江戸時代からつながるマコモを活用した産地づくり(2021年2月)

潮来市


潮来市では、平成8年より水田転作として「まこもたけ」の導入が始まり、市の特産品として推奨しています。
さらに、令和元年度より、マコモ若葉を活用した商品開発を行っており、その取り組みを紹介いたします。

潮来の「まこもたけ」

写真1:栽培から収穫、販売までの様子

 

「マコモ」は、草丈が1.5mから2mほどになるイネ科の多年草です。
そのマコモの若い茎に黒穂菌が寄生し、肥大化した部分を食材としたものが、「まこもたけ」となります。


シャキシャキとした食感が魅力で、中華料理等の高級食材として使われ、「道の駅いたこ」でも人気の商品として販売されています。


潮来とマコモには昔から繋がりがあり、「潮来出島のまこもの中にあやめ咲くとはしおらしや」と江戸時代末には古歌謡の中で「まこも」が歌われていました。

(写真1:栽培から収穫、販売までの様子)


 

水郷潮来MYSTERYプロジェクト


令和元年度より、これまで収穫の際に廃棄していたマコモの葉に着目した商品開発を行う、「水郷潮来MYSTERYプロジェクト」が取り組みを開始しました。
マコモ若葉を利用したパウダー化と商品開発(使用方法)の検討を行いました。
元年度はマコモ若葉の乾燥前処理方法や粉砕機の違いによるパウダー試作と加工品原価計算を試みました。
2年度は、粒度の細かいパウダー粉末を作成するため、微細加工が可能な業者へパウダー化を依頼し、歩留まりの高い製品化が期待できる結果でした。

(写真2:試作中のパウダー)


パウダーを利用した商品開発

写真3:マコモパウダーを使用したパウンドケーキなどの加工品

 

元年度は、フードコーディネートアドバイザー等の協力を得て、マコモパウダーを商品に添加した様々な加工品の試食会を開催し、「シフォンケーキ」「パウンドケーキ」「まこも寒天」「まこも茶」をレシピとしてまとめました。

(写真3:マコモパウダーを使用した加工品)

 

 

 

 

2年度はさらに、お土産品や特産品づくりの参考とするため、新商品アイデア募集と銘打ち、一般の方へ公募を行いました。
また、マコモパウダーの機能性にも着目し、成分分析も行っています。

(写真4:試食会のようす)





 

栽培面積を拡大し産地づくり

 

まこも若葉の秘めた可能性と神秘性から、「水郷潮来MYSTERYプロジェクト」を展開し、6次産業化を推進しています。

さらに、潮来市では産地づくりのために次年度より栽培面積拡大に向けて、苗や肥料の購入費用、販売経費などの支援を検討中です。

(写真5:水郷潮来ミステリープロジェクトの旗)


 

 

鹿行農林 行方普及センター


2021年02月08日