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更新日:2026年6月2日
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令和8年第2回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
我が国の経済は緩やかな回復基調にあるものの、円安などに起因する物価高に加え、インフレや国の財政悪化懸念に伴う金利上昇など、県内の中小企業や県民生活に与える影響を注視しなければならない局面を迎えております。
また、海外では中東情勢が混迷を深めており、それに起因する原油価格の高騰のほか、原油関連製品の調達が一部困難化している例も見られるなど、県内産業への影響が懸念されております。
県では、こうした影響を速やかに把握するため、中東情勢に関する相談窓口や、国や県の支援策などの情報を掲載したポータルサイトを県ホームページに開設するとともに、県内事業者や団体へのヒアリングを5回にわたり実施してまいりました。
現時点では、直ちに経済活動や県民生活に支障が生じるような事態とはなっておりませんが、今後の見通しも不透明なことから、県民の不安や懸念が深まってきている状況であると認識しております。
県といたしましては、引き続き、国や関係機関と密接に連携しながら、県内経済への影響を的確に把握し、事態の変化に応じた必要な対策を、躊躇なくスピード感をもって講じてまいります。
次に、外国人との秩序ある共生社会の実現についてであります。
先日、2025年国勢調査の速報値が公表され、本県においては、前回調査から7万5千人以上が減少し、減少数・減少率とも最大となりました。更なる人口減少の加速化が明らかとなる中、深刻化する人手不足への対応として、優秀な外国人材の受入れは、喫緊の課題であります。私はこれまで、本県が優秀な外国人材に選ばれるため、人材の確保・育成から生活・教育環境の整備に至るまで、あらゆる施策を推進してまいりました。国際化の進展もあり、現在、本県には11万人を超える外国人の方々が暮らしており、日本人と
外国人が地域社会の一員として共に暮らし、支え合う「秩序ある共生社会」の実現が重要な課題となっております。
この実現のためには、日本の生活習慣・ルールについて理解を深めていただくことが大切であることから、本年度から新たに、啓発を行う巡回啓発員を2名配置し、外国人が利用する宗教施設や外国食材店などを訪問して、ごみ出しのルールなどを記載したチラシを配布する取組を始めたところです。
また、茨城県国際交流協会に多文化共生に知見を有する「地域共生推進員」を配置し、市町村や関係団体への助言や伴走支援を行うほか、外国人の生活上の困りごとなどに母語で対応する「IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター」を今後も計画的に増員してまいります。
その一方で、本県の不法就労者数は4年連続で全国最多であるとともに、2021年から2025年までの5年間における、犯罪に関与する外国人の摘発人数は、全国ではピーク時よりも4割減少する中、本県では45パーセント増加しており、不法就労が治安の悪化の温床となっているのではないかとの不安の声も寄せられております。
このような状況を踏まえ、昨年度、産業戦略部に「外国人適正雇用推進室」を設置するとともに、事業者や業界団体などによる自主的な「適正雇用推進宣言制度」を創設したほか、職員による事業者への巡回啓発・指導など、不法就労の防止に向けた取組を進めてまいりました。
本年度は、事業者への巡回啓発・指導を行う職員を増員したほか、不法就労者を雇用している事業者の情報収集を強化するため、通報報奨金制度を創設し、先月11日から運用を開始したところであり、引き続き県警察などへの情報提供を強化してまいります。
また、今定例会において、不法就労の防止に関し、県、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、県が推進する不法就労の防止に関する施策の基本となる事項などを定める条例案を提出いたしました。
これらの取組により、不法就労を許さない環境を整備することで、外国人材の適正雇用を推進するとともに、部局横断的な体制のもと、外国人に関する各種施策を総合的に調整し、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けた取組を進めてまいります。
次に、不適正ヤードへの対応についてであります。
再生資源物ヤードの規制につきましては、県民の安全と生活環境の保全を図るため、「茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」を令和6年4月から施行し、保管基準違反の事業者に対して改善指導を行ってまいりました。
しかしながら、プラスチックなどの再生資源物を不適正に屋外保管している事業場において、昨年11月に続き、本年4月にも大規模な火災が発生いたしました。
私は、度重なる火災により、県民の安全安心な生活環境が脅かされている事態を重く受け止め、早急な対応を図ることといたしました。
まず、県民生活環境部に「ヤード適正化対策チーム」を設置し、不適正な保管事例が多い県西・県南地域に再生資源物監視指導員を重点的に配置するなど、監視・指導体制を強化いたしました。
