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更新日:2016年2月26日

平成14年度茨城県出資団体等経営改善専門委員会資団体の経営改善策等に関する意見書

  平成15年2月12日
城県知事本 殿  
  茨城県出資団体等経営改善専門委員会
委員長又 
平成14年11月13日に貴職から求められた、鹿島都市開発株式会社、株式会社ひたちなかテクノセンター、財団法人茨城勤労福祉事業団、茨城県土地開発公社及び茨城県住宅供給公社の経営改善策等に関する意見については、別添のとおりである。
基本的認識 
鹿島都市開発株式会社
株式会社ひたちなかテクノセンター
財団法人茨城勤労福祉事業団
茨城県土地開発公社 
茨城県住宅供給公社
終わりに
 
  委員会委員名簿
  意見聴取団体の概要
  委員会活動経過

 

 

基本的認識
  城県出資団体等経営改善専門委員会(以下、委員会という。)は、次の基本的認識のもとで出資団体等の経営改善についての意見を申し述べる。  
  1 出資団体等の事業は、その設立趣旨に適合しているものであること。  
    出資団体等の行う事業は、次の要件のすべてを満たしていることが必要である。  
    (1)出資団体等の目的に照らし、適切な内容の事業であること。  
    (2)出資団体等の目的は、現在も県民のニーズに適合し支持を受けているものであること。  
    (3)事業内容が、定款・寄附行為等において具体的に明確にされていること。  
    (4)県民の福祉の増進に寄与していること。  
    (5)最少の費用で最大の効果が上げられていること。  
    (6)公益法人の場合は、営利企業として行うことが適当と認められる性格、内容の事業を主とするものでないこと。  
  2 経営の自律性が確保され、経営責任が明確にされていること。  
    出資団体等の経営は、自律性をもって行われていることが必要である。したがって、出資団体等において経営責任を明確にし、自己責任原則の下、自主性をもって経営にあたらなければならない。また、その当然の帰結として、経営結果に対する責任が適切に取られていなければならない。  
  3 経営における県への依存度引下げのための努力をしていること。  
    県の厳しい財政状況を考えると、県が従前と同様の支援策を出資団体等に行うことには難しいものがある。したがって、出資団体等においては、県への過剰な依存体質を改善し、採算性を考慮した事業経営を実践することが必要である。したがって、常にコスト意識を持ち、かつ、キャッシュ・フローを重視し、経営の効率化、県民のニーズに適合したサービスの提供と質の向上を図ることが必要である。  

 

鹿島都市開発株式会社
  1 現状  
    社全体の売上額は、平成12年6月のホテル新館の開業に伴い、それ以前に比べ約10億円増で推移している。
しかしながら、ホテル新館建設による減価償却費等の増により、平成12年度は3億1千万円、平成13年度は3億9千万円の当期損失を計上するなど厳しい経営状況となっている。
ホテル事業においては、新館開業により、客室数が従来の倍以上にのぼる326室となったが、客室稼動率はそれまでの60%台から40%台にとどまるとともに、婚礼宴会の受注件数も伸び悩んでいる。
不動産事業においては、当期利益は確保しているものの、保有土地(5.4ha)の売れ行き不振やテナントの入居率(新館49%、本館89%)が上がらない状況にある。
受託事業(施設管理、設計管理)においても、当期利益は確保しているものの、随意契約から競争入札制度への移行、委託側の予算の縮小傾向など、今後は厳しい状況が予想される。
また、子会社であり、鹿島セントラルビルの運転管理や飲食部門を委託している鹿島都市サービス株式会社についても、当社の経営状況により厳しい経営を余儀なくされることが予想される。
 
  2 意見  
    このような現状を踏まえ、会社の経営健全化を進めるためには、次のような対策を講じる必要がある。
また、経営者(常勤役員を含む)は組織目的を明確にするとともに、経営者としての具体的経営目標を定め、目標が達成できなかった場合の責任を明確にして経営に当たる必要がある。
 
