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更新日:2015年5月26日

林業ミニ情報No.121

林業ミニ情報No.121(平成26年1月発行)

目次

1.華川中学校の児童が間伐作業を体験 太田林業指導所
2.多賀林業振興会と常陸太田林業振興会が間伐技術講習会を開催 太田林業指導所
3.山方林業研究会が炭窯改修に取組む 大子林業指導所
4.常澄中学校の2年生が間伐作業を体験 水戸林業指導所
5.車窓から見える森林づくり活動を実施 土浦林業指導所
〔林産情報〕素材・製材品価格及び新築住宅建設の動向 林業技術センター

1.華川中学校の児童が間伐作業を体験

間伐作業の様子
体験に参加した生徒達

去る11月21日木曜日、北茨城市立華川中学校の生徒を対象に、市内のスギ林内において間伐作業の体験を行いました。
の体験は、平成25年度森林・林業体験促進事業として実施したもので、同校の1年生30名が参加しました。
当日は、常陸太田林業指導所と大子林業指導所の林業普及指導員(8名)が協力し、間伐作業を指導しました。始めに、普及指導員が森林の働きや間伐の必要性、立木の伐倒方法について講義を行いました。生徒は、ノコギリを使用したことはあるが立木を伐り倒すのは全員が初めての体験とのことで、熱心に耳を傾けていました。続いて実施した普及指導員による伐倒の実演では、木が倒れる瞬間「わあー」と歓声が上がり、生徒達はその迫力に圧倒されるとともに目を輝かせ興奮した様子でした。その後、4つの班に分かれノコギリにより伐倒作業を行いました。生徒達は積極的にノコギリを持ち、伐倒方向を決めて交代で作業を行いました。最初は不慣れな手つきでしたが、徐々に慣れて木を思うように倒すことが出来るようになり、伐倒後は達成感で皆が歓喜していました。伐倒後は枝払いと玉切りを指導しました。
後に、普及指導員が森林は「伐る」「植える」「育てる」を繰り返して大切に守っていく必要があることを説明し、約2時間の体験学習を終了しました。今回、間伐を体験した生徒達からは「間伐の大切さを学ぶことができた。」「大変だったけど楽しかった。」「また間伐をやりたい。」「この経験を今後に活かしたい。」といった感想を聞くことができました。
さらに、2月には同生徒を対象とした木工教室の実施を予定しており、今回の体験に加え木材に触れることで森林・林業に対する関心を更に高めてもらえるよう指導していきたいと考えています。

<常陸太田林業指導所>

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2.多賀林業振興会と常陸太田林業振興会が間伐技術講習会を開催

間伐方法を解説する大部氏
残す木を選木
間伐後の林分の様子

去る12月6日金曜日、多賀林業振興会と常陸太田林業振興会が合同で、北茨城市磯原町地内の分収林(国有林)において間伐技術講習会を開催しました。
この講習会は両林業振興会が会員等を対象に開いたもので、管内4市の森林所有者、林業事業体及び市職員等約65名が参加しました。
習会では、指導林家である大部享克氏が講師となり「鋸(おが)屋(や)式間伐」の特徴と選木方法等について解説した後、参加者自らが選木と間伐木の伐採を行いました。
この間伐方法は、間伐の遅れた林分を再生させる方法の一つで、強度の切捨て間伐(本数率で約50%、材積率で約30%)を行うことで、良質な木材を生産するとともに、林内に光を入れ下層植生を回復させて公益的機能の高い森林にするための間伐技術です。次回の間伐は約10年以降となり、通常実施されている間伐に比べて回数を減らせるため育林経費の削減にもなります。
また、鋸屋式間伐では主伐の林齢を80年生以上とし、胸高直径60センチメートル以上の大経木を育てることを目的とします。
始めに、大部氏の解説をうけて、林業普及指導員によるデモンストレーションを行いました。まず、長さ4mの竿を用いて半径4mの円(約50平方メートル)を設定し、円内の本数を調査し早見表から残す本数を決めた後、形状比70(樹高÷胸高直径=70)以下を目安に残す木を選木し、それ以外を伐倒しました。
デモンストレーションの後に、参加者は5班に分かれて鋸屋式間伐法の一連の作業を体験しました。普段「伐採する木」を選木することに慣れているためか、今回のように「残す木」を選木することに苦慮していました。また、50%程度もの強度な間伐にはなかなか踏み切れないようで、実際には残すべき本数の目安よりも多く選木してしまう傾向が見られました。
回の講習会が、育林コストを削減して品質の高い木材生産を目指すための一助となれば幸いです。

