新鮮さを武器に、生ニンニクの生産・販売(2015年7月)

JA常陸大宮地区大子にんにく生産部会

写真:ニンニクマルチ栽培の様子

(写真1:ニンニクマルチ栽培の様子)

JA常陸大宮地区大子にんにく生産部会は、大子町の農家で構成される組織です。平成27年度は、部会員32名で134アールを栽培しています。

丁寧な栽培管理で高品質生産

(写真2:出荷調整作業の様子。一つ一つ丁寧に調整します。)

大子町のニンニクは、主にナスやコンニャクなどの露地作物の複合品目として栽培されています。一戸当たりの栽培面積はそれほど大きくありませんが、その分丁寧な栽培管理で高品質の出荷を心がけています。

栽培の歴史は古く、40年前頃から栽培に取り組み始めました。大子地区のニンニク生産の特徴は、生の状態で出荷・販売することです。栽培当初、生産者や栽培面積が非常に少なく、出荷量がまとまらなかったため、調整が簡単な生で出荷したのが始まりでした。

期間限定の豊かな香り

写真:栽培講習会の様子

(写真3:栽培講習会の様子)

生ニンニクは、日持ちがせず販売期間は限られますが、白くみずみずしい表皮が特徴で、ニンニク本来の若々しく豊かな香りを特徴としています。出荷期間は、6月上旬~下旬までの約1か月間です。主に水戸市場へ出荷されています。

大子町は、茨城県内でも冬の寒さが1番厳しい地域です。そのため、栽培にも工夫が必要です。10月に植付けし、越冬後6月に収穫します。植付けが早すぎると生育が進みすぎ耐寒性が劣り、逆に遅すぎると出芽が不揃いになります。そのため、毎年播種後の天候を予測し、植付け時期を調整しています。

本葉3枚の状態で越冬させるのが理想です。また、栽培開始前には町内で生産される完熟堆肥を施用し、ニンニク栽培に適した土づくりを行っています。

自家採種に挑戦

(写真4:ニンニク)

近年ニンニクの単価が伸び悩む中、昨年度から生産費の低減を図るため、自家採種に挑戦しています。昨年度は、部会員3名が試験的に取り組み、栽培講習会をとおして、栽培管理や収穫後の保管方法について話し合いました。

生ニンニクの産地は、茨城県内でも非常に少なく貴重です。今後も新鮮さと高品質を武器に、大子町ならではのニンニク産地の発展が期待されます。

常陸大宮普及センター

2015年06月24日