       
  【ホテル事業】  
  (1) 新館・本館のホテルの位置づけ、機能分担を明確にし、その位置づけに対応した利用形態をとることによって、客室稼働率を改善することが必要である。  
    例えば、新館の完成に伴い相対的に利用者の便が悪化した本館については、料金体系の見直しを実施し、企業の宿泊研修、学生のスポーツ合宿関連需要の取り込みを図る等の諸施策を行う。  
    旅の窓口等インターネットを活用した販売を強化し、ビジネス客の利便性を高める。  
    旅行会社とタイアップし、鹿島・潮来等の観光地めぐりや鹿島スタジアムのサッカー観戦などを絡めた宿泊パックを商品化して積極的な売り込みを図る。  
  (2) 新たに整備した温泉施設を有効に活用し、宿泊・飲食・物販への誘導を図る。  
  (3) 営業力を強化し、婚礼宴会の受注を増やすなど大小各種宴会等の積極的取り込みを行う。  
  (4) 地域の消費志向に合致した商品の開発、サービスの質の向上を図ることによりホテルのリピーター増を図る。  
  (5) “ハコモノ”への投資は、収支予測・損益予測等を適切に行うなど厳しい
事業計画の下で取り組むこと(鹿島特会の資金への安易な依存体質が見受けられる)。
 
  (6) ホテル事業については、キャッシュ・フロー的に厳しい内容であると判断される。人件費についても聖域ではなく、サービスの維持・向上を図りながら、大胆な組織改革や大幅な人員削減も考慮に入れて厳しく経営にあたることが必要である。  
  (7) ホテル事業については、全国のホテルが厳しい競争の下で経営を行っている。会社では、ホテル経営について、月1回、コンサルタントから指導を受けているが、今後更に、ホテル経営のプロの支配人等への採用など外部のノウハウの導入により、経営効率を高め、健全化を図ることが必要である。  
  (8) ホテルの客室稼働率向上のために新たに温泉事業への追加投資を行っている。稼動後2年間の実績をみて、事業計画に見合う実績が上げられない場合には、その原因(内的及び外的)を十分に分析し、適切な改善措置を早急に実施するとともに、結果責任を明確にすることが必要である。  
       
  【不動産事業】  
  (1) 販売用土地について、含み損がないとされているが、販売しても売れないということが不動産市場の厳しさを現している。商業用地・住宅用地等の用途制限、地積の大きさ、販売単価等各種の問題があるものと判断される。地価の下落傾向が今後も継続することが見込まれるため、大胆な価格設定等早い段階での完売を目指すことが求められる。  
  (2) 賃貸事業については、県内はもちろん首都圏等の企業への募集活動を強化し、テナント入居率の向上を図る。  
       
  【受託事業】  
  設立当初は、地域の特殊事情もあり必要性が高かったと考えられるが、近年は同種の事業を行う民間企業が育ってきているため、民間と競合する分野の事業を今後も継続することが必要か否かの検討、(財)茨城県建設技術公社等への統合も選択肢の一つとして検討することも必要がある。
なお、当該事業を継続する必要がある場合には、次のような対応を図る。
 
  (1) 競争入札の導入に伴って、入札における競争力確保が急務である。技術力の向上は当然のこと、価格競争力をつけるために業務の効率化、経費の節減(人件費の見直しを含む)を積極的に実現しなければならない。  
  (2) 第三セクターとして相応しい新規事業の開拓を図る。  
       
  【子会社の経営】  
  (1) 子会社の必要性を見直すことが必要である。子会社の役割分担を見直し、子会社に委託することの経済的合理性が果されているかを確認し、その経済的合理性が低い場合には、子会社の解散も含め抜本的見直しが必要である。  
  (2) (1)の見直しを進めると同時に当社の価格競争力を高めるためにも、早急に子会社について業務内容や業務量に見合った適正な人員配置など組織体制の見直しやパート等職員を効率的に活用した人件費の削減、徹底した経費削減等を行うことが必要である。  
       
