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更新日:2017年4月6日

【隊員からの活動報告】23年度1次隊エジプト

青年海外協力隊としてエジプトに派遣された黒崎隊員から活動報告をいただきました。

黒崎久美子隊員は、平成23年1次隊として青年海外協力隊に参加し、エジプトにおける幼児教育に従事されました。現在は茨城県に戻り、その経験を活かし茨城の子ども達のために働いていらっしゃいます。

なお、黒崎隊員は、本年9月に帰国したJICAボランティアの代表として、天皇皇后両陛下にもご接見されています。

 

 

活動内容報告

「保育って楽しい!」「保育士になって良かった!」

大学卒業後、保育士として働いた5年間で私は保育の楽しさや喜びを知りました。大変なこともありましたが、子どもの成長をそばで見守ることの楽しさや、子どもに手を差し伸べることができる喜びは何よりも私に力を与えてくれました。

やがて、「その5年間で得た知識と経験を、途上国の支援に役立てたい!」と思うようになり、私はJICAボランティアとしてエジプトへと渡りました。

エジプトにおける私たちボランティアの活動目的は、「遊びから学ぶ保育」を広めていくことでした。ご存知の通り日本では、学校で行われるようないわゆる「勉強」よりも、「遊び」(砂遊びやブロック遊び等)の方が子どもの発達には効果的だと考えられています。しかしエジプトではまだそのような考え方は一般的ではなく、子どもたちは保育園にいる間中、椅子に座って「勉強」させられていました。

そんな状況を改善するために、私は赴任後さっそく「遊びから学ぶ保育」を現地の保育士達に披露し、保育の楽しさを感じてもらおうと働きかけました。ところが私の期待に反して、彼女達は一向に興味を示さなかったのです。その後も、どうにか私のアイディアを取り入れてもらおうと試行錯誤を繰り返しました。そうして半年が過ぎた頃に気づいたことがありました。それは、

「日本の方法をただ伝えるのではなく、エジプトで取り入れてもらえる方法を考えることが大切」

ということでした。そのことを気づかせてくれたのが、カウンターパートのイマーンでした。

彼女は、「エジプトの保育を良くしたい!」という強い思いを持ち、その実現に向けて仕事をしていました。私は彼女と共に、セミナーや巡回指導を定期的に行い、「遊びから学ぶ保育」の大切さや具体的な実践方法を繰り返し伝えていきました。また現地の保育士に分かりやすいようにアイディアをまとめたポスターや、誰でも簡単に取り組むことができる教材製作の方法をまとめた冊子の作成にも取り組みました。

やがてそれらの活動は少しずつ受け入れられ、日常の保育が徐々に変化していきました。何より嬉しかったことは、「遊びから学ぶ保育」が定着していくにつれて、子どもたちの表情が日に日に明るくなっていったことでした。またその変化に現地の保育士たちも気づき、「日々の保育が楽しい」と笑顔を見せてくれたときには、それまでの苦労が一気に吹き飛んでしまうような達成感を味わうことができました。

常に活動を共にしてくれたカウンターパートのイマーン、考えに賛同し協力の手を惜しむことのなかったエジプト人スタッフ、そして私を家族のように受け入れ心の支えになってくれた友人たちに心から感謝しています。

子どもの生き生きとした表情を見ることは、保育士にとって大きな喜びです。これからも私は子どもたちに寄り添い、彼らの「遊び」と「学び」そして成長を見守り続けていきたいと思います。

 

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黒崎久美子

平成23年度1次隊青年海外協力隊ボランティア

派遣国:エジプト職種:幼児教育

配属先:エジプト連帯・公正省

 

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