出荷組織を横断した農家間の交流が続く歴史ある組織(2022年9月)

                  小美玉市
玉里蓮根研究会

 

写真1:試験圃の管理状況を確認する石橋会長と坂副会長

玉里蓮根研究会(会員数25名、会長:石橋直樹さん)は、小美玉市玉里地区のレンコン生産者が出荷組織を横断して平成5年に設立した団体です。
小美玉市のレンコン生産を盛り上げるため、技術交流や県内外の視察、消費者へのレンコン消費喚起のPRなど幅広く活動しています。


出荷組織と世代の垣根を越えて生産者が交流

令和4年6月現在、JA新ひたち野蓮根部会玉里支部から15名、玉里蓮根出荷組合から2名、川中子蓮根出荷組合から4名、小美玉れんこん協同組合から3名、個人出荷者1名が当研究会に所属しており、20~50代まで幅広い世代の会員が活動しています。

(写真1:試験圃の管理状況を確認する石橋会長と坂副会長)


写真2:試験圃の収穫作業。研究会員が協力して行います。


技術研さんの場として

玉里蓮根研究会の主な活動として、玉里地区で栽培されてこなかったレンコン品種または系統の特性を調べるための試験圃運営が挙げられます。
これまで研究会では「幸祝(ぐりぐり)」や「44号」「49号」「ハウスいらず」といった品種または系統を調査してきました。

試験圃場の運営は、会長を中心に研究会員が連携し、定植から防除や除草といった日々の栽培管理、収穫や調査を行っています。

試験圃場で良好と判断された品種・系統は、研究会で改めて種バスを増殖し、栽培を希望する研究会員に販売しています。

(写真2:試験圃の収穫作業。研究会員が協力して行います。)

 


試験圃場の運営を通じて、お互いの作業のやり方の違いについて情報交換ができるほか、先輩から後輩へ経営面や技術面のアドバイスが得られる貴重な場となっています。


その他にも、県内・県外の産地の視察や、産地間の交流会を実施してきました。
コロナ禍で視察等が難しくなった近年では、レンコン黒皮症(レンコンネモグリセンチュウ)対策や、GAPについて学ぶ研修会を開催してきました。

(写真3:令和4年度総会のようす。所属する組織にかかわらず活発な情報交換が行われています。)

 

 

 

 

 



 

困った時に気兼ねなく相談できる仲間たちと

「JA部会員同士はもちろん、任意組合の生産者とも交流ができたことで、地域の人脈が広がった。種ハスが足りなくて困ったときに種バスを融通しあえるなど、困ったときに気兼ねなく相談できる仲間ができた。今後も研究会活動を通して小美玉市のレンコン生産を盛り上げていきたい」と会長の石橋さんは語ります。

玉里蓮根研究会の今後の躍進が期待されます。

(写真4:現研究会会長の石橋直樹さん)

県央農林事務所 経営・普及部門


2022年09月01日