わたしたちの県議会 茨城県議会

平成13年第1回定例会


 議会は3月23日の本会議において、次の意見書を可決し、内閣総理大臣、関係閣僚などにその実現方を要望しました。

農林水産業の経営安定に関する意見書

 農林水産業をめぐる情勢は、国際化の進展などから野菜等の輸入が急増し、本県のみならず全国を通じて生産者価格の低下を招くなど危機的状況にあり、いのちと暮らしを守る農林水産業の体質強化が強く求められている。
  ついては、経営安定対策をより一層充実し、魅力とやりがいのある活力に満ちた農林水産業の確立を図るため、国におかれては次の事項を講じるよう強く要望する。

1 低落する野菜価格に対する農家経営の安定を図るため、野菜指定産地制度における指定要件の緩和や野菜価格安定事業における特定野菜の補助率の引き上げを図るとともに、青果物の消費減退と輸入野菜の増加による国内青果物の生産圧迫に対処するため、国内産青果物の消費拡大を図るための広報などによる対策の充実を図ること。

2 米の生産調整の拡大により米農家の生産意欲は大きく減退していることから生産意欲を高め、米価の安定化につながる抜本的な対策を講じること。

3 麦作経営安定資金の堅持、機械化等への助成範囲の拡大、消費拡大を図るため地産地消に対する支援策の強化など麦・大豆の本格生産に向けた施策の強化を図ること。

4 認定農業者のおこなう経営改善のための施設・機械の整備に対する補助制度の充実を図ること。

5 新規就農希望者の専門技術、経営ノウハウの習得とあわせ、地域での受け入れを円滑にするため、先進農家や法人での実務研修を支援する制度を創設すること。

6 担い手への農地の利用集積に積極的に取り組む地区に対し、貸し手農家への基盤整備負担金に対する助成制度を創設すること。

7 農業農村の整備を進めるにあたり、自然環境に配慮した部分の事業費・維持管理費について、その公益性に鑑み農家負担とならないよう財政措置を創設すること。

8 畜産の排せつ物(尿等液状物)については、利用技術が確立されておらず、地域における資源リサイクルが進んでいないことから、液状物の低コスト処理・利用技術を早期に開発すること。

9 林業生産活動のみでは適正な管理が困難な森林について、保安林指定を進めるなどにより公的な森林整備を促進すること。

10 漁業就業者の減少と高齢化等がますます進行していることから、新規就業者や後継者の円滑な漁業就業を促進するための「漁業担い手基金制度」を創設すること。