  会社では、平成12年6月のホテル新館の開業後、計画と実績の乖離が生じたため、平成10年に策定した長期経営計画(期間:平成19年度まで)を平成14年7月に改定し、計画目標の実現に向けた新たな取り組みを始めたところである。
このため、委員会としては、当面、平成16年度まで当社に長期経営計画に基づく徹底した経営努力を求め、その間における経営の改善状況を見極めた上で、改善が進まない場合は、改めて事業の整理や経営陣の刷新、社員の削減など抜本的な対策を講じるよう求めることとする。
 

 

株式会社ひたちなかテクノセンター
  1 現状  
    屋建設時に約45億円という多額の初期投資を行っており、毎期多額の減価償却費を計上している。社屋には、企業等への賃貸を目的とした研究開発室やスモールオフィスが5,400平方メートルあるが、平成14年10月1日現在の入居率は、景気低迷を反映し、社屋開業時の95.2%に比べると80.1%と低い状況にある。
また、社屋開業時の入居率の確保を図るため、当初設定した賃料と共役費を含めた賃貸料5,000円/平方メートル・月を3,300円/平方メートル・月に値下げして賃貸を行っている。
さらに、事業統括本部で実施している「研究開発」、「ものづくり支援」、「人材育成」、「情報・交流」の各事業については公益的事業のため、収益が見込めない状況にある。特に、新技術・製品開発センターで実施しているものづくり支援事業の採算性が低い。
これらのことから、平成8年度以降(特別利益のあった平成10年度を除く)、1億円以上の単年度赤字を計上し、平成13年度末では6億4千万円の累積赤字を抱えており、厳しい経営状況にある。
方、原子力研究所内で今年から建設が始まった大強度陽子加速器は、事業費総額が1,800億円といわれているが、この加速器関連の事業の受注や研究開発室への入居増が期待できるなど明るい材料もある。
上記のような構造的な赤字体質から脱却するため、平成14年6月に「ひたちなかテクノセンター事業検討会議」を設置し、公益事業の(財)茨城県中小企業振興公社への移管や賃貸事業への特化など経営形態の変革が検討されている。 
 
  2 意見  
    このような現状を踏まえ、会社の経営健全化を進めるためには、次のような対策を講じる必要がある。
また、経営者(常勤役員を含む)は組織目的を明確にするとともに、経営者としての具体的経営目標を定め、目標が達成できなかった場合の責任を明確にして経営に当たる必要がある。
 
  (1) 貸事業に特化した場合、県として出資を継続する合理性がないと判断される。したがって、事業整理を実施し賃貸事業に特化する場合には、現在、原子力研究所内に建設中で、今後の活用に大きな期待が寄せられている「大強度陽子加速器」関連の事業など、ベンチャー企業の育成や中小企業の振興に役立つ新たな公益的事業を併せて実施する必要がある。このことが、第3セクターとして存続していく上で、県民や民間出資者の理解を得ることにもなる。  
  (2) 業検討会議においては、公益事業の(財)茨城県中小企業振興公社への移管が検討されているとのことである。当該公益事業の移管にあたっては、その事業の事業評価を実施して必要性について見直しを行うことが必要である。その上で(財)茨城県中小企業振興公社が実施する事業としての適合性を判断すべきである。安易な移管が実施されないよう注意が必要である。  
  (3) 在は、県・市・関係企業からの派遣職員により会社が運営されており、その人件費は派遣元で負担されている。平成16年度には、それらの人件費が当社の負担となることから、それまでに上記体制への移行を実施することが必要である。その際には、必要最小限の組織体制とし、人件費の抑制を図ること。  

 

財団法人茨城勤労福祉事業団(鹿島ハイツ)
  1 現状  
    事業団は、鹿島勤労総合福祉センター「鹿島ハイツ」の運営を雇用・能力開発機構から委託されているが、同機構では、国の閣議決定に基づき、平成16年2月までに譲渡又は取壊しのための手続きを進め、平成17年度末までに勤労福祉施設を廃止することとしている。
このため、県では当該施設の鹿嶋市への移管又は廃止について方針を決定し、その方針を踏まえて事務手続きを進めることとし、現在、鹿嶋市と協議が行われている。
一方、鹿島ハイツの経営状況は、長引く不況によりレジャー関係をはじめとした個人消費支出が低迷し、施設の利用者数が伸び悩む中で、過去2年度は経営改善努力により若干の単年度黒字を計上しているものの、平成13年度末の累積赤字は1億6千万円余りに達している。
 
