わたしたちの県議会 茨城県議会
平成9年第1回定例会


行政全般
行財政改革の取り組みについて(新たな予算編成の方策)
質問県の膨大な事務事業を効率的に整理するため、新たな予算編成方式として、ゼロベース査定を導入すべきと考えるが。
答弁これまではシーリング方式を採用してきたが、ゼロベース査定方式は事業の必要性などをゼロから査定し直すという優れた面がある。したがって、厳しい財政状況に対処するため、今後重要な課題として検討していきたい。
財政硬直化の克服と今後の県財政運営について
質問財政の硬直化をいかに乗り越え、中長期的な視点での県財政のかじ取りをどのようにしていくのか。
答弁中長期的な財政の健全性を確保することはきわめて重要であり、歳入歳出両面からの対応が必要である。特に歳出面については総務部内に設置する行政改革・地方分権推進室を中心に実効性のある方策を検討し、かつてない厳しい財政状況に対処していきたい。

企画開発

大規模プロジェクトの現状と課題について
質問建設費など負担額の増大が見込まれるひたちなか地区の開発をいったん凍結し、住民参加で計画を作り直してはどうか。
答弁 ひたちなか地区の開発は、整備推進協議会などで地元の市長、村長をはじめ住民の意向も聞きながら絶えず計画の見直しを行い進めているが、さらに、社会経済情勢の変化にも的確に対応していきたい。
常磐新線関連事業について(関係市町村への行財政支援)
質問常磐新線計画見直しに伴う関係市町村への行財政支援策は。
答弁守谷町の事業については家屋移転用地の確保、鉄道用地の早期買い上げのほか、国補事業としての採択に努力をしていく。市町村出資金については、起債が認められており、その償還に対する交付税措置について関係都県と連携して国に要望していく。
個性ある工業団地の造成について
質問工業団地への新規企業の参入を可能とするため、進出メリットの高いインフラ整備を進め、個性ある工業団地の造成を進めるべきであるがどうか。
答弁高速道路を取り込む形の工業団地や情報通信基盤などのインフラ整備を進めているが、今後とも住宅とのセット開発、物流用地の確保などを推進し、魅力をさらに高めていきたい。
日立港後背地の開発について
質問日立港後背地について、その特色を生かし、流通や産業の集積を可能とする開発計画に着手すべきと考えるがどうか。
答弁日立港後背地は、交通の要衝にあるなど立地条件に恵まれており、開発ポテンシャルが高まってくる。県北臨海部の新たな拠点として発展するよう、9年度に地域の将来の方向や導入機能についての調査を実施する予定である。
常総線近代化促進のための沿線開発について
質問常総線近代化の原動力となる沿線開発を今後どのように進めていくのか。
答弁平成9年度は、地域資源を生かし、地域住民が日々の生活を楽しみ、他地域から人々が訪れることができる観光・レクリエーション拠点の形成を目指して「ハーモニーヒルズ地域交流拠点整備構想」を石下町など地元4市町村と共同で策定したい。

福祉・保健・医療

障害者の権利よう護について
質問障害者の権利を守る体制づくりは。
答弁平成9年4月から障害者110番事業を実施し、福祉、衛生、労働、教育等の関係行政機関と障害者福祉団体などの相互の連携を図り、相談事案について迅速かつ円滑に対応していくとともに、事業を通して障害者の権利よう護についても積極的に取り組んでいきたい。
福祉行政について(シルバ−パワ−の登用)
質問元気な高齢者が、独り暮らしや寝たきりの高齢者に対して援助を行い、将来、自分が提供した優しさを享受できる「時間貯蓄併用型」の福祉サービスの仕組みづくりを支援すべきと考えるが。
答弁現在、37市町村の社会福祉協議会などに在宅福祉サービスセンターを設置し組織づくりを進めている。60歳以上の方々の活動が、大きな推進力となっている。相互扶助の組織づくりを積極的に進めてまいりたい。
医療問題について(救命救急センターの設置見通し)
質問生命が危ぶまれる救急患者を365日、24時間体制で受け入れる救命救急センターを、未設置の県北、鹿行、県西地域にも設置すべきと考えるが。
答弁この3地域への整備も必要と考えており、地元の受け入れ体制が整いつつある県西地域は、できるだけ早い時期に整備を図りたい。また、県北、鹿行地域については、関係機関などの意見を聞きながら順次整備していきたい。
感染症対策の充実と危機管理体制について
質問昨年O−157が猛威をふるったが、これの防止対策の強化および発生した場合の感染者に対するアフターケアや危機管理体制について伺いたい。
答弁食品の検査や飲料井戸の指導など防止対策を進めている。発生時には、患者のプライバシー保護に十分留意するとともに、処理マニュアルに基づき、迅速かつ効果的な防疫措置を講ずることとしている。
県立医療大学の大学院設置について
質問県立医療大学に大学院を設置すべきと思うが。
答弁大学院の設置には学生の進学志向や社会的な人材需要の動向などのほかにいくつかの課題があるが、本県医療の一層の向上に努める観点から、関係者の意見なども聴きながら研究していきたい。

農業・観光

本県の観光振興について
質問来年のNHK大河ドラマ「徳川慶喜」決定に合わせた本県の観光振興策は。
答弁今回の決定は、本県のイメージアップや観光振興にとって千載一遇の好機であり、魅力ある広域周遊観光コースの設定や集客力のある観光施設の整備などにより観光客の誘致を図るとともに、イベント館の整備や受け入れ体制の充実などについても検討していきたい。
米をめぐる諸問題について(県産米のブランド化)
質問コメの新品種の開発状況と見通し、また、食味を向上させる栽培技術指導の進め方は。
答弁新たに開発した「ひたち10号」の本格的な販売に向け、生産拡大とPR活動を行うとともに、極早生品種の開発を進め、数年後には普及に移したい。また、4月に開所する水田農業支援センターなどにより、うまいコメづくりの技術指導を強化したい。

教育

教育行政について(教育条件の整備)
質問養護学校高等部の訪問教育の実施に向けた取り組みは。
答弁総合的な福祉政策について調査研究している21世紀福祉の郷づくり懇談会や中学部で訪問教育を受けている生徒の保護者などから、重度または重複障害のため通学が困難である生徒への適切な教育を確保する必要があるとの提言や要望があり、県としても高等部における訪問教育の準備を進めている。
会話を重視した英語教育について
質問国際化時代に対応し、会話を重視した英語教育に向かうべきであり、小学校から取り入れるべきと考えるがどうか。
答弁 会話能力を高めるため、外国人の英語指導助手の活用や研修による英語担当教員の会話力向上などに努めている。小学校への導入については、8年度から水戸市の小学校が国の指定を受け、実践的な調査研究を進めている。
人間教育について
質問連帯社会の中で、大切な人間教育、人づくりのための学校教育のあり方を伺いたい。
答弁人間として、他人を思いやる心や自然を愛する心を養うため、福祉施設への訪問などの体験活動を通した心の教育を一層充実させる必要がある。

警察

力強い警察官の採用育成について
質問力強い警察官を目指した採用方法と教育訓練方法は。
答弁一般職員の採用試験では実施していない「身体、体力検査」を実施し、採用の判断要素にしている。また、警察学校においては採用時教養として柔剣道等の訓練を毎日実施し、警察本部・警察署においては現場の実体に即した逮捕術などの訓練と基礎体力の向上に努めている。

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