更新日:2020年2月26日

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警察に届出した後の手続き

警察に届け出したあとはどんな手続きをするのでしょうか?

警察に届出した後の手続き【捜査のご協力のお願い】

被害にあわれたことについて警察に届出した後、以下のような手続きが必要となります。

被害にあわれた方やご家族の方、ご遺族の方には色々とご協力をお願いすることがあり、そのことでご負担をかけることもあるかと思います。

犯人を捕まえて処罰するため、そして同じような被害にあう人をなくすためにも、ご協力をよろしくお願いします。

ここからは、警察に届出した後の手続きについて説明します。

事情聴取

担当の警察官が、被害の状況や犯人の様子について詳しく事情をお聴きします。

犯人の特定や犯行を証明していくためには欠かすことのできない重要なものですので、ご協力をお願いします。

思い出したくないことや話しにくいこともあると思いますが、犯人のちょっとした言葉や犯行の手口を話していただくことが、犯人を割り出す手がかりとなります。

また逮捕後、犯人に言い逃れをさせないためにも、詳しくお話をうかがうことが必要となりますので、ご協力をよろしくお願いします。

証拠品の提出

犯人の犯行を裏付けるために必要な場合は、被害当時、被害にあわれた方が着ていた服や持っていた物などを、「証拠品」として提出していただくことがあります。

これらは「物的証拠」として、裁判において犯人と犯罪を結びつける重要な証拠となりますので、ご協力をお願いします。

提出していただいたものは、保管の必要がなくなった時点でお返しします。

被害にあわれた後、すぐにでもシャワーを浴びたり、着替えをしたいと思うのは当然だと思います。

しかし、体や服などに犯人の証拠が残っている可能性がありますので、シャワーや着替えはせずに、まずは警察に連絡し、警察官に確認してください。

また、もし着替えをした後でも、服を洗濯したり捨てたりせずに、保管方法等を警察官に確認してください。

実況見分の立会い

実況見分(じっきょうけんぶん)とは、警察官が犯罪の現場などについてその状況を確認することをいいますが、被害にあわれた方に立ち会っていただくことがあります。

長い時間立ち会っていただいたり、被害現場に行くことでおつらい気持ちになられる等、ご負担も大きいかと思いますが、事実の解明や犯罪を立証するために必要な手続きですので、ご協力をお願いします。

ここまでは、警察に届出した後の警察での手続きについて説明してきました。

ここからは、捜査が進み、犯人が検挙され、裁判等で処分が確定するまでの流れについて説明します。

刑事手続きの流れ

「刑事手続き」とは、犯人を明らかにし、犯罪の事実を確定し、科すべき刑罰を定める手続きのことで、大きく「捜査」、「起訴」、「公判」の3つの段階に分かれます。
(犯人が少年(20歳未満)の場合には、少年審判手続き等による場合があり、手続きに違いがあります。

犯人が少年の場合は、下記の少年事件の手続きの流れをご確認ください)

捜査

犯人を捕まえ証拠を集めて事実を明らかにし、事件を解決するために行う活動を「捜査」といいます。

警察が証拠に基づいて犯人であると認める者を「被疑者」といいます。

警察が被疑者を逮捕すると、逮捕してから48時間以内にその身柄を検察官に送ります。

検察官は、その後も継続して被疑者の身柄を拘束する必要があると認める場合には、裁判官に対して「勾留」の請求を行い、裁判官がその請求を認めると、被疑者は最長で20日間、その身柄を拘束されることとなります。被疑者が勾留されている間にも、警察で様々な捜査活動を行います。

(※)被疑者が逃走するおそれがない場合などには、被疑者を逮捕しないまま取り調べ、証拠をそろえた後、捜査結果を検察官に送ることとなります。(これを「任意事件」といいます。)

起訴

検察官は、勾留している間に、被疑者が本当に犯人かどうかを確かめて、刑罰を科すために裁判にかけるかどうかを決めます。

  • 裁判にかけることを「起訴」
  • 裁判にかけないことを「不起訴」といいます。

起訴には

  • 公開の法廷での裁判を請求する「公判請求」
  • 書面審理で罰金や科料を命ずる裁判を簡易裁判所に対して請求する「略式命令請求」

があります。

(※)任意事件の場合には、検察官は、事件について必要な捜査を行った後で、被疑者を裁判にかけるかどうかの決定をします。

公判

起訴された被疑者は「被告人」と呼び名が変わります。決められた日に決められた裁判所の法廷で審理が行われ、判決が下されます。

この判決までの審理を「公判」といいます。

判決について検察官や被告人がその内容に不服がある場合には、更に上級の裁判所(高等裁判所等)に訴えることとなります。

公判手続きの間、被告人が逃亡するおそれがあるなどの場合には、裁判所は被告人を勾留することとなります。

刑事手続きの流れ

刑事手続きの流れについての一覧表

少年事件の手続きの流れ

犯人が、14歳以上20歳未満の少年である場合と14歳未満の少年である場合とで手続きが異なります。

犯人が14歳以上20歳未満の少年である場合

捜査等

警察では、14歳以上の少年については、刑事手続きと同様に捜査を行います。

法定刑が懲役・禁錮等の比較的重い犯罪を犯した場合は、検察庁に事件を送ります。

送致を受けた検察官は、取調べなど必要な捜査をした後、少年をどのような処分にするのがよいのかの意見を付けて、事件を家庭裁判所に送ります。法定刑が罰金以下の罪を犯した場合は、警察から直接、家庭裁判所に事件を送ります。

審判

家庭裁判所では、送られてきた事件について、審判(刑事手続きでいう裁判)を開始するかどうかを決定します。

これまでの手続きの過程で、少年が十分改心し、もはや審判に呼び出す必要がないと判断された場合は、審判手続きを開始せず、その時点で終了します。(「審判不開始(しんぱんふかいし)」)

他方、少年に対する処遇を決めるために裁判官が直接審理することが必要であると認められる場合は、審判手続きを開始します。審判では保護処分(少年を施設内に収容し矯正教育を行う少年院送致や、社会内において保護観察官と保護司が協働して少年の再非行防止・改善更生を図る保護観察等)の決定を行うほか、保護処分の必要がないと認められた場合には「不処分」の決定を行います。

なお、少年が凶悪な犯罪を犯した場合等、成人と同様の刑事処分とするべきであると認められた場合には、事件を検察庁に送り返します。この場合、少年は原則として裁判にかけられ、通常の刑事事件と同様に刑罰を科すかどうかの決定を受けます。

犯人が14歳未満の少年である場合

調査等

14歳未満の少年については、法律上罰することができないため、警察において「調査」を行います。14歳未満の少年に対する調査の手続きでは、少年に対し逮捕等の身柄拘束はできませんが、押収・捜索等の強制処分ができます。

警察は、調査の結果、当該事件を児童相談所に通告することができるほか、少年について家庭裁判所の審判に付すべきと思料するときは、当該事件を児童相談所に送致します。

児童相談所における措置

送致又は通告を受けた児童相談所では、少年に対し児童福祉法上の措置(児童自立支援施設への入所や里親への委託等)をとり、事案を終了させるほか、家庭裁判所での審判が必要であると判断した場合は、事案を家庭裁判所に送ります。

児童相談所は、警察から送致を受けた事件については、原則として、家庭裁判所に送らなければならないこととされています。家庭裁判所に送られた少年は、14歳以上の少年と同様に、審判を開始するかどうかの決定を受けます。

少年事件の場合

少年事件の手続きの流れについての一覧表

関連情報

このページの内容についてのお問い合わせ先

担当課:警務部警務課犯罪被害者支援室

連絡先:029-301-0110