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更新日:2016年2月25日
本県では、県の出資法人等の経営の健全化を推進するため、法人に対して統一的な経営評価を実施しています。 |
(1)実施した出資法人等
県の出資法人及び援助法人55法人を対象として、平成20年度決算をもとに、公認会計士2名を含む経営評価チームによる経営評価を実施しました。
法人区分 | 評価実施 法人数 |
県の出資比率 | 援助法人 | ||
---|---|---|---|---|---|
50%以上 | 25%以上 50%未満 |
25%未満 | |||
特例民法法人 (財団・社団) |
33 | 16 | 5 | 7 | 5 |
会社法法人(株式会社) | 15 | 3 | 4 | 8 | - |
特殊法人 | 7 | 4 | 1 | 2 | - |
合計 | 55 | 23 | 10 | 17 | 5 |
1.援助法人は、県は出資していないが継続的に財政的・人的援助を行っている法人です。
2.県の出資法人等への関わり方に関する基本的事項を定める条例第8条では、評価対象法人について、
「県の出資比率が4分の1以上である法人」または「県の財政的援助が総収入額の2分の1以上である法
人」で、前年度の収支決算額が1億円以下のものは除くと規定しています。
しかし、出資法人等の自主的な経営改善努力を促す観点から、条例第8条の対象外の法人について
も、所管課の協力を得て経営評価を実施しました。
経営評価実施法人数 | ||
---|---|---|
55 | 条例第8条対象法人 | 条例第8条対象外法人 |
29 | 26 |
(1)経営評価チームの評価結果
評価区分 | 法人数 (構成比) |
内訳 | H20年度 法人数との比較(※) |
||
---|---|---|---|---|---|
特例民法法人 | 会社法法人 | 特殊法人 | |||
概ね良好 | 15 (27%) |
7 | 6 | 2 | ─ |
改善の余地あり | 20 (36%) |
15 | 4 | 1 | ▲5 |
改善措置が必要 | 14 (25%) |
9 | 4 | 1 | +4 |
緊急の改善が必要 | 6 (11%) |
2 | 1 | 3 | ─ |
合計 | 55 | 33 | 15 | 7 | ▲1 |
(※)
・対象外となった法人2法人 (社)城県観光物産協会、株式会社メディアパークつくば
・新たに対象となった法人1法人(社)茨城県林業協会
・評価プラス法人4法人
「改善の余地」→「概ね良好」3法人
(社)茨城県危険物安全協会連合会、(財)茨城県建設技術管理センター、
株式会社茨城ポートオーソリティ
「改善措置必要」→「改善の余地」1法人(財)茨城県消防協会
・評価マイナス法人7法人
「概ね良好」→「改善の余地あり」1法人 つくば国際貨物ターミナル株式会社
「概ね良好」→「改善措置必要」1法人(財)那珂川沿岸土地改良基金協会
「改善の余地」→「改善措置必要」4法人
鹿島共同再資源化センター株式会社、株式会社いばらきIT人材開発センター、
株式会社いばらき森林サービス、茨城住宅管理協会
「改善の余地」→「緊急の改善措置」1法人 茨城県道路公社
○法人形態別の結果は、「平成21年度県出資法人等経営評価一覧(PDF:9KB)」を参照
出資団体等経営改善専門委員会は、経営評価チームによる評価において「組織や事業のあり方について見直しが必 要」とされた特定の法人について、県に意見書の形で提言を行ってまいりました。(平成14~19年度 14法人)
(1)経営検討特別委員会の意見書の提出
平成20年6月30日に総務省より新たなガイドラインとして「第三セクター等の改革について(PDF:31KB)」の通知により、地方公共団体に対し、経営が著しく悪化しているおそれのある第三セクターについては、資産査定等専門家による適正な資産評価を行うとともに、公認会計士、弁護士等で構成する経営検討委員会を設置し改革案を策定することとされました。特に、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく将来負担比率の算定において損失補償債務等評価基準のB~Eランクに位置づけられた法人を対象とすることとされ、本県では、「住宅供給公社(Eランク)」と「開発公社(Cランク)」が該当しました。
