミゾグチファーム(神栖市波崎)において現地見学を行いました。代表取締役の溝口洋一氏の案内で,圃場及び出荷調整施設を回りながら,センリョウの生産や病害虫防除,調整後の管理,出荷の方法などの説明を受けました。見学終了後,参加した市場関係者から,花き類の輸出に関する情報提供を受けました。輸出の現状について学び,センリョウ輸出を推進する上で必要なことについて考える良い機会となりました。

2日間を通じ,参加者の間では活発な意見が交わされ,輸出に関する関心の高さが伺えました。鹿島地帯特産指導所では,本課題を通してセンリョウの輸出を成功に導くため,今後も生産者や関係機関と連携して課題を推進していきます。

 

キックオフミーティング
写真1推進会議の様子

キックオフミーティング2
写真2株式会社ミゾグチファームでの現地見学の様子

 

「平成28年度第1回主要課題現地検討会(ピーマン)」を開催しました2016年10月28日

10月28日,鹿島地帯指導所内でピーマンの試験課題に関する検討会を開催し,生産者,関係機関等合わせて64名が出席しました。

今回の検討会は鹿行農林事務所経営・普及部門(鉾田地域農業改良普及センター)と共催で行い,所内と現地で実施している4つの試験について結果と現状について説明しました。

「土壌くん蒸剤キルパー及びD-D処理によるネコブセンチュウ抑制効果の検証」では,まず,所内ハウスで養液土耕装置と点滴かん水チューブを使用したキルパーの処理について実演を交えながら処理方法を説明しました。その後,普及センターから現地で実施したネコブセンチュウ被害軽減効果に関する試験結果を報告しました。

「プランターを利用したピーマンの養液土耕栽培現地調査」では,現地展示圃におけるプランター栽培の状況について収量や生育経過,床土に使用する培土の種類と生育に与える特徴について報告しました。

「環境制御システムの最適条件解明」では,本年度から始まった試験の概要や抑制試験における制御条件,ハウス内の環境について慣行ハウスとの違いを説明するとともに,導入した制御機器について実演を交えながら制御方法を紹介しました。

「病害抵抗性中型・加工用カラーピーマン系統選抜」では,他県や国の研究機関と共同で行う,多収性・業務適正を兼ね備え,安価な種苗供給を目的とした国産品種開発プロジェクトの概要と試験内容を説明しました。その後,出席者に選抜中の株や果実を見てもらい,栽培適正があるかアンケートを実施しました。

出席者からは,キルパーの効果が出るまでの日数や環境制御機器導入における経費,生育への効果等に関する質問,カラーピーマン・パプリカに対する需要や要望が挙がったほか,薬剤処理や環境制御機器の動作を近くで見学したり,培土や果実に触れながら説明を聞いたりする等,熱心な様子が伺えました。

 

「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係る研究推進会議を開催しました。(2017年1月19日~20日)

1月19日(木曜日)~20日(金曜日),革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)「日本の伝統花きセンリョウの輸出を見据えた輸送及び病害虫対策技術の確立」に係る研究推進会議(H28試験成績及びH29試験設計検討会)を開催し,生産者や関係機関,有識者等37名が参加しました。

19日に神栖市保健・福祉会館で行われた推進会議では,まず,船便による輸送技術確立を目的とした「果実落下におけるエチレンの影響とエチレン阻害剤の落下抑制効果」について試験成績の検討を行いました。参加者からは,「果実落下をどの程度まで抑えればよいのか」,「エチレン阻害剤導入によるコスト計算をすること」等のアドバイスをいただきました。

次に,今年度,卸及び仲卸会社と協力して実施した台湾・香港・シンガポールへの試験輸出について報告を行いました。流通関係者からは,台湾での需要を開拓していくためには,「ロット数の確保や継続出荷,現地での販促活動の必要性がある等」の意見がありました。また,輸出先で異なる検疫体制や検疫対象となる病害虫についての情報提供がありました。

20日は,場所を鹿島地帯特産指導所に移し,センリョウの病害虫対策技術として,現地で多発生している炭そ病の防除試験結果やアザミウマ類の現地での発生状況について報告を行いました。参加者からは,薬剤選定や施用方法について助言をもらいました。最後に,試験場のセンリョウ楽屋を視察し,炭そ病試験の実施状況について説明をしました。

2日間を通じ,参加者の間では活発な意見が交わされ,輸出や病害虫対策技術に関する関心の高さが伺えました。

 

推進会議
写真1研究推進会議の様子

楽屋視察
写真2楽屋視察の様子

 

生け花写真3生花師範によるセンリョウの飾付け

 

このページに関するお問い合わせ

農林水産部農業総合センター鹿島地帯特産指導所 

〒314-0133 茨城県神栖市息栖2815

電話番号:0299-92-3637

FAX番号:0299-93-1340

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