伝統のトマト産地 味への誇りと新たなる挑戦(2020年9月)

常総市
JA常総ひかり水海道トマト部会


 

鬼怒川と小貝川が流れ豊富な水源に恵まれた常総市では水稲やネギ,ズッキーニ,トマトなど様々な作物が栽培されています。
常総市の南部に位置する水海道地域には,半世紀続くトマト産地があり,砂質土を生かした甘みが強く風味豊かなトマトが栽培されています。

(写真1:水海道で生産されているトマト)



甘みが強く風味が豊かでファンも多い


水海道地域は,古くから露地トマト・キュウリなどの産地でしたが,国の農業構造改善事業により昭和40年代に施設化が進み,
鉄骨ハウスでのトマトとキュウリを組み合わせた栽培が始まりました。 
多くの河川が通う当地では,水はけのよい砂質土壌を活かし,味にこだわったトマトづくりが研究され,往時は築地市場一の高値で取引されていました。
現在は生産者の高齢化に伴い,生産量は減少傾向ですが,甘味が強く風味豊かなトマトは,地元を中心にファンが多く,
遠く千葉や東京から買い求めに来る顧客もいるほどです。


(写真2:トマトの袋詰め。金色の文字が目印です。)


品種は,甘みが強くジューシーな大玉トマトの「ごほうび」と,甘さと酸味のバランスがよい中玉トマト「シンディースイート」で,部会で統一されています。
水田地帯のため,近年トマト産地で問題となっている黄化葉巻病等の発生が少なく,安定した収量と品質を誇っています。
収穫時期は2~6月の5か月間で,地元直売所のほか,生産者から直接購入することができます。

ベテランから若手へ技術の継承

写真3:目揃会では,トマトの色の確認をします


全国的なトマトの生産量増加による価格の低迷,燃油・資材の高騰など,他のトマト産地同様に産地維持のための課題は多く存在しています。
このような厳しい情勢の中,当部会では40歳代以下の生産者が5名所属しています。
若い生産者が今後生き残っていくために,栽培講習会などを通じたベテラン生産者からの技術継承が行われています。
また,若手生産者を中心に有利販売に向けた新商品開発の取り組みなども始まっています。

今後も普及センターは,当部会の伝統産地の味と,儲かる農業の実現を支援していきます。

(写真3:目揃会では,トマトの色の確認をします)



トマトが購入できる直売所、旬彩やちよ農産物八千代直売所など。トマトに関するお問い合わせ、常総地域営農経済センター水海道東営農課

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

県西農林 結城普及センター



2020年08月31日