スマート農業の導入事例について紹介します
AIやロボット等を活用したスマート農業技術は、生産現場における労力不足の解消や収量・品質向上による所得向上を図るための重要な手段の一つです。
県北地域において、技術を導入し、規模拡大や生産性向上に取り組む事例について紹介します。
スマート農業の導入事例について
- アシストスーツ
- ロボット草刈機
- 直進アシスト機能付き田植え機
- 複合環境制御装置、A1潅水施肥装置
- 繁殖管理システム(ファームノート及びファームノートカラー)
- 哺乳ロボット
事例1 導入技術アシストスーツ

特徴
- 腰や腕などに作業負荷がかかる農作業や、重量物の持ち上げ(下げ)時にかかる負荷を軽減する。
- モーター搭載や空気を利用した人工筋肉など、アシスト機能の違いにより、軽減効果や導入経費が異なる。
経営作物
目的
導入効果
- 年間の作業時間が5.17%短縮された。
- 特に、中腰姿勢で長時間作業を実施する「定植」「マルチ張り」「収穫」作業において、作業時間削減効果や作業負担軽減効果が高かった。
- 腰の痛みが軽減され、翌日に疲れが残らなくなった。参考価格15万円/台(株式会社イノフィス社製マッスルスーツEvery 空気で動作、動力不用)
参考価格
- 15万円/台(株式会社イノフィス社製マッスルスーツEvery 空気で動作、動力不用)
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事例2 導入技術ロボット草刈機

特徴
- 1台で最大30aの面積を草刈りできる。・
- エリアワイヤーを設置したエリア内をランダムに走行しながら草刈りを行う。
- バッテリー残量が少なくなると自動で充電ステーションへ戻り充電する。
経営作物
労力
目的
導入効果
- 設置圃場における除草作業の大部分を無人化・省力化出来た。(1年間の除草作業時間20h/10a→1h/10a)。
- 夏季高温下、傾斜地、樹冠下での人手による除草作業が不要となり、従業員の労働環境の改善につながった。
参考価格
- 49.5万円/台※別途設置費用が必要(「KRONOS」和同産業株式会社製)
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事例3 導入技術直進アシスト機能付き田植え機

特徴
- GPSによる位置情報を基にした直進時の自動操舵機能が付属している。
- 経験の浅い作業者でもまっすぐきれいに田植えができるほか、熟練者の負担軽減など、田植え作業の軽労化が期待される。
経営作物
労働力
目的
導入効果
- 直進アシスト機能により、操作に慣れていない初心者でもまっすぐ植えられる。苗送りの在庫確認や移植の状況を余裕をもって確認でき、作業負担が軽減した。
参考価格
- メーカー希望小売価格(税込)4,147,000円〜5,063,300円※(株式会社クボタ製NW8S-F-GS※価格は株式会社クボタホームページより)
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事例4 導入技術複合環境制御装置、A1潅水施肥装置


特徴
- 複合環境制御装置:冬季の細やかな温湿度管理が可能であり、灰色かび病の要因となる結露を防止することができる。
- A1潅水施肥装置:日射量、土壌水分・ECの測定値から最適な量を潅液するため、養水分の過不足がなく、裂果や尻腐れ果の発生を少なくすることができる。
経営作物
労力
目的
- 収量・品質向上、省力化 導入効果 複合環境制御装置による灰色かび病の大幅な減少と、A1潅水施肥装置による裂果、尻腐れ果の減少により、廃棄量が約85%減少し、可販収量が向上した。
参考価格
- ゼロアグリ約200万円/台 環境制御装置約45万円/台(ネポン株式会社社製MC-6001)
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事例5 導入技術繁殖管理システム(ファームノート及びファームノートカラー)

特徴
- ファームノート:個体毎の飼養記録や繁殖牛の分娩実績をPCやタブレットを用いて入力・データを蓄積。発情、受精、妊娠鑑定、分娩のサイクルを的確に管理できるソフト。
- ファームノートカラー:牛の首にセンサーを装着し、牛の行動パターン(反芻、休息、活動)を自動計測。個体毎の活動パターンをAIが解析し発情兆候、分娩兆候、疾病疑いをスマホ等のモバイル端末へ通知
経営内容
- 経営形態:繁殖和牛経営 繁殖用雌牛21頭 労働力1名 飼養形態 舎飼い(4頭/マス)自給飼料生産約200a
導入前の課題等
- 一人で管理しているため、観察時間の制約があり発情兆候を見逃すことがあった。
利用状況
- ファームノートに全頭の繁殖記録や治療記録等を入力し、全飼養牛の状況(繁殖ステージ等)を容易に把握できるようにしている。
- ファームノートカラーをファームノートと紐づけし、9台利用している。発情兆候情報等がスマートフォンに通知される(分娩兆候は利用していない)。
導入後の感想
- 牛舎外での作業中でもスマホに通知が来るので、常時、牛舎に張り付く必要がなくなり、安心してほ場作業に取り組めるようになった。発情発見率が向上した。
導入する際の注意
- カラーを導入をする場合、農場にdocomo又はauの電波が届く必要がある。
- スタンチョンにセンサーがぶつかり破損することがあるので、飼養形態によっては検討が必要。
参考価格
ファームノート利用料(税抜き)
- [個体管理プラン]4,000円/月(1~49頭)
- [牛群管理プラン]6,500円/月(1~49頭)
ファームノートカラー料金(税抜き)
[買い切りモデル]→電池寿命約5年(カラー保証期間3年間)
カラー:導入金額約5万円/1台、使用料200~500円/台・月
親機 :導入金額約25万円、回線料3,000円/月
[サブスクリプションモデル]→契約期間中に壊れたら無償交換
カラー:導入金額5,000円/台、使用料800~1500円/台・月
詳しくは(株)ファームノート(http://farmnote.jp)へお問合せ下さい。
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事例6 導入技術哺乳ロボット


概要
- 導入機種:フォースターテクニク社製CF-260
- 自動でミルクとお湯を混合。子牛には首にセンサーを装着し個体毎の哺乳量・回数の設定が可能。哺乳実績についても個体毎に自動計測される。
経営内容
- 経営形態:繁殖和牛経営 繁殖用雌牛頭数 70頭 子牛(哺乳)頭数 32 頭 労働力 従業員4名 パート2名 自給飼料作付面積15ha
導入前の課題等
- 繁殖雌牛が50頭規模になった頃から、省力化の必要性を感じるようになり、特に時間がかかる子牛管理部門の改善が必要だった。
利用状況
- 現在はロボット1台で、20頭(4回/日)の子牛への哺乳を行っている。個体毎の哺乳量を把握し、子牛の健康管理にも活用している。
導入後の感想
- 手作業で哺乳する場合、20頭の子牛で1日あたり2~3時間程度を要するが、ロボットを活用することで別の管理に労力を充てられるようになった。
- ミルクとお湯の配合も自動で行うので、お湯の無駄使いもなくなる。
導入する際の注意
- 母子分離は生後3日で行い哺乳ロボットへの切り替えまで、馴致期間として2週間は哺乳バケツを用いて代用乳を与えている。
- 付属器具の汚れが下痢の要因になることもあるので、器具の点検・清掃作業が必要である。
導入価格
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