グラジオラス「常陸はつこい」

生物工学研究所果樹・花き育種研究室

研究の背景とねらい

茨城県のグラジオラス生産量は、切り花生産が全国3位、球根生産では全国1位と、トップクラスの産地となっています。県ではそのニーズに応え、産地活性化を図るためにオリジナル品種の育成を進めています。グラジオラスはフラワースタンドや大きめのアレンジメントなどに好適で、特に弔事・ブライダルの現場で重宝されています。
「常陸はつこい」は、実需者ニーズの高い大輪系であり、競合品種の少ないピンク色の「極早生」品種として育成しました。

品種の特徴

「常陸はつこい」の特徴

  • 花色がサーモンピンク色で黄色のぼかしが入ります。
  • 大輪系品種であり、同時に6~7花が開花するためボリューム感があります。
  • 季咲き栽培(4月定植)における到花日数は76日程度と極早生です。促成栽培で5~6月に早期出荷可能です。

(写真1:「常陸はつこい」)

育成の経緯

平成14年に「花かすみ」を種子親、「マッチポイント」を花粉親として交配し、選抜した品種です。
市場性評価では、「純粋なピンク色ではないため色の表記に注意が必要であるが、早期出荷できるピンク系の品種」として評価されました。また、現地試験における生産者評価では、「市場の求める5月出荷が可能な極早生ピンク系の品種であり、切り花品質はやや細身であるものの良好で、採花率も良く、葉が短いためトンネル栽培に適している」と評価されました。
平成29年7月に品種登録出願の出願公表がされました。

(写真2:「現地検討会の様子」)

育成の裏話

「はつこい」という名前は、初恋の初々しさと最初に出荷できる品種というイメージから名付けられました。
育種担当者は、「‘はつこい’から始まり、‘はなよめ’に(出荷を)つなげたい」と、「常陸はつこい」と「常陸はなよめ」のリレー出荷の狙いを持っています。

(写真3:圃場で咲く様子)