  2 意見  
    このような現状を踏まえ、事業団(鹿島ハイツ)の運営については、次のような対策を講じる必要がある。  
  (1) 鹿島ハイツは、鹿島開発に伴う勤労者のための福祉施設として昭和48年に営業を開始し、一定期間その役割を果たしてきた。しかし、現在では施設の内容・利用状況等からして県が積極的に運営に関わる必要性は薄く、その役割は果したと言わざるを得ない。今後の施設の利活用については、地元鹿嶋市の考え方に委ねることが相当と考える。
なお、県と鹿嶋市との協議の結果、その運営を継続するとした場合には、運営の主体を市に移管することが相当である。その場合に、運営組織については、事業団が継続するのではなく、鹿嶋市が関与する団体とすることが望ましいと考える。
なお、鹿嶋市がその運営を継続しない場合には、当該施設を廃止して事業団は解散すべきである。
 
  (2) 事業団の累積赤字及び簿外債務の処理、職員の処遇、平成21年度までの借地契約の扱いなど解決すべき課題については、鹿嶋市との協議の中で県及び鹿嶋市が応分の負担をすべきである。不平等な負担とならないように注意が必要である。  
  (3) 移管又は廃止までの間は、これまでと同様に徹底した経営努力を行い、累積赤字の縮減に努めることが必要である。
また、各事業年度に負担すべき費用は当該年度に計上し、期間損益を歪めてはならない。
 

 

茨城県土地開発公社
  1 現状  
    公有地の拡大の推進に関する法律に基づき、公共用地等の先行取得を主な業務として行っている。公社が先行取得した公共用地等については、県等が買戻し時点の簿価で買い戻すため、公社としては、損益は生じない仕組みとなっている。
しかしながら、公社が用地取得に当たって行う、地主に提供する代替地の取得については、公社が県の無利子貸付金や市中金融機関からの借入金により取得している。事前に取得した代替地を処分できずに長期間保有(14.2ha)しているが、これらの土地は時価で処分されるため、多額の含み損が発生すると予測されている。
 
    ※  現在は、用地取得の時点で地主の希望により代替地を取得している。
長期間保有の代替地については、平成11年度から処分を開始したが、これらの売却損により、平成13年度末における累積損失が9億4千万円となっている。今後も代替地の処分により累積損失の拡大が予想される。
なお、公社では、平成14年8月に(財)茨城県開発公社との間で「経営効率化検討委員会」を設置し、両公社の効率的な経営を実現するため、業務内容・業務量を精査するとともに、定員配置や業務の一体化等について検討(平成15年度当初を目途に結果報告)を行っている。
 
  2 意見  
    公社の行っている業務は、公益的な意味を持つとともに、公共事業の円滑な推進に有効であると認められるが、上記のような現状から、公社の経営健全化を進めるためには、「経営効率化検討委員会」の検討結果を踏まえ、業務量に見合った定員配置による経費の削減や(財)茨城県開発公社との連携強化を図るとともに、次のような対策を講じる必要がある。  
  (1) 代替地については、公社が自己責任において処分するものである。公社の事業は大半が県から派遣された職員と現職県職員の兼務により実施されていることもあり、塩漬け土地の発生及び解消ができないことに対する公社としての責任感に欠けていると言わざるを得ない。これは、当該塩漬け土地が公共用地等の先行取得に伴って取得したものであり、止むを得ないものであるとの認識によるものと思われる。
しかしながら、塩漬け土地の解消に伴う損失処理に当たっては、県が損失補償をしていることもあり、最終的には県の負担、すなわち、県民の負担となるものである。
現在のところは、代替地の取得に県の無利子貸付金が充当されている部分もありキャッシュ・フロー的には回っているように見えるが、これは厳しい財政状況にあっても県が資金を供給しているからであり、最終的には含み損の分だけの損失が残ることとなる。
したがって、これらの損失を圧縮するため、また、キャッシュ・フローを改善するためにも公社が現在保有しており、含み益を有するとされる常陸那珂地区土地区画整理事業に係る土地(45.8ha)について、売却以外の手法も含めた処分を早急に進めることが必要である。
 
