安心して使ってもらえるタマネギ産地を目指して(2022年10月)

               古河市、坂東市、五霞町、境町
JA茨城むつみ玉葱研究会

 

JA茨城むつみ玉葱研究会には、古河市、坂東市、五霞町、境町の生産者17名が所属しており、加工・業務用タマネギの契約栽培に取り組んでいます。
野菜経営の補完品目、あるいは普通作経営の複合品目として、タマネギ栽培の取り組みが広がっています。


写真1:播種作業は関係機関が協力して行います

 

関係機関と連携した技術支援

坂東地域でのタマネギ栽培は、平成29年から始まりました。
当時、当管内でタマネギの生産は少なく、また生産者の栽培経験も浅かったことから、JA、全農、農業総合センター、普及センターが連携しながら生産技術面の支援を行い、早期の技術確立を図っていくこととなりました。

 

(写真1:播種作業は関係機関が協力して行います)


写真2:月1回の現地検討会で生育状況を確認します

こまめな技術支援と安定生産技術の実証

取り組み開始当初は育苗管理の失敗、土壌改良不足や雑草の繁茂による低収量が大きな課題でした。
そこで、関係機関と連携して、土壌診断に基づく適正施肥の推進、現地検討会や圃場巡回により、栽培技術の向上に努めました。
さらに、安定生産技術の確立に向け、意欲的な生産者が中心となり、令和元年から様々な実証試験を実施してきました。
これまでに、貯蔵性の優れる品種の選定、マルチ導入による除草労力の削減と肥大促進効果の検証等を行いました。
こうした取り組みにより、研究会の目標収量である6t/10a以上を達成した生産者の割合は、平成30年の22%から令和2年産は65%と大幅に増加しました。

(写真2:月1回の現地検討会で生育状況を確認します)

写真3:大型オニオンピッカーでの収穫作業

機械の共同利用と規模拡大

全自動移植機、収穫機、ピッカー等の共同利用により、省力化・規模拡大が進んでいます。
タマネギを1㏊規模で作付けし、経営の一部門と位置づける経営体が、令和4年時点で3名育成されています。
このうち、野菜経営体では、タマネギ導入により雇用労働力を有効活用でき、また普通作経営体では、余剰労働時間が減少し、所得も向上したことから、さらなる規模拡大を目指しています。

(写真3:大型オニオンピッカーでの収穫作業)

 



管理作業の省力化と低コスト化へ

栽培技術が向上してきた現在抱える課題として、過剰肥大による腐敗発生、規模拡大に伴い増加する育苗等の管理作業のさらなる省力・低コスト化があります。
品質や作業性の改善に向け、引き続き関係機関と連携して、技術の実証に取り組む予定です。
安心して使ってもらえる加工業務用タマネギの産地として、今後の発展も期待されます。

(写真4:収穫したタマネギ)

県西農林事務所 坂東地域農業改良普及センター


2022年09月30日