コギク「常陸サマーゴールド」

生物工学研究所果樹・花き育種研究室

写真:常陸サマーゴールドの花

(写真:常陸サマーゴールド)

品種の特徴

常陸サマーゴールドは花色が明るい黄色です。葉は光沢のある照り葉で、白さび病に強いことが特徴です。茎の中下位節から側枝が発生しやすい短所が見受けられますが、現地試験においては作りやすい、切花長が長い、花色が良い、ボリュームが大きいなど良好な評価を得ています。

栽培

8月出荷の作型で行います。定植は4月下旬で、苗が十分に活着したら摘心し、伸長してきた側枝を1株当たり3本残して整枝します。開花は8月上中旬で8月旧盆から盆明けに出荷が見込めます。

育成の経緯

平成15年に夏秋コギクの自然交配種子を採種し、翌16年に得られた実生から育種目標にかなった系統を1次選抜しました。平成17年に生物工学研究所において2次選抜を、平成18、19年に現地ほ場と園芸研究所において適応性試験を実施し、また市場性を調査した結果、優良と認められたので、平成20年9月に品種登録を出願し、平成22年9月に「常陸サマーゴールド」の名称で登録されました(登録番号第19937号)。

育成の裏話

「常陸サマーゴールド」は、平成16年8月にバージンフラワー(種を播いてから初めて咲く花)を咲かせました。このとき、光沢のある照り葉が黄色の花色によく調和し、品種になる可能性が高いと選抜しました。