  (2) つくばエクスプレスの開通は、沿線に代替地を保有する公社に大きな影響を与えるものである。近年の都心部におけるマンションの販売価格の下落傾向を見ると代替地の開通後の処分についても厳しいものが予想されている。同線開通に安易な期待を抱くことなく、代替地の処分を進めることが必要である。  
  (3) 公社については、平成14年11月に公表された「茨城県新行財政改革大綱(中間とりまとめ)」の出資団体改革において、「社会経済情勢、業務執行状況等を踏まえ、組織の大幅縮減、再編統合などを含めた組織形態の見直しについて検討します(平成17年度~)。」とされている。その場合においては、同様の課題を有し、土地開発事業を行っている(財)茨城県開発公社との統合による事業の一元化なども有効な方策と考えられるので、国に対し必要な制度改正を求めるなど、従来の固定的考え方から脱却し、抜本的な対策を検討すべきである。  

 

茨城県住宅供給公社
  1 現状  
    地方住宅供給公社法に基づき、低廉で良質な住宅の供給を主な業務として行っている。
かつては、国の持ち家政策により年間数百戸を販売した時期もあったが、バブル崩壊後の長引く景気低迷、地価下落による買い控え等により、住宅需要が減少し、民間事業者による住宅供給の質の向上とも相俟って、近年は、公社の分譲する住宅の販売戸数が激減している。
公社では、このような状況を打開するため、百合が丘ニュータウン、市毛団地など6団地において値下げ販売(売出戸数合計283戸)を行ったが、年間販売戸数は、平成12年度59戸、平成13年度37戸、平成14年度31戸(11月末現在)など目立った効果は上がっていない。
公社の会計処理の方法は、収支が均衡するようになっているため、決算書上は、赤字化計上されない仕組みとなっている。
しかしながら、現在公社が保有する20団地、約360haの土地には多額の含み損があると推定され、今後さらに拡大する懸念があることから、実質的には債務超過の状況にあるといえる。
一方、これらの土地の購入は、住宅金融公庫や市中金融機関からの多額の借入金により行っているため、現在のような販売状況が続く限り将来的に資金ショートのおそれがある。
なお、関連法人である(財)茨城県ニューライフ振興財団に管理委託しているケア付き高齢者住宅「サンテーヌ土浦」は、入居率が80%程度と低迷しており、毎期5千万円程度の赤字を計上している。 
 
  2 意見  
    このような現状を踏まえ、公社の経営健全化を進めるためには、現在の経営悪化に至った原因(内的及び外的)を十分に分析した上で、次のような対策を講じる必要がある。
また、経営者(常勤役員を含む)は組織目的を明確にするとともに、経営者としての具体的経営目標を定め、目標が達成できなかった場合の責任を明確にして経営に当たる必要がある。
 
  (1) 社は、住宅供給量の不足を前提として、広く勤労者を対象とした低廉で良質な住宅供給の役割を担ってきた。しかし、民間事業者による分譲住宅やマンション等の共同住宅の供給が充実してきている中で、公社による住宅供給がなければ量的な充足が達成できない状況ではなくなっており、現実問題としても公社の住宅分譲は進んでいない。
このような現状に鑑み、住宅供給公社の廃止や民営化の検討を行っている県もあり、また、国の地方住宅供給公社検討委員会においても公社が今後果たすべき役割や公社業務のあり方、自主的解散についての法改正等が検討されている。これらからも公社の役割や使命について、改めて検証し、その存続の必要性を検討し、方向性を出す時期にきている。
委員会としては、近年の分譲状況と多額の含み損の存在等を検討した結果、国の地方住宅供給公社法の改正を受けて、公社を解散することも視野に入れざるを得ないと考える。なお、同法の改正とそれを受けての処理を行うためには、ある程度の期間が必要となる見込みである。
したがって、今後の公社経営は、同法に基づく解散も視野に入れつつ、その間にいかに県の負担を軽減していくかに重点を置いて考えることが必要である。
 
