堆肥を活用した米づくり「すずらんの妖精」(2013年8月)

笠間市
上郷うまい米づくり研究会

一面に広がる水田で育つ稲穂の写真

(写真1:地域ぐるみで維持していく豊かな環境)

笠間市上郷地域は、高品質の米が生産されるところとして地元では知られていますが、生産者の勘に頼った栽培法により品質のばらつきが大きくなる傾向がありました。そこで、地域ぐるみで「おいしい米づくり」を行うために、平成17年に「上郷うまい米づくり研究会」を設立し、現在97名の会員で活動を行っています。
研究会では、地元堆肥を活用した適切な施肥設計と水管理を実践し、エコファーマーを中心に環境に配慮した高品質米生産に取り組んでいます。

耕畜連携による土づくりの推進

土づくりには堆肥が重要であることを理解し、地元で生産される牛ふん堆肥を活用した土づくりを行っています。
平成18年度には研究会として自走式マニュアスプレッダーを導入し、平成24年産米では、堆肥散布面積は約50ヘクタールに達しています。

写真:堆肥を活用した実証圃

(写真2:写真:堆肥を活用した実証圃)

高品質米生産に向けた現地研究会

堆肥連用下での高食味値米生産のために、「可給態チッソ診断」に基づいた施肥設計を実践しています。また、堆肥を活用した実証圃を4か所設置し、中干し時期、穂肥時期、収穫期前に現地研究会を開催し技術の向上に努めています。

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(写真3:年間3回開催する現地検討会)

地域ブランド米「すずらんの妖精」

研究会では、栽培技術や品質の統一を図るため、独自の栽培基準を設けました。
統一された栽培方法で生産されたコシヒカリを、登録商標「すずらんの妖精」として、平成24年度産から販売が開始されました。

写真:純白のスズランの花が目印「すずらんの妖精」米袋

(写真4:純白のスズランが目印「すずらんの妖精」米袋)

地域ぐるみで環境保全

上郷地域は、日本すずらんの南限とされており、きれいな水とホタルの飛び交う水田を維持するため、環境指標となる日本ミツバチを飼育し、農薬の使用を極力控えながら、地域ぐるみで環境保全に取り組んでいます。

地域資源を活かしたPR

自然豊かな環境のもとで、試食会や都市住民との交流会を開催するなど、地域資源を活かしたPR活動に積極的に取り組んでいます。今後は、「すずらんの妖精」のブランド化と併せて、上郷地域のブランド化と環境保全の両立を目指しています。

(写真5:都市住民との交流会(どんと焼き)の様子)

笠間普及センター

2013年07月31日