<常陸太田林業指導所>

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3.山方林業研究会が炭窯改修に取組む

山方林業研究会(会長通野三郎、会員16名)では、平成12年度に山方盛金地内に炭窯を設置し、年間約1.6tの木炭の生産を継続して地域のイベント等に頒布するなど地元に貢献してきました。しかし、平成23年の東日本大震災により炭窯は大きく崩れ落ち、使用できない状態となってしまいました。
このため、この活動を継続するか取りやめるかについて研究会の会員全員で話し合いを行った結果、炭窯を改築し活動を継続することを決定しました。幸いにも、会員の中に炭窯の制作技術をもった人がいたことから、この方の指導のもとに写真のような工程で会員による炭窯の改築作業を行い、素晴らしい炭窯を完成することができました。今後も従前どおりに地域の公共施設等へ木炭の提供を続けるなど、山方林業研究会活動の一つとして取り組み、地域に貢献することを期待しています。

炭窯の改築の様子
炭窯に使う粘土の準備 炭窯内部に耐火煉瓦を積む
窯の内部に隙間無く炭材を詰める 天井部分政策(炭材の上に粘土をのせ突き固める)
天井部分の整形 炭窯の完成(この後、炭材に着火し乾燥させる)

<大子林業指導所>

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4.常澄中学校の2年生が間伐作業を体験 

間伐体験の様子
去る11月29日金曜日、水戸市立常澄中学校の2年生(127名)を対象に、森林・林業体験学習の一環として那珂県有林内のヒノキ林で間伐の体験学習を実施しました。同校は、毎年度同じ学年を対象に間伐作業の体験学習を継続して実施しています。
現地に到着した生徒たちは、林業普及指導員から森林の働きや間伐の必要性、間伐木の伐採方法等の説明を受けた後、ヘルメットやのこぎりを受け取り体験場所のヒノキ林に向かいました。なお、今回は公益社団法人茨城県緑化推進機構が実施している現地体験型学習と合同で実施しました。
ヒノキ林に着くと、あらかじめ白いテープで区切られていた箇所に班ごとに分かれて入り、指導員の指導のもと間伐対象木をのこぎりを使って伐採する作業に取り組みました。
始めはのこぎりの使い方に慣れない生徒もおり、悪戦苦闘する姿も見られましたが、協力しながら作業を進めました。間伐を実施したヒノキ林は過密状態であったことから、事前に木の幹にロープを掛けておき、班員が力を合わせて引っ張りました。そしてようやく木が倒れると生徒達から歓声が上がっていました。伐採したヒノキは、枝を払い、短く切って積み重ねる作業も行いました。
間伐体験の様子

体験学習の予定時間(1時間)のうちに、各班2~4本の木を倒すことができ、生徒たちは初めて自分達の力で木を倒し、新たな経験を得て満足そうな様子で帰路に付きました。
このような林業体験は、子供達が森林・林業に触れる貴重な機会です。今後とも学校の要望等に合わせ、できるだけ多くの子供達に体験の機会を提供していきたいと考えています。

<水戸林業指導所>

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5.車窓から見える森林づくり活動を実施

常磐線沿線での活動
ソメイヨシノの記念植樹
去る12月1日日曜日、石岡市真家地内の明治天皇行在所付近の森林において、「車窓から見える森林(もり)づくり活動」を茨城県県南農林事務所と公益社団法人茨城県緑化推進機構の共催で実施しました。去る12月1日日曜日、石岡市真家地内の明治天皇行在所付近の森林において、「車窓から見える森林(もり)づくり活動」を茨城県県南農林事務所と公益社団法人茨城県緑化推進機構の共催で実施しました。この取り組みは、森林の役割と森林整備の大切さへの理解を得て、緑化の普及・啓発と新たな担い手となる人づくりを進めることを目的に、県南林業会、東日本旅客鉄道株式会社水戸支社の協賛、石岡市、水戸森林クラブ、つくばね森林組合の後援を受けて実施しました。
当日は天候にも恵まれ2回目となる今回は、森づくりに関心のある方々、日頃から森林整備ボランティア活動を実施している団体の方々、来賓・スタッフ合わせて50名が参加しました。
最初に、林業普及指導員による森林整備作業の講習を行い、その後、東日本旅客鉄道株式会社水戸支社から寄贈されたソメイヨシノ2本の記念植樹を行いました。
森林整備活動では、参加者が3つの班に分かれ普及指導職員等の指導を受けながら、下刈り・枝打ち・除間伐・ゴミ拾いなどの活動に汗を流しました。
これまで手入れが行われておらず、荒れて暗かった森林がおよそ2時間の活動で陽が差し込む明るくきれいな森林となり、参加者は大きな達成感を得たようでした。
今回した方々のみならず、常磐線を利用する多くの方々に、きれいに整備された森林を見ていただき、森林整備の大切さを理解いただけることを期待しています。
当指導所では、今後ともこのような活動を通して、地域の平地林・里山林の再生に向けての取組を積極的に支援していきたいと考えています。
森林整備の様子 参加者一同

<土浦林業指導所>

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[林産情報]