  (2) 近年の分譲状況からすれば、公社の保有する約4,000戸分の土地は過剰であるといわざるを得ない。
したがって、現在分譲中の14団地、約1,000戸の在庫処分を最優先とするべきである。そして、西十三奉行団地や北条団地など未造成団地の造成、大規模団地である十万原団地の第2期・第3期の造成については、公社の将来の形態が明確になるまでの間は、原則として凍結すべきである。
また、現在造成中の十万原団地の第1期については、全社体制による営業強化はもちろん、造成工事に係るコスト削減を更に進め、公社の収支を少しでも改善させるよう最大限の努力をすべきである。これらの努力によっても改善が図られない場合は、第1期についても計画の縮小や一部凍結を検討せざるを得ないと考えられる。
 
  (3) 公社の財務状況をここまで悪化させた責任は、全社的に取ることが必要である。経営に対する危機感・責任感があれば販売に対する曜日・時間を問わない営業姿勢、人件費を含めた徹底した経費の削減、リストラの遂行等を自主的に実施することは当然である。県への依存心が強く、自律性が欠如しているといわざるを得ない。目に見える形で経営努力の成果、経営改善の結果を示すことが求められる。  
  (4) 公社として早急に実施すべき内容及び実施を慎重にする必要がある内容としては、次のようなものが考えられる。  
    近年の販売戸数の激減は、景気低迷や地価下落による買い控え等の影響もあるが公社自体の営業体制の不備も大きな原因となっていると考えられる。
このため、営業の専門家の役員や職員への登用、公社全体・営業部門・各職員の販売目標(ノルマ)の設定、成果給(報奨金制度)の導入、土・日・休日の交代制勤務の導入、戸別訪問の常時実施などの営業体制を強化するとともに、徹底したマーケティングを行い、公社一丸となって強力な営業を展開すること。
 
    従来から実施している民間事業者への一括分譲・大ロット分譲、公共施設等での利活用を図ること。なお、積立分譲については、その経済的効果は見込み客の確保と販売価格の利息相当額の引下げであり、より販売に即効性のある販売価格の値下げとの比較考量のもとで行うこと。  
    団地の利便施設誘致のために、分譲用地に対し定期借地権契約を締結することは、慎重に実施すべきであり、同様に住宅用地に対する定期借地権付分譲は行わないこと。  
    役職員へ公社の厳しい現状を浸透させ危機感を持たせるとともに、意識改革(売ってやる→買っていただく)が必要であり、併せて営業強化(ノウハウ取得)のための役職員に対する研修を積極的に実施すること。  
    造成コストの縮減や高金利資金(公庫)の低金利資金への借換えをさらに進めること。  
    早期退職制度の実効ある運用による職員の削減などにより、経費の節減を行うこと。  
  (5) 県土木部にあっては、平成14年12月に住宅供給公社あり方検討委員会を設置し、事業内容の精査(住宅分譲事業の撤退を含む)、組織形態の見直し、公共的役割の必要性・県営住宅管理業務の受託の是非等を検討し、アクションプログラムを含む経営改善計画を策定する(平成15年9月を目途に結果報告)予定であるとしている。
この検討過程においても、「公社を解散することも視野に入れざるを得ない」とする委員会の考え方は尊重されるべきものである。
 
       
  【関連法人の運営】  
  (1) (財)茨城県ニューライフ振興財団に管理を委託しているケア付き高齢者住宅「サンテーヌ土浦」は、90%の入居率で採算が取れる形となっている。しかし、介護保険制度が導入されたこともあり、入居率が80%程度と低迷しており、厳しい運営を余儀なくされている。
当面は、入居率の向上に努めるとともに(財)茨城県ニューライフ振興財団の経営改善を推進しつつ、同財団への委託費の見直しを実施すべきである。なお、ケア付高齢者住宅事業は、黒字化は困難なことから、入居者の要望に応え得る民間事業者等への譲渡についても具体的な検討を進めるべきである。
 
  (2) 直接の関連法人ではないものの、公社と同じく住宅課の所管である(財)茨城住宅管理協会についても、公社とセットにして将来のあるべき姿を検討すべきものと考える。  
       
