コギク「常陸オータムレモン」

生物工学研究所果樹・花き育種研究室

写真:常陸オータムレモンの花

(写真:常陸オータムレモン)

品種の特徴

常陸オータムレモンは花色がレモンイエロー系の花色が特徴の品種です。切花長も長くボリューム感に富んでいます。現地試験における生産者の評価は「作りやすく、切花長の長いものが収穫できる」とおおむね良好です。また、市場関係者からは「淡い花色とやや大きな花で評価は分かれるものの、総合的には良い品種だ」と評価をいただいています。

栽培

9月出荷の作型で行います。定植は5月下旬に行い、苗が十分に活着したら摘心して伸長してきた側枝を1株当たり3本残して整枝します。土壌条件等により必要以上にボリュームがとれてしまうことがあるので、栽培密度や肥培管理に注意が必要です。無病苗を用いるとともに、病害虫の予防的防除を徹底します。ほ場で開花させると花色が退色する場合がありますが、通常の切り前で花瓶にいければ問題ありません。

育成の経緯

平成16年に夏秋ギクの自然交配種子を採種し、得られた実生個体から育種目標にかなった系統を選抜しました。平成19年に現地ほ場と園芸研究所において適応性試験を実施しました。また、市場性を調査して優良と認められたため、平成21年6月に品種登録を出願し、平成23年3月に「常陸オータムレモン」の名称で登録されました(登録番号第20661号)。

育成の裏話

「常陸オータムレモン」は、平成17年8月にバージンフラワー(種を播いてから初めて咲く花)を咲かせました。鮮やかなレモンイエローの花色に着目して、品種になる可能性が高いと判断して選抜しました。