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更新日:2024年1月4日

令和6年年頭の知事訓示

令和6年1月4日

職員の皆さん、新年あけまして、おめでとうございます。

年末年始はゆっくりと休み、英気を養っていただけたでしょうか。

昨年は、観測史上最も暑い年と言われるなど、地球規模での異常気象に見舞われ、本県も度重なる記録的な豪雨により甚大な被害を受けました。

また、我々を長く苦しめた新型コロナウイルス感染症が5類へと移行し、社会経済活動が正常化しました。そうした中、イスラエル・パレスチナ情勢やグローバルサウスの台頭など、新たな分断と協調が進む世界情勢、驚異的な進歩を遂げる生成AIなど、科学技術の急速な社会実装、「地球沸騰化時代」の到来など、予想を超える新たな事象に次々と直面し、不可逆的に進行しております。

さらに、日本の名目GDPは今後ドイツを下回り4位に転落する見通しであり、また、50年前に200万人以上あった出生数は、2023年は70万人台前半となる見込みです。長引く物価高騰に加え、最も重要な課題である急激な人口減少への対応が急務であり、現在、私たちが立っているところは、将来振り返ってみれば、大きな時代の転換点だったと思うような、激動の時代の入り口であります。

そのような中、困難な課題にも積極的に挑戦してきた結果、戦略的な企業誘致により、本県は、県外企業の立地件数が6年連続全国第1位、2022年の首都圏から本県への本社機能の移転企業数も全国第1位となりました。また、積極的なトップセールスにより、農産物の輸出額は就任前の10倍に拡大しました。加えて、農林水産物の付加価値向上を目指し、メロンの「イバラキング」などのトップブランド化に取り組むとともに、新たなブランドとして、「霞ヶ浦キャビア」「常陸乃国いせ海老」「常陸牛 煌」「常陸国天然まがも」を相次いで発表し、大変好評を博しているところです。

さらに、最優先で医師確保すべき医療機関・診療科を選定し、地域の中核的な医療機関の機能強化を進めるとともに、いばらき出会いサポートセンターにおける結婚支援では、AIマッチングの導入から2年間で、交際件数が3倍に増加しました。さらには、スマホアプリなどの活用などにより、不法投棄の件数は2年前の6割減となるなど、着実に成果を上げております。

これらは、まさに職員の皆さん一人一人が新しいことにチャレンジし、掴み取った成果であり、ここに改めて感謝申し上げます。

今年は、まずは、現下の物価高騰に対応するため、医療機関、福祉施設、学校などへの光熱費などの支援を行ってまいります。加えて、企業の賃上げ支援や農林水産業などにおける生産性向上に向けた取組を加速することで、高収益体質への構造転換を図り、本県経済の成長を確実なものにしてまいります。

また、最大の課題である「人口減少」、この流れを止めるのは容易なものではありません。そしてこの人口減少時代において、茨城県が目指すのは、「人口減少に耐えうる県の構築」です。そのために、「一人当たりの生産性が高い社会」であることが重要です。

その生産性向上のために、戦略的な企業誘致や儲かる農業、適切な価格転嫁と賃上げが両立し、経済が好循環する環境づくり、教育改革やリスキリングなどの人財育成、民間活力を活かした、より効率的・効果的な資産運営、ダイバーシティをはじめとした人手不足時代における外部人材との連携を進めてまいります。また、国内市場が縮小するなか、海外マーケットを見据えて、輸出の促進や外国人材の活用、インバウンド誘客など、グローバル化の推進に取り組んでまいります。

そしてもう一つは、「安心して暮らせる社会基盤」があることです。これは、教育や医療、福祉などの社会生活の基盤となる環境がきちんと整備され、安心して移住する、あるいは暮らし続けていくことができることです。

人口減少の波を乗り越えるために、「より豊かに」、そして「安心して暮らせるインフラ」、この2点に重点をおいて、施策に取り組んで行く必要があります。

昨年は「茨城デスティネーションキャンペーン」を契機に茨城の魅力を多くの方々に知っていただくことができました。また、農林水産物のトップブランド化などにより、魅力的な食の素材が揃いつつあります。今年はそれらをさらに深化させ、魅力ある「食」を観光資源や地域振興の起爆剤にしてまいります。

職員の皆さんにおかれましては、これまでも機会があるごとに繰り返してお伝えしてきた3つの基本姿勢、「挑戦」「スピード感」「選択と集中」を県庁全体で共有し、これからもしっかりと成果につなげていただきたいと思います。

まずは、『失敗を恐れずに挑戦すること』。

「前例踏襲」や「横並び」、「事なかれ主義」、それに加え、「国などの他者が言っていることを鵜呑みにする姿勢」ではとても生き残れません。これまでの常識を疑い、発想を大きく転換して、自分の頭で考え、仮説を立てて、新しいことに挑戦していくことが必要です。

また、挑戦するにあたっては、「ゴールから逆算して結果にこだわる」ことが重要です。あるべき姿をゴールにして、その一見無理に見える高い目標の達成に向けて、今何をすべきか、ゴールから逆算して知恵を絞り出し、緻密に筋道を立てることで、それまで無理だと考えていたことが実現できるようになるのです。最優先の医師確保や茨城国体での天皇杯獲得は、そうした手法で達成しました。

次に、『スピード』です。

何度も言っておりますが、これまでのように年度単位で物事を考えるのはやめましょう。予算は、機動的に補正予算を編成します。完璧を求めるのではなく、スピードを重視し、走りながら考える。大事なのは、たくさん試して、たくさん失敗から学ぶことです。失敗することは決して悪いことではありません。失敗を恐れるあまり、何もしないことが最も有害です。新しい挑戦には失敗がつきものですが、そこから学びを得ることこそが、最も重要なことです。失敗から学ぶため、どんどんチャレンジしていきましょう。

3つ目は、『選択と集中』です。

広く薄く、全方位に取り組む、いわゆる八方美人になれば、周囲からの批判は出にくくなりますが、一方で、十分な時間や資源を全てに割くことはできません。成果を出すためには、優先順位の高いものにしっかりと集中し、優先順位の低いと考えたものは思い切ってやらない決断をすることがとても大事になります。そして、このやらない決断は、知事である私の仕事です。これは政治家として、私が責任を持つ部分になります。皆さんが心配する必要はまったくありません。皆さんは批判を恐れず、真に必要な事業はなにかをしっかりと自分の頭で考え、どんどん私に提案してください。

今年の干支は「辰」です。茨城県が「龍」の如く飛躍し、輝かしい未来を掴み取れるよう、引き続き、困難な課題にも躊躇することなく、私自ら変革の先頭に立ち、現状を打破し、未来を切り拓いてまいりますので、皆さん、ともに頑張ってまいりましょう。

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