オンリーワンのリンゴ産地を目指して(2022年12月)

              大子町
JA常陸大子町りんご部会

 

大子町は県内有数の観光・直売のリンゴ産地です。
JA常陸大子町りんご部会(部会員数:41名、産地面積:52㏊)は、主力品種の「ふじ」を中心に、オリジナル系統「奥久慈宝紅」や蜜入りの多い「こうとく」等、特色ある品種を揃え、高品質安定生産と組織的なPRを行っています。

また、近年はスマート農業や新わい化(高密植低樹高)栽培を積極的に導入する等、常に新しいことに挑戦する部会です。

(写真1:高級果実専門店に出荷する「こうとく」を厳選するりんご青年部)

 





写真2:除草作業を無人化・省力化したロボット草刈機

ロボット草刈り機の導入で高品質安定生産と生産性向上

部会では摘果、せん定等の講習会や立毛巡回、果実品評会を開催し、部会員の技術力向上に努めています。
また、近年は生産性向上のため、新技術を積極的に導入しています。
具体的には早期成園化と収量向上を目指す新わい化栽培やロボット草刈機の導入です。

ロボット草刈機を導入した一園では、除草作業を無人化・省力化することで、10a当たり年間20時間を要していた除草作業が1時間となり、収益に直結する摘果作業等に注力することが可能となりました。

(写真2:除草作業を無人化・省力化したロボット草刈機)

 

希少品種を活かした産地のブランド価値向上

「奥久慈宝紅」は「こうとく」の実生であり、果汁が多くパリパリとした食感で良食味の赤系品種です。
10月中旬~下旬頃収穫できるため、11月の「ふじ」販売前に誘客できる品種として期待されています。

(写真3:部会オリジナル系統「奥久慈宝紅」)

 

 

 

 

●部会オリジナル系統「奥久慈宝紅」の生産拡大とPR

部会では「奥久慈宝紅」を看板品種の1つに位置付け、
①平成26年から部会員への穂木や苗木の提供による生産拡大、
②講習会や目揃会開催による生産技術の確立、
③メディアや産地パンフレットを利用したPRを行っています。
こうした取り組みにより令和3年度時点で、部会員の9割以上が「奥久慈宝紅」を導入し、6割以上が販売を開始しています。

(写真4:立毛巡回時の園地)

 


●高級果実専門店での「こうとく」販売による付加価値向上

後継者で組織されるJA常陸大子町りんご青年部(9名)では、令和2年度から高級果実専門店「京橋千疋屋」に厳選した「こうとく」100玉を出荷しています。
青年部の厳しい目で選果された「こうとく」は1玉1,080円で販売され、店舗によっては販売開始直後に完売する等、生産者の自信にもつながっています。


今後も、消費者に支持される魅力あるリンゴの生産と販売を行うため、産地の挑戦は続きます。

(写真5:高級果実専門店での「こうとく」販売のようす)


県北農林事務所 常陸大宮地域農業改良普及センター


2022年11月30日