さらに、「再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」に基づき、指導に従わず、高積みなど保管基準違反を続ける50事業者・57事業場に対し、改善勧告を行ったところであり、改善されない事業者につきましては、速やかに公表を行うなど、これまで以上に迅速な対応を行っております。
今後、公表しても是正がなされない事業者に対しては、改善命令や許可取消などの行政
処分を行うとともに、刑事告発を含めた厳正な対応を行ってまいります。
次に、県北地域の振興についてであります。
県北振興は、私の3期目における最優先課題であり、その中心的な取組の一つとして位置づけている日立共創プロジェクトについては、脱炭素電源を核とした産業クラスターの形成を目指して、日立市、日立製作所及び県の三者が共同で申請した国のGX戦略地域制度において、去る4月24日に公表された1次審査の結果、有望地域に選定されたところであります。今後、事業計画の競争力や実現可能性などを精査され、本年夏頃に認定地域が公表される予定となっておりますので、引き続き三者で連携して取り組んでまいります。
また、本年度全線開通を予定している「常陸国ロングトレイル」については、2025年度の来訪者数が、前年度から1万8千人増の約12万3千人と順調に増加しているところであり、引き続き、国内最長の周回コースを活かした誘客促進を図ることで、更なる来訪者の確保に繋げてまいります。
加えて、日本一過酷なレースとして昨年度初開催した「OKUKUJI X」については、過酷さと面白さをブラッシュアップさせ、よりインパクトのある内容とした上で、本年10月17日と18日の2日間にかけて、第2回大会を開催することとし、その準備を進めているところです。舞台となる奥久慈里山ヒルクライムルート及び常陸国ロングトレイルはもとより、里山風景に代表される県北地域ならではの魅力を広く国内外へ発信し、認知度向上を図ってまいります。
次に、企業立地の推進についてであります。
私は、知事就任以来、戦略的な企業誘致に特に力を入れて取り組み、工業団地の分譲価格の見直しや全国トップレベルの補助制度の創設、産業用地の確保に向けた県施行の工業 団地開発などを果断に実行してまいりました。
その結果、経済産業省が実施している工場立地動向調査において、私の知事就任以降8年間における県外企業立地件数は累計303件にのぼり、全国2位の135件を大きく上回る全国1位となっているほか、工場立地面積は累計978ヘクタールで全国1位、工場立地件数も累計505件で全国2位となるなど、全国に誇る成果を上げております。
また、昨年の首都圏から本県への本社機能移転企業数は、民間会社の調査によりますと、大阪府に次ぐ全国2位の32社と、全国トップクラスの実績となりました。
引き続き、若者が望む魅力的な雇用の創出に向けて、高付加価値な成長産業の生産拠点・本社機能やグローバル企業のフラッグシップ拠点などを対象とした戦略的な企業誘致に取り組むとともに、「阿見実穀地区」において、本年度から県施行による新たな産業用地の開発を推進するなど、企業の立地ニーズに応じた産業用地の確保に取り組み、1社でも多くの優良企業の立地を実現してまいります。
次に、新産業廃棄物最終処分場の整備についてであります。
日立市内において整備を進めている新最終処分場の供用開始につきましては、敷地造成工事の進捗状況や新設道路の工事事故などの影響を踏まえますと、従来の目標であった2026年度末から1年半程度延期となる見通しとなっております。
また、本施設の整備や整備後の運営にあたっては、地元の皆様の理解と協力が不可欠でありますことから、先月22日に新最終処分場の整備及び管理に伴う環境保全などに係る基本的事項を明記した環境保全協定を県、茨城県環境保全事業団、日立市及び地元住民組織の4者で締結したところであり、県といたしましては、地元の方々に安心いただける公共処分場となるよう、安全性の確保を最優先に整備を進めてまいります。
次に、農産物等の輸出拡大についてであります。
2025年度の農産物輸出額は前年度の約1.5倍となる48億1千万円、水産加工食品を含めた加工食品輸出額は前年度の約1.2倍となる73億1千万円と、いずれも過去最高額を更新し、合計で120億円を超えました。
これまで、かんしょやコメ、常陸牛を主力として、アジアや北米を輸出拡大の主なターゲットと位置付け、私自らトップセールスを展開するとともに、現地関係者との継続的な関係構築を図ることにより、輸出先や販売ルートの拡大に戦略的に取り組んできた成果が着実に表れているものと認識しております。
今後、さらなる飛躍を遂げるためには、既存市場でのシェア拡大にとどまらず、新たな販路の開拓が不可欠でありますことから、本年度は新たに、米国西海岸の量販店での継続的な販売フェアを実施することとし、去る4月6日から7日にかけて、同量販店のバイヤーを招へいし、産地視察や商談会を実施するなど、賞味期限の短い商品や最低取扱数量の少ない県産品の輸出に向けたチャレンジを始めたところであります。
また、和牛がそれほど浸透していないカナダ市場において常陸牛の認知向上及び需要喚起を図るため、量販店や飲食店などにおける消費者向けイベントの強化や、インフルエンサーを活用した集中的なプロモーションを実施してまいります。
さらに、県内事業者の輸出へのチャレンジを後押しするため、シンガポールや米国における海外展示商談会において、新たに県単独でのブースを設置する予定であり、現地輸入事業者との商談機会をしっかりと確保することで、輸出の裾野を更に拡げてまいります。
