コギク「常陸オータムゆうひ」

生物工学研究所果樹・花き育種研究室

写真:常陸オータムレモンの花

(写真:常陸オータムゆうひ)

品種の特徴

「常陸オータムゆうひ」は、季咲きで9月上旬から9月下旬に開花する赤紫色品種で、9月彼岸出荷向けに適します。
慣行品種「美人草」と比べ、花色はより濃い赤紫色で、切花長は長く、分枝数、花蕾数ともに多くボリュームがあります。
現地試験の担当生産者からは、慣行品種より切花長が長く、作りやすいとの評価を得ました。市場関係者からは、花蕾数が多く、葉色が濃いとの評価を得ました。

栽培

9月出荷の作型で行います。定植は5月下旬に行い、苗が十分に活着したら摘心して伸長してきた側枝を1株当たり3本残して整枝します。無病苗を用いるとともに、病害虫の予防的防除を徹底します。栽植密度が低いと下枝の発生が多くなる傾向があります。

育成の経緯

平成21年に「生研15号」と「07C64」を交配し、濃い赤紫色の花色と、草丈が伸びやすい点に着目して選抜しました。平成26、27年に現地ほ場と園芸研究所において適応性試験を実施しました。また、市場性評価を調査して優良と認められ、平成30年1月に「常陸オータムゆうひ」の名称で品種登録されました(登録番号第26461号)。