春を呼ぶ「ここ惚れにんじん(2020年11月)

古河市
茨城むつみ農業協同組合三和地区野菜生産部会



古河市の三和地区はレタス,ニンジン,ニガウリ等を作付けする比較的規模の大きな経営体が多い地域です。
茨城むつみ農業協同組合三和地区野菜生産部会の春ニンジンは,県青果物銘柄産地に指定され,生産者15名が,
厳しい選果基準に合格したものだけを「ここ惚れにんじん」のブランド名で東北・東京方面に出荷しています。


 

(写真1:箱詰めされたニンジンとレシピ)

 

特有の青臭さがなく甘い

写真2:トンネルの中で育つニンジンの生育状況を確認中
古河市の春ニンジンは,約30年前から栽培が開始されました。品種は,「彩誉(あやほまれ)」に統一し,「ここ惚れにんじん」のブランド名で出荷しています。
「彩誉」は鮮紅色で肌が滑らか,ニンジン特有の青臭さがなく,甘さが際立つのが特徴です。
ニンジン栽培には土づくりが重要です。

作付け前に堆肥を使った土づくりや土壌診断に基づいた施肥管理を行うことで,味の良いニンジン生産に取り組んでいます。
12月から播種をする露地トンネル栽培のため,暖かくなってくると,間引きや換気作業が必要になります。
近年は5月でも高温になる日があるため,品質の維持には神経を使っています。 

 

(写真2:トンネルの中で育つニンジンの生育状況を確認中)

厳しい出荷基準で高い評価

 

収穫は5月中旬~6月下旬までの短期間に集中して行います。
収穫期は早朝から畑に出て掘り取りと葉切りを行います。
持ち帰ったニンジンを作業場で洗浄し,選別・箱詰めします。
鮮度を保つため,収穫作業は手早く行います。

(写真3:1本1本丁寧に箱詰めしています)

 

 


 

出荷期間中は毎回,出荷者全員が参加する出荷物検査を実施しています。
厳しい出荷基準を設けることで,近県の大産地にも負けない評価を得ています。
また,目揃会で市場との意見交換を実施して,出荷基準を確認しています。

(写真4:目揃会でしっかり規格を確認)

 

 

 

規格外品で作る加工品

写真5:コップに入ったにんじん100%のジュース


平成30年には「ここ惚れにんじん」のブランド名を商標登録し,ブランドのPRにも力を入れています。
毎年出荷が始まる6月に,生産者が市場や小売店で試食宣伝を実施しています。

消費拡大に向けたオリジナルのレシピづくりにも力を入れており,これまでにゼリーやアイスが開発されています。
ニンジンだけで作った100%ジュースやゼリー,レシピを市場関係者や消費者に提供し,好評を得ています。

規格外品を有効活用するため,加工品開発も検討しており,今後も高品質なニンジン産地として発展し続けることが期待されています。

(写真5:甘くて美味しい100%ジュース)

 

 

 

県央農林 笠間普及センター


2020年10月08日