このため、平成20年10月1日に経営改善専門委員会の中に新たに特別委員会を設置し、財団法人茨城県開発公社及び茨城県住宅供給公社を対象として、平成20年度4回、平成21年度4回の審議を実施しました。
その結果、平成21年8月21日に、「財団法人茨城県開発公社 経営改革に関する意見書」が県に提出されました。
また、平成21年10月30日には「茨城県住宅供給公社 経営改革に関する意見書」が県に提出されました。
職 | 氏名 | 所属・役職等 |
---|---|---|
委員長 | 小濵裕正 | 株式会社カスミ 代表取締役社長 |
副委員長 | 坂本和重 | 公認会計士 坂本計理事務所 |
委員 | 兪 和 | 茨城大学人文学部 教授 |
〃 | 水口二良 | 弁護士 水口・野村法律事務所 |
〃 | 田崎昇 | 公認会計士 田崎公認会計士事務所 茨城県中小企業再生支援協議会 支援業務部門 統括責任者 |
(2)経営改善専門委員会の報告書の提出
平成20~21年度については、公益法人制度改革、地方公共団体財政健全化法等出資法人を巡る社会経済情勢の変化を踏まえて、出資法人のあり方を抜本的に見直すこととし、55法人全体について「廃止」「統合」「自立化・民営化」の視点で将来の改革方向性を検討することとし、平成20年度3回、平成21年度5回の委員会を開催し審議を行いました。
その結果、廃止8法人、統合7法人、自立化・民営化10法人の将来方向を内容とする「県出資法人のあり方に関する 報告書」が、平成22年2月4日に県に提出されました。
職 | 氏 名 | 所属・役職等 |
---|---|---|
委員長 | 小濵裕正 | 株式会社カスミ 代表取締役社長 |
副委員長 | 坂本和重 | 公認会計士 坂本計理事務所 |
委員 | 岡部登志子 | 有限会社きらら館 代表取締役 |
〃 | 木内敏之 | 木内酒造合資会社 取締役 |
〃 | 三上靖彦 | 株式会社ミカミ 代表取締役 |
〃 | 兪 和 | 茨城大学人文学部 教授 |
〃 | 渡辺満枝 | 株式会社EMMY 代表取締役 |
出資団体等経営改善専門委員会から提出された「県出資法人のあり方に関する報告書」を踏まえ、担当部局を中心に事業の必要性や県関与のあり方等について必要な見直し・検討を行うとともに、県出資団体等調査特別委員会の審議も勘案のうえ、法人の将来方向に対する基本的な方針を決定しました。
方針の内容は、「県出資法人の将来方向についての基本方針(PDF:6,023KB)」のとおりです。
基本方針の概要
○法人の将来方向
法人の将来方向については、「廃止」、「統合」、「自立化・民営化」及び「事業継続」に分類のうえ、5年後、10年後を見据えそれまでに取り組むべき内容・課題の整理を行いました。
また、法人の将来方向は現時点における見通しと取組内容をとりまとめたものであり、一層の経営改善、人的・財政的関与の縮小等が必要であることはもちろんのこと、今後の経済情勢の変化等によっては、一段と厳しい改革への取組を進めてまいります。
①廃止する法人(6法人)
茨城県住宅供給公社 | (財)那珂川沿岸土地改良基金協会 |
(財)グリーンふるさと振興機構 | (財)茨城県勤労者余暇活用事業団 |
(財)霞ヶ浦漁業振興基金協会 | (財)茨城県労働者信用基金協会 |
②統合する法人(5法人)
○次の3法人
(財)茨城県農林振興公社 | (社)茨城県穀物改良協会 | (社)園芸いばらき振興協会 |
○次の2法人
茨城県道路公社 | (財)茨城県建設技術公社 |
③自立化・民営化する法人(11法人)
○県関与の見直し(5法人)
(社)茨城県危険物安全協会連合会 | 日立埠頭株式会社 |
(社)茨城県林業協会 | 日立港木材倉庫株式会社 |
(財)つくば都市振興財団 |
○自立化・将来の民営化(6法人)
(財)茨城県看護教育財団 | (財)茨城県建設技術管理センター |
(社福)茨城県社会福祉事業団 | 筑波都市整備株式会社 |
(財)いばらき腎バンク | (一財)茨城県住宅管理センター |
④事業を継続する法人(32法人)
○経営改善・県関与の縮小(22法人)
