「おいしいイチゴ」づくりへの挑戦 (2022年5月)

                        行方市
JAなめがたしおさい いちご部会連絡会

 

写真1:水田地帯にもイチゴハウスが広がっています。

 

行方市は、霞ケ浦と北浦に挟まれ、傾斜や起伏の多い行方台地には大規模な畑作地帯、両湖岸には水田地帯が広がり、比較的温暖な気候にも恵まれた農業地帯です。

イチゴは、恵まれた土地を活かし、県内有数のイチゴ産地となっており、県の銘柄産地に指定されている地域もあります。
いちご部会連絡会では、大粒でほどよい酸味と甘さが自慢の「とちおとめ」や茨城県のオリジナル品種「いばらキッス」を栽培しています。

(写真1:水田地帯にもイチゴハウスが広がっています。)

 

 


写真2:IPM(総合的病害虫管理防除体系)を実践した天敵昆虫の放飼のようす

環境にやさしいエコな産地

いちご部会連絡会は、麻生、北浦、玉造地域の三地区で結成されている生産部会です。
行方のイチゴは、水田地帯や畑作地帯の様々な場所で栽培しています。

産地では、有機質肥料や堆肥を使用した土づくりに力を入れ、エコファーマーを取得するなど環境にやさしい栽培にも積極的に取り組んでいます。
また、化学農薬の散布回数や散布労力の削減を目指して、総合的病害虫管理(IPM)防除体系を実践しています。

平成22年に玉造地区での天敵昆虫利用によるハダニ防除の技術導入を契機として、取り組みは地域全体に波及し、現在では会員の栽培面積の半分近くまで利用が広がっています。

さらに、化学農薬の使用低減だけでなく、果実品質の向上にも繋がっています。
(写真2:IPMを実践した天敵昆虫の放飼のようす)

写真3:環境測定装置の導入で、ハウス内環境の見える化に繋がります。

スマート農業への挑戦

部会の中には、ICT (情報通信技術)を活用した環境測定装置を導入している生産者もいます。

ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素の濃度、日射量などが、スマートフォンを通してリアルタイムに把握できるようになり、ハウス内環境の見える化を実現しています。

装置の導入により、ハウス環境や品種に見合った栽培管理ができるようになり、安定的な生産に繋がっています。

(写真3:環境測定装置の導入で、ハウス内環境の見える化に繋がります。)





加工品で行方産のイチゴをPR

当部会では、平成24年から県オリジナル品種である「いばらキッス」の栽培を開始し、令和2年には、知名度向上と行方産イチゴのPRを目的に、行方産「いばらキッス」のピューレを使用した「いばらキッスのいちごグミ」の販売を開始しました。

いばらキッスの風味が引き立つジュレの二層仕立てとなっており、濃密な果実感あふれるグミに消費者からも好評を博しています。

(写真4:いばらキッスのいちごグミ。
     県内JAの直売所、JA全農のインターネット販売サイト「JAタウン」等で販売中です。)




 

見た目や食味にもこだわる

今後もこれまで築き上げた技術をベースに新しい技術を追求しながら、甘さだけでなく、見た目や食味にもこだわった行方の「おいしいイチゴ」づくりへの挑戦は続きます。

(写真5:大粒でほどよい酸味と甘さが自慢の「とちおとめ」)

 

 

 

鹿行農林事務所行方地域農業改良普及センター


2022年05月20日