地域特産品「フルーツほおずき」の産地化を目指して(2020年5月)

高萩市
花貫フルーツほおずき倶楽部

花貫フルーツほおずき倶楽部は,中山間地域に位置する高萩市大能地区を拠点に平成26年に結成されました。
地域の特産品としてフルーツほおずきの産地化をめざし,直売所「花貫物産センター」での直売をメインに活動を展開しています。

(写真1:花貫物産センター 国道461号沿い)

地域農業の停滞を活性化させるために

写真2:収穫期の圃場のようす 高萩市大能地区では,花貫物産センターを中心に地元産野菜やきのこ等の山菜類の販売を行っていましたが,東日本大震災の原発事故の被害によって直売所の売上が激減,地域農業が停滞してしまいました。

このような中,地域の先駆者蓬田さんが,試験栽培していたフルーツほおずきを地域の農業活性化の新たな地域特産品にしていこうと,推進母体となる「花貫フルーツほおずき倶楽部」を結成。

本格的なフルーツほおずきの栽培が開始されました。

(写真2:収穫期の圃場のようす)


関係機関のバックアップで産地化へ マスコミからも注目!


この動きに応じて、高萩市をはじめとした各関係機関が連携してバックアップを行ってきました。
生産面は栽培マニュアルを基に栽培技術の統一が図られ、販売面においては、冷凍貯蔵庫や共同選果施設等が導入されるなど、体制が整備されました。

収穫期のフルーツほおずき(写真3:左) 現地検討会(写真3:右)

 

また、ほおずき倶楽部では、ジャムやアイスなどの加工品開発にも力をいれてきました。 

 

(写真4:生食のほおずきやジャム・アイスクリーム)

 
その結果フルーツほおずきを余すことなく活用した商品販売が可能となり,倶楽部員が生産したフルーツほおずきは倶楽部が一定価格で全量買取り,
それを一括販売する集出荷体制が調えられました。
県内ではフルーツほおずきのまとまった生産はこれまでなかったことから,ほおずき倶楽部の取り組みがテレビや新聞等のマスコミに数多く取り上げられ,これが引き金となり直売所以外にも取引先が年々順調に増えています。


害虫への防除対策に力を入れて

近年では生産が需要に追いつかない状況となっています。
その最大の要因は,被害が増発しているオオタバコガ等の夜蛾類の被害による減収です。
現在ほおずき倶楽部では,限られた登録農薬を有効に活用した体系防除を徹底する等の対策を行っています。
今後産地としてさらに伸びてゆくために、黄色灯の活用などの総合的な防除対策に取り組んでいます。


(写真5:オオタバコガによる被害果)


 

 

県北農林 経営・普及部門

2020年05月20日