次に、本県への観光需要の取り込みについてであります。
インバウンド誘客については、これまでに韓国や台湾を重点市場に位置付け、市場ニーズを踏まえた戦略的な誘客プロモーションを展開してまいりました。その結果、昨年の本県の外国人延べ宿泊者数は、速報値で296,210人泊となり、過去最高となりました。
また、本年のゴールデンウィークの期間中には、1日平均の入込客数がコロナ禍以降最多となる約25万人、総入込客数が約197万人と、多くの方々に県内各地の観光地にお越しいただきました。中でも、昨年開園した「THE BOTANICAL RESORT 林音」は、期間中に約2万人が訪れたほか、45棟ある客室が連日満室になるなど、大変な賑わいを見せたところです。
引き続き、観光イメージの形成・ブランディングを推進するため、本年度においても、国内のみならず海外でも人気のテレビアニメ「薬屋のひとりごと」とコラボレーションを実施し、四季を意識したデザイン・コンセプトのもと、昨年以上に話題となるような県内周遊施策や、地場産品コラボグッズの製作にもチャレンジするなど、茨城の魅力を更に発信してまいります。
今後も、本県観光の誘客促進とブランディングに取り組むことにより、持続可能な「魅力ある観光地域づくり」を強力に推進してまいります。
次に、花火文化の振興についてであります。
花火は、季節や伝統を重んじる日本人の精神性に深く根付いており、その中でも日本の打揚花火は、世界で最も精巧で華麗なものとして世界中から絶賛される、日本が誇るべき伝統工芸であります。
本県においても、国内最高峰の競技花火大会の一つとされる「土浦全国花火競技大会」をはじめ、県内各地で数多くの花火大会が開催されており、県民の皆様にも深く愛されているところであります。
私は、この世界に誇るべき花火文化が、本県の魅力向上やインバウンド誘客につながる有効な資源になり得ると考え、本年4月に副知事をトップとする「花火文化振興プロジェクトチーム」を設置し、関係部局連携のもと、花火文化の振興を強力に推進することとしたところであり、昨日の国への中央要望においても、日本の花火をユネスコ無形文化遺産に登録するための取組を推進していただくよう、文部科学省及び経済産業省に対し要望したところであります。
今後、県内の花火関係団体や関係市町村との協議会設置により、県内花火文化の振興を図るとともに、花火文化が盛んな全国の自治体や関係者とも連携し、花火文化の社会的な価値を高めるとともに、花火師の地位向上に取り組むことで、花火文化と技術の更なる発展に繋げてまいります。
次に、茨城空港の機能強化についてであります。
茨城空港については、2025年度の旅客数が、開港当初に想定していた81万人を初めて上回り、過去最多となる約83万人となりました。
国際線については、中東情勢に起因する原油高の影響などにより運休となる路線もあり、厳しい状況が続いておりますが、旅客数の約9割を占める国内線については、札幌便が昨日より、1日2往復から3往復へ増便するなど、堅調な需要に支えられ、路線の拡大につながっております。
こうした旺盛な航空需要の増加に対応し、旅客や航空会社の円滑な受け入れが可能となるよう、昨年7月に策定した「茨城空港将来ビジョン」に基づき、本年度、空港関係者で構成する「茨城空港ターミナルビル機能強化検討会」を設置し、去る4月30日に第1回目の検討会を開催いたしました。
今後、将来に向けた課題や論点を整理し、ターミナルビルの拡張など機能強化に向けた方針を策定してまいります。併せて、本年10月から空港の運用時間が拡大することにより、これまで以上に柔軟な航空機の受け入れが可能になることから、引き続き、積極的に定期便やチャーター便の誘致に取り組んでまいります。
次に、県立文化施設の魅力向上についてであります。
本県が設置・管理する文化施設は、文化・芸術の振興にとどまらず、地域の観光・集客を支える重要な拠点としての側面も有しており、その潜在的な価値を最大限に引き出すことが、本県の魅力向上に資するものと認識しております。
こうした認識のもと、私は、文化施設が持つ多様な可能性を十分に発揮させるためには、観光振興や地域振興を所管する知事部局との連携強化が不可欠であると考え、県近代美術館のほか3館の設置、管理などの権限を教育委員会から知事部局に移管するための条例案を、今定例会に提出いたしました。
知事部局への移管により、観光振興や地域振興を所管する部局との連携をより一層深めることで、これまで以上に効果的・戦略的な施設運営が可能となるものと考えております。
今後は、こうした体制のもと、文化振興のみならず、地域における観光・集客拠点としての県立文化施設の有効活用と魅力向上を積極的に推進するとともに、県民の皆様に広く親しまれ、本県の魅力を県内外に発信する施設となるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、条例その他8件、報告1件であります。
条例は、新たに制定するもの2件、改正するもの5件、合わせて7件であります。新たに制定するものとしては、先ほど申し上げました「茨城県外国人の不法就労活動の防止に関する条例」と「茨城県教育委員会の職務権限の特例に関する条例」であり、一部改正を行うものは、「職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案としては1件で、「法人に対する出資について」であり、報告は、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。