城県の素材・製材品価格(平成25年)単位:円/立方メートル

区分 樹種 規格 種類 24年
平均
25年時点
平均
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
mcm cm
素材 国産材 スギ 3.00・14~20 柱材 10,600 11,900 11,700 11,500 10,900 10,900 10,200 8,800 8,900 11,600 14,200 14,800 14,600 14,300
3.65・18~28 中目材 12,100 12,900 12,500 12,200 12,300 12,400 12,700 11,400 11,000 11,900 13,700 13,900 15,600 15,600
4.00・8~13 小径材 9,800 10,300 10,800 10,700 11,500 10,300 8,500 7,300 8,200 7,700 9,200 10,900 12,800 15,500
ヒノキ 3.00・14~20 柱材 15,200 20,300 16,200 17,400 19,500 18,100 17,700 16,800 17,100 18,800 22,300 25,700 27,300 26,600
4.00・18~28 中目材 19,100 23,700 18,400 19,800 21,800 22,500 23,000 21,300 21,100 23,100 26,300 27,700 29,100 30,500
4.00・8~13 小径材 9,900 12,600 11,600 12,200 12,300 11,500 10,400 9,400 10,600 12,900 12,100 13,500 16,300 18,100
外材 米ツガ 11.00・〃・36 コ-スト 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000 28,000
11.00・〃・28以下 j・ソ-ト 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000 25,000
米マツ 11.00・〃・40 カスケ-ド 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000 38,000
11.00・〃・36 コ-スト 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000 32,000
11.00・〃・28以下 j・ソ-ト 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000
カラマツ 4.0 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000 22,000
エゾマツ 3.8 並材 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000 24,000
製材 国産材 スギ 3.00・10.5・10.5 柱1. 45,300 46,200 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 51,000 53,000
3.00・12.0・12.0 柱3. 44,300 45,200 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 44,000 50,000 52,000
3.65・1.4・10.0 ヌキ 50,000 50,700 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 50,000 53,000 55,000
3.65・3.6・4.5 タルキ 45,000 46,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 45,000 50,000 52,000
3.65・4.5・10.5 敷居・鴨居 120,000 123,300 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 120,000 130,000 150,000
4.00・9.0・9.0 母屋 40,000 40,200 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 40,000 42,000
ヒノキ 3.00・12.0・12.0 柱1. 90,000 91,500 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 90,000 98,000 100,000
4.00・12.0・12.0 土台 73,000 75,600 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 73,000 87,000 90,000
4.00・4.5・10.5 敷居・鴨居 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000 380,000
マツ 4.00・12.0・24.0 平角 58,000 58,200 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 60,000
外材 米ツガ 3.00・10.5・10.5 56,000 57,200 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 56,000 70,000
4.00・9.0・9.0 母屋 55,000 56,300 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 55,000 70,000
米マツ 4.00・12.0・24.0 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000 58,000
米ツガ 4.00・12.0・12.0 注入土台 68,000 68,600 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 68,000 75,000
エゾマツ 3.80・3.0・4.0 タルキ 60,000 60,800 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 60,000 70,000
WW集成材 3.00・12.0・12.0 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600 72,600

注:ヒノキ材1.は、平成11年以前10.5センチメートル角
WW(ホワイトウッド)集成材は、1本あたりの単価を立方メートルに換算
カスケード:大陸中央部カスケード山脈から産出される目詰みの材
コースト:太平洋沿岸部コースト山脈から産出される目荒の材
J・ソート:北米における末口径11インチ下の細丸太、または日本向け丸太

茨城県の新設住宅建設の動向位:戸
区分/月別 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
24年 着工数 1,765 1,686 1,555 1,959 1,717 1,810 1,793 1,738 2,153 2,538 2,053 1,725 22,492
木造数 954 1,320 1,197 1,276 1,229 1,240 1,196 1,327 1,591 1,784 1,378 1,004 15,496
木造率 54.1% 78.3% 77.0% 65.1% 71.6% 68.5% 66.7% 76.4% 73.9% 70.3% 67.1% 58.2% 68.9%
累計 1,765 3,451 5,006 6,965 8,682 10,492 12,285 14,023 16,176 18,714 20,767 22,492 -
25年 着工数 1,487 1,584 1,683 1,843 1,710 2,207 2,184 1,854 2,228 2,290 2,327 2,199 23,596
木造数 1,063 1,131 1,351 1,344 1,316 1,363 1,279 1,410 1,427 1,635 1,781 1,554 16,654
木造率 71.5% 71.4% 80.3% 72.9% 77.0% 61.8% 58.6% 76.1% 64.0% 71.4% 76.5% 70.7% 70.6%
累計 1,487 3,071 4,754 6,597 8,307 10,514 12,698 14,552 16,780 19,070 21,397 23,596  

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農林水産部林業技術センター 

〒311-0122 茨城県那珂市戸4692

電話番号:029-298-0257

FAX番号:029-295-1325

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