フットワークの軽さが強み、幼馴染の組合(2021年4月)

                                                                   小美玉市
                                                            小美玉れんこん協同組合

 

小美玉れんこん協同組合(組合員3名)は霞ヶ浦沿岸に位置する小美玉市玉里地区を拠点に、平成29年4月に結成されました。
組合員全員がJGAPを取得しているほか、農業記帳ソフトを活用した出荷管理や栽培管理を実践しています。
実需者の細かなニーズに柔軟に応えながら、高品質かつ安全・安心なレンコンを生産、出荷すべく日々活動しています。

 

(写真1:出荷されるレンコン)

 

 

信頼できる仲間たちと組合を結成

写真2:会長と組合員の皆さん

 


大手量販店との商談に対応するため、組合長が新規参入で就農した幼馴染の農家2名に声かけをしたことが組合結成のきっかけです。
組合では約17㏊の圃場で年間約300tのレンコンを生産・出荷しています。

(写真2:会長と組合員の皆さん)









                



高品質なレンコンを実需者が望む姿で出荷

写真3:電解質発生装置。出荷物の最終洗浄に用いる電解水は殺菌作用があるとされる。)

 

少人数の組織ゆえの意思統一の早さ、フットワークの軽さが当組合の強みの一つです。
組合では、実需者の要望をスピーディーに拾い上げ、新商品開発や品質の安定化を図っています。
例えば、袋入りレンコンは、実需者がレンコンを出荷したそのままの姿で店頭に並べることできるように、と商品化しました。
また、電解水をレンコンの最終洗浄に用いて、鮮度保持フィルムと組み合わせることで、レンコンの劣化を最小限に抑えるよう工夫しています。

(写真3:電解質発生装置。出荷物の最終洗浄に用いる電解水(水道水や食塩水などを電気分解することで得られる水溶液。)は殺菌作用があるとされる。)


GAPの取り組みが経営の見直しにつながる

GAPが特別なものではなくなる時代が来ると考え、組合員全員がJGAPを取得しています。
取得するメリットが見えにくいといった不安の声もありましたが、現在では、「JGAPを取得した小美玉れんこん協同組合と取引したい」、と実需者から商談を持ちかけられるようになりました。

また、組合では、JGAP申請に不可欠な各種記帳管理を「あぐサポ(住友化学アグログループ製)」という農業記帳ソフトで行っています。
このソフトはスマートフォンで日々の作業を随時、記帳・共有できることが特色の一つです。
例えば、圃場と出荷調製施設で作業の進捗を共有して効率的な出荷調製を行ったり、組合員の圃場や品種ごとの出荷状況を共有したりできるため、より計画的な出荷を行うことができるようになりました。

併せて、圃場一筆ごとの経費も見える化することができるため、単なる記帳で終わらせることなく、組合員の経営の見直しにつなげることができています。

(写真3:令和元年に組合員全員がJGAPを取得しています)

 

地域を代表する出荷組織へ

組合員は有志による勉強会に参加するなどして、系統出荷やその他任意組合の生産者とも広く交流を図り、栽培技術等の情報収集に努めています。
組合では今後、中国等のアジア圏への輸出も視野に入れて、真空パックレンコンの開発やJGAPからASIAGAPへのステップアップを検討しています

県央農林 経営・普及部門


2021年04月07日