消費者に美味しいトウモロコシを届けたい(2022年11月)

               結城市
JA北つくば結城園芸部会トウモロコシ部

茨城県は全国有数の生産量を誇るトウモロコシの産地です。
なかでも、県内一、二を争うトウモロコシの名産地が、県の西北端、栃木県との県境に位置する結城市です。
結城市は、関東平野のほぼ中央にあり、北端の市街地には、昔懐かしい中世城下町の原形が残る一方、南部は一大農業地域になっており、肥沃な大地と豊かな河川が結城市の農業を発展させてきました。
昔からハクサイが中心の農業地域でしたが、ハクサイの連作障害を防ぐための輪作作物としての導入をきっかけにトウモロコシの栽培が増えていきました。


写真1:目揃会で高い品質を維持するための目合わせを行います

「夏祭り」と「夏休み」のブランド化

JA北つくば結城園芸部会では、昭和年60頃から本格的にトウモロコシが栽培されています。
現在は70名の部会員で、約230㏊の面積を栽培しています。
おいしいトウモロコシを求めて熱心な品種選定に取り組んできた結果、平成9年に「味来(みらい)」という品種を選び、「夏祭り」というブランド名で出荷をスタートしました。

 

(写真1:目揃会で高い品質を維持するための目合わせを行います)


 

「味来」は粒がすべて黄色い黄色種で、非常に甘くてジューシーなことが特徴です。
一方で、一般的な品種よりも小ぶりで栽培が難しいのですが、食味の良さにこだわり、産地では現在も「夏祭り」として販売する品種はすべて「味来」で統一しています。


また、バイカラーのブランドも展開しており、品種は「ドルチェドリーム」を選び、「夏休み」という名称で販売しています。
さらに高く安定した品質追求のため、品種の研究が続けられています。

(写真2:収穫した「夏祭り」)


 

日が昇る前から収穫作業がはじまります。

鮮度の良いトウモロコシへのこだわり

トウモロコシは、日中高温になると甘さが低下しやすいため、「夏祭り」は甘さを保ったまま消費者のもとへ届くよう、収穫は朝8時までと決められています。
集荷されたトウモロコシは、その鮮度を損なわないように「真空予冷」をかけることで通常の冷蔵庫で保存するよりも、すばやく冷やして鮮度と味を維持します。
平成23年度からは、保冷車を導入し、さらに高い鮮度を維持したまま首都圏の市場へ運ばれています。

また、「夏祭り」の中でも、収穫した当日の朝に店頭に並ぶ「朝どりとうもろこし」という商品があります。
これは、なんと深夜2時から収穫を開始し、朝の10時には都内の量販店に並ぶという、より新鮮で美味しい「夏祭り」で、トウモロコシ本来の甘さと鮮度を味わうことができます。(写真3:早朝からの収穫作業のようす)

 

早朝や深夜から収穫作業をすることは、生産者やJAの担当者にとっても負担ですが、消費者に美味しいものを届けたいという気持ちから、部会一丸となって続けて取り組まれています。

県西農林事務所 結城地域農業改良普及センター


2022年11月16日