コギク「常陸サニーホワイト」

生物工学研究所果樹・花き育種研究室

写真:常陸サニーホワイトの花

(写真:常陸サニーホワイト)

品種の特徴

常陸サニーホワイトは花色が純白に近い白色です。花蕾は淡ピンク色を帯びる場合もありますが、開花時には退色し白色になります。草姿は生産者や市場・花束加工業者から最も要望がある、まとまりのよい頂点咲きです。現地試験における生産者の評価は普通から良好で、市場関係者からは茎葉色、ボリューム、草姿、花色について良好な評価を得ています。

栽培

7月出荷の作型で行います。定植は3月下旬~4月上旬に行い、晩霜の心配がなくなるまで小トンネルで被覆しておきます。苗が十分に活着したら摘心し、伸長してきた側枝を1株当たり3本残して整枝します。白さび病にやや弱いですので、梅雨時期には特に病害虫防除の注意が必要です。開花時期は7月上旬で東京盆の出荷が見込めます。

育成の経緯

平成15年に夏秋コギクの自然交配種子を採種し、翌16年に得られた実生から育種目標にかなった系統を1次選抜しました。平成17年に現地ほ場と生物工学研究所において2次選抜を、平成18年と19年に現地ほ場と園芸研究所において適応性試験を実施し、また市場性を調査して優良と認められ、平成20年9月に品種登録を出願し、平成22年9月に「常陸サニーホワイト」の名称で登録されました(登録番号第19936号)。

育成の裏話

「常陸サニーホワイト」は、平成16年7月にバージンフラワー(種を播いてから初めて咲く花)を咲かせました。コギク関係者による圃場検討の際に、ある女性普及指導員から「純白でフォーメーションもよい」という声を受け、その後の品種育成に繋がりました。