人と環境にやさしい伝統のカボチャ産地(2016年1月)

日立市
茂宮特産物研究会

(写真1:収穫された茂宮カボチャ)

日立市茂宮地区は、市の南部に位置し、久慈川と茂宮川の間にある沖積土壌が広がる地域です。茂宮特産物研究会は同地区において市のブランド認定「ベストセレクションひたち」の茂宮カボチャを栽培しています。

恵まれた環境と伝統の産地

(写真2:現地巡回の様子)

茂宮特産物研究会は、27名の会員が約5ヘクタールの面積で茂宮カボチャを栽培しています。茂宮地域は戦前からカボチャの栽培が行われており、歴史のある産地となっています。昭和61年に研究会は品種を西洋カボチャの「錦芳香」に統一し、現在まで同品種で栽培しています。

二つの川に挟まれた粘質の沖積土壌で栽培される当カボチャは、甘みが強くクリのような食感が特長です。土壌は、保水性や保肥性に優れた反面、排水性に劣るため、対策として高畦栽培、プラウ耕による心土破砕および暗渠排水を行い、高品質栽培に取り組んでいます。

写真:選別作業の様子

(写真3:選別作業の様子)

着果に欠かせない受粉はミツバチを活用して、作業の省力を図っています。また、会員はエコファーマーを取得し、化学肥料、農薬の低減に取り組んでおり、人や環境にやさしい栽培を実践しています。研究会の活動として、栽培期間中に現地検討会を開催し、互いの栽培状況を確認し、会員それぞれの栽培技術の向上を図っています。また、出荷の始まる頃には目揃会を開催し、品質チェックを行うなど高品質出荷に努めています。

消費者に心待ちにされるカボチャ

(写真4:「旬味満菜館」での販売)

茂宮カボチャは毎年6~7月下旬に収穫されます。優れた食味により、地域では高い評価を受けています。市場出荷を中心としていますが、市内のJA直売所「旬味満菜館」でも販売しています。

市のブランド認定を受け、家庭用として、また贈答用としても重宝されています。出荷されるカボチャにはそれぞれ生産者番号の入ったブランド認定シールが付けられ、生産者が責任を持って出荷する体制となっています。また、カボチャをペースト化し、菓子店でケーキや和菓子に用いられています。

このように茂宮特産物研究会は、恵まれた環境と伝統を大切にし、消費者に心待ちにされる茂宮カボチャの生産を継続しています。

 

常陸太田普及センター

2015年12月24日