         

 

終わりに
  委員会としては、意見を求められた「鹿島都市開発株式会社」、「株式会社ひたちなかテクノセンター」、「財団法人茨城勤労福祉事業団」、「茨城県土地開発公社」及び「茨城県住宅供給公社」の5団体について、経営評価結果や団体・県所管課からのヒアリング、現地調査等を通じ、経営改善策等についての意見をとりまとめた。
ここに述べた改善策等を実施するに当たっては、各団体が県に過度に依存することなく、自己責任と自助努力により経営の建て直しを行うことが必要である。また、団体の設立に主導的に関与してきた県においては、団体を通じて県民に提供するサービスの充実や質の向上を図る上からも、団体の自律性を尊重しつつ、適切な指導を行っていく必要がある。
したがって、団体及び団体を指導する県は、これらの改善策等に真剣に取り組み、経営改善が図られるよう最善の努力をされたい。
また、今回意見を求められた団体に限らず、県が団体に対して行っている常勤役員への現役県職員の派遣や県職員OBの就任斡旋など人的支援に当たっては、就任した役員が自信と責任を持って経営に当たることができるよう、本人の経験・意欲等を十分考慮の上、適任者の推薦になお一層の努力をされたい。
に、県が団体に対して行っている補助金等の交付や事業の委託などの財政的支援についても、団体の自律性などを考慮のうえ、支援の内容、規模等の見直しを行い、団体の設立目的に沿った的確なサービスが効率的に提供されるよう十分に配慮されたい。 
 

 

委員会委員名簿(敬称略)
株式会社ヤマオコーポレーション表取締役
又 
(委員長)
式会社日立ライフ表取締役社長
木内酒造合資会社締役

(副委員長)
認会計士
関  彰商事株式会社務取締役
株式会社不二商会表取締役会長
兪  城大学人文学部教授

 

意見聴取団体の概要
番号 団体名在地 代表者 設立 設立根拠法令
1 鹿島都市開発株式会社
鹿島郡神栖町大野原4-7-1
代表取締役
社長
 人見 實徳
鹿島セントラルビルの賃貸及び鹿島セントラルホテルの経営
県鹿島下水道事務所等の施設管理受託外
S44.7.7 商法第2編
第4章
2 株式会社ひたちなかテクノセンター
ひたちなか市新光町38
代表取締役
社長
 角田 芳夫
産業高度化のための研究支援及び研究開発室の賃貸外 H2.10.30 商法第2編
第4章
(旧・頭脳立地法第7条)
3 財団法人茨城勤労福祉事業団
水戸市笠原町978-6
 県庁労働政策課内
理事長
 滝本 徹
鹿島勤労総合福祉センター「鹿島ハイツ」の管理受託 S48.4.13 民法第34条
4 茨城県土地開発公社
水戸市笠原町978-25
 開発公社ビル
理事長
 人見 實徳
公共施設又は公用施設の用に供する土地の取得、造成、管理及び処分外 H2.4.19 公有地の拡大の推進に関する法律第10条
5 茨城県住宅供給公社
水戸市大町3-4-36
 大町ビル
理事長
 角田 芳夫
住宅の建設、賃貸管理及び分譲
宅地造成、賃貸・管理及び分譲外
S27.5.29
設立
S40.7.31
特殊法人
地方住宅供給公社法第8条

 

委員会活動経過
日時・場所
第1回 平成14年11月13日(水)
午後1時30分~
地方労働委員会事務局会議室
・意見聴取事案の依頼
・委員会スケジュールの協議
・対象団体の概況報告
・経営改善策等の協議
第2回 平成14年12月 3日(火)
午後1時~
総務部会議室
・対象団体及び所管課からのヒアリング
・経営改善策等の協議
第3回 平成14年12月18日(水)
午後1時~
現地及び水戸合同庁舎会議室
・現地調査
 百合ヶ丘ニュータウン及び十万原新都市
・委員会意見の協議

 

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総務部出資団体指導・行政監察室 

茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2229

FAX番号:029-301-2259

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