鹿島都市開発株式会社 | 株式会社茨城放送 |
(財)茨城県開発公社 | (財)茨城県青少年協会 |
茨城県土地開発公社 | (財)茨城県国際交流協会 |
鹿島共同再資源化センター株式会社 | (財)茨城県消防協会 |
株式会社つくば研究支援センター | (財)茨城カウンセリングセンター |
株式会社ひたちなかテクノセンター | 株式会社茨城県中央食肉公社 |
株式会社いばらきIT人材開発センター | 株式会社いばらき森林サービス |
つくば国際貨物ターミナル株式会社 | (財)茨城県企業公社 |
(財)茨城県勤労者育英基金 | (財)茨城県体育協会 |
(財)茨城県教育財団 | (財)茨城県防犯協会 |
(財)茨城県環境保全事業団 | (財)茨城県暴力追放推進センター |
○行政補完・政策推進(10法人)
(財)茨城県科学技術振興財団 | 鹿島埠頭株式会社 |
(財)いばらき文化振興財団 | 株式会社茨城ポートオーソリティ |
(財)茨城県中小企業振興公社 | 茨城県信用保証協会 |
(財)茨城県栽培漁業協会 | 茨城県農業信用基金協会 |
鹿島臨海鉄道株式会社 | 茨城県漁業信用基金協会 |
また、法人の将来方向は概ね専門委員会の提言に沿ったものですが、以下の法人については、法人の有する固有の事情を斟酌し、提言と異なる対応を行うこととしました。
法人名 | 将来方向 | |
---|---|---|
委員会提言 | 県の方針 | |
(財)いばらき腎バンク | 廃止 | 自立化・民営化 |
(財)茨城県青少年協会 | 廃止 | 事業継続 |
株式会社つくば研究支援センター | 統合 | 事業継続 |
株式会社ひたちなかテクノセンター | 事業継続 |
○改革実現に向けた取組
今後は基本方針に基づき、柔軟かつ迅速に改革に向けた取組を実施するとともに、出資法人等に対しても、改革・改善の実現に向けた指導を行っていきます。
(1)改革工程表に基づく改革の推進
改革工程表に基づき目標とする年度には着実に成果をあげられるよう、スピード感をもって改革を確実
に推進します。
(2)ガバナンスの確立、責任の明確化
法人の経営は健全かつ効果的・効率的に行われることが強く求められており、職務権限や経営責任の明
確化を図ります。
(3)透明性の確保
十分な説明責任を果たすことを基本に、法人の経営実態や取組状況等情報の開示を積極的に行います。
(4)経営評価を通じた経営改革の監視
経営評価や専門委員会における改革の達成状況の検証や経営上の問題点の指摘を通じて、改革の実現に
向けた支援を行います。
(5)県関与の見直し
知事・副知事の法人代表兼職等による人的関与や補助金等財政的関与等の見直しを行い、法人の自立的
な経営を基本に経営の健全化を促進します。
(6)公益法人制度改革への対応
新公益法人等への移行申請手続きを計画的に進めるとともに、法人の役割、事業内容等を踏まえ、県の
人的・財政的支援のあり方についても検討します。
(7)給与情報の公開
法人運営の透明性を高めるため、役職員の給与情報についても公開することを念頭に準備を進めます。
(1)自主的な経営改善の促進
経営評価書の作成を通じて、決算資料のみでは把握しにくかった出資法人等の経営上の課題や運営上の問題などを、法人及び所管課の担当者が把握できるようになり、自主的な経営改善が進みつつあります。
(2)外部有識者の意見の反映
経営評価チームや出資団体等経営改善専門委員会からは、専門的な立場からの経営改善策等に係る意見・提言を受け、それらを反映した改善策や組織の見直しなどが進みつつあります。
(3)全庁的な経営改善策の推進
政策幹部会議の審議などにより、出資法人等に対する全庁的な視点からの改善策や支援策の検討などを行うシステムが確立されました。
(4)県議会の意見の反映
評価結果とその対応方針を議会に報告することにより、県議会の意見を反映した経営改善策等の実施が見込まれます。
(5)県民への情報提供
県ホームページや行政情報センターでの出資法人等経営評価結果や経営改善専門委員会の意見及びその対応方針の公表など、出資法人等に関する県民への情報提供が可能となり、毎年更新しています。
(公表資料)
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