より多くの消費者に里川カボチャを届けるために(2022年2月)

                              常陸太田市
里川カボチャ研究会


写真1:収穫した里川カボチャ

 

里川カボチャは、常陸太田市の里見地区の里川町で栽培されているピンクオレンジ色が特徴の在来種のカボチャです。
標高600~800mの高地という環境が生みだす寒暖の差により、非常に甘味のある、舌触りのなめらかなカボチャです。
昔から「里川の土手カボチャ」として地域で作られてきましたが、長い歴史の中で様々な品種のカボチャと交雑して原種が失われつつあったため、平成21年度から里川カボチャ研究会(22名)を中心に、里川カボチャの品種の復活と固定化に取り組んでいます。

(写真1:収穫した里川カボチャ)

 



安定した生産のために

定植は4~6月、収穫は9~11月下旬頃までです。
県内のカボチャ産地よりも栽培時期が遅く、また里川地域でしか良食味のカボチャが栽培できないため、貴重な存在です。
里川カボチャ研究会では、品質の良いカボチャの生産を行うため、栽培講習会を行い、栽培の課題解決のための試験圃として共同圃場を持ち、毎年調査研究を行っています。
ここ最近は、生育期間中の高温や降雨の影響により、病害虫の発生や着果不良で思うような収穫量を確保することができませんでした。
そこで、安定したカボチャの生産を目指し、作期をずらしたり高温対策や病害虫防除対策を行っています。

(写真2:共同圃場での定植作業のようす)


 

大学と地域で盛り上げる

また、茨城大学を始め、県内の大学と共同で地域おこしを行っています。
その活動の一つとして、他のカボチャとの差別化を図るため、平成31年に商標登録を行いました。
その他にも、地元小学生による里川カボチャの定植や、給食の提供など食育活動も盛んに行われています。


(写真3:茨城大学の学生との交流のようす)





写真4:煮物やお菓子のレシピが載っています

 

レシピや加工品でもっと身近に

里川カボチャは、常陸太田市内にある道の駅等の直売所の他、茨城県民の日に県内のイオン店舗で販売されています。
また、常陸太田市の認証特産品に認定され、常陸太田市のホームページでも購入することができます。
購入の際には、料理のレシピが記載されているパンフレットを付ける等、消費者が購入しやすいよう工夫をしています。
その他、地元の醸造元で焼酎を作ったり、パウダーに加工したりと、より多くの消費者に里川カボチャを知ってもらうため、様々な形での販売を展開しています。

(写真4:レシピ付きのパンフレット)

 

 

県北農林経営・普及部門


2022年01月28日