ここから本文です。

更新日:2015年3月1日

地震及び原発事故に伴う茨城県農産物の技術対策について(第1報)

公開日 2011年3月29日

このたびの東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原発事故により本県農産物に大きな被害や影響が及んでいます。これらの被害や影響を少しでも軽減できるよう技術対策をとりまとめましたので、今後の営農に活用ください。

なお、今後、情報の集積状況などに応じて順次更新してまいります。

水稲

地震災害対策

地域によって状況が異なりますので、水田への通水時期については、土地改良区と調整のうえ、浸種作業を行ってください。

(1)田植えの遅延対策について

既に浸種が始まっている場合、種子の保存や苗の劣化を防止する技術を組み合わせることにより、1ヶ月近く田植えを遅らせることができます。

  • ア 浸種の中断と保存方法
    次のいずれかの方法により播種時期を遅らせることができます。
    • 種籾をビニール袋などに入れて冷蔵保存するか(2週間程度有効)、又は氷水に浸したままで低温に保ちます(1週間程度有効)。
    • 種籾の入った網袋を広げて陰干しします(1週間程度有効)。
      なお、1日程度の浸種ならば乾かしても問題ありません(1ヶ月程度有効)。
  • イ 田植え作業を10日程度延期するための育苗管理
    5月上旬の田植えを10日程度遅らせると、育苗後期に葉が黄化してきますので、1箱当たり2.5~5gの硫安を追肥します。
  • ウ 移植時期と収量の関係について
    • あきたこまち
      4月下旬の田植えに比べ、5月中下旬の田植えでも5パーセント程度の減収に抑制できます。
    • コシヒカリ
      5月上旬の田植えと比べ、5月下旬で5パーセント程度の減収に抑制できますが、6月下旬でも密植にすれば15から20パーセント減収にとどまります。

(2)液状化等被害水田の対策について

  • ア 被害程度が小さい場合
    • 田面の高低差が10センチメートル未満なら、代かきによる均平作業で修正できます。
    • 液状化をおこした圃場では、噴砂を表土と混合します。整備後に土壌診断を行い、土壌改良資材や肥料を施用します。
  • イ 被害程度が大きい場合
    高低差が10センチメートル以上ある圃場では、レーザーレベラー等による再整備が必要になります。

(3)塩害軽減対策について

海水の流入した水田は、灌漑水で湛水と落水を数回繰り返し、塩類を洗い流します。さらに、代かきをしてから落水すると、除塩効果が高まります。

野菜

地震災害対策

  • (1)燃料不足への対応
    • やむをえず設定温度を下げる場合は、カーテンを午後早めに閉めるなど保温に努めてください。
    • 暖房機の設定温度を変える場合、変更は徐々に行い、作物のストレスを和らげてください。
  • (2)草勢の回復
    地震後、草勢は回復しつつありますが、果菜類ではこまめな収穫を行い、着果負担を軽減するとともに、必要に応じて液肥の葉面散布を行ってください。

原発事故対策

  • (1)共通事項
    • 植え付け時はなるべくマルチを利用し、野菜への土の付着を少なくします。
    • 出荷調製時には、野菜に付着した土やほこりを良く取り除き、可能な場合は洗浄してください。・さらに、葉菜類については、外葉をできるだけ取り除いてください。
  • (2)施設野菜
    換気は最小限にとどめてください。ただし、換気を少なくすると施設内の湿度が高まり、灰色かび病が発生しやすくなるので、湿度管理には注意してください。
  • (3)露地野菜
    • 粉じん等を避けるため、なるべくべたがけ資材を利用してください。
    • 収穫中は、収穫物をほ場に長時間放置せず、屋内の施設に取り込んでください。

出荷自粛を求められた作目(ホウレンソウ、カキナ、パセリ)の廃棄方法について

出荷自粛を求められている野菜の廃棄は、当面、次の方法により行ってください。

  • すきこみや焼却は行わないでください。
  • すでに刈り取ったものは1箇所に集めて保管してください。
  • まだ刈り取っていないものは、そのまま放置してください。

畜産

地震災害対策

  • (1)構築物の破損への対応
    畜舎の周囲や餌タンク、堆肥舎等の構造物について、傾斜や破損・亀裂、機能上の障害の有無を確認し、補修の必要な箇所がある場合は応急措置を行ってください。
  • (2)給与飼料等の切り替え上の注意
    配合飼料等の切り替えが必要な場合は、給餌飼料の急変が家畜へ悪影響を及ぼさないよう徐々に給与割合を変更するなど注意してください。

原発事故対策

  • (1)放牧
    放牧は、当面の間、行わないでください。
  • (2)飼養管理上の注意
    • 乾牧草(サイレージを含む)を給与する場合は、事故の発生前に刈り取り、保管されたもののみを使用してください。
    • また、事故の発生時以降も屋内で保管されたものを使用してください。
    • 屋外で保管されたものはラップ等の包材により外気と遮断されたものを使用してください。これらを使用する際は、包材の外装を念のため布でふきとったり、水洗いするなどしてから包材を開けてください。
    • 家畜の飲用水については、井戸水や水道水を利用するほか、貯水槽にふたをするなど降下する粉じんなどの混入を防止してください。

出荷自粛を求められた原乳(生乳)の廃棄方法について

  • 出荷自粛を求められている原乳(生乳)の廃棄は、当面、自己所有地に集中的に埋設してください。
  • なお、廃棄に窮する場合には、産廃施設での処分のほか、「急速乾乳法(一発乾乳法)」により乾乳を行うことを念頭に置いてご相談ください。

その他

  • 当面作付け予定のない農地は耕耘・整地などの作業を控えてください。
  • 生産、販売、廃棄に関する記録については、記帳しておくよう注意してください。

地震及び原発事故に伴う茨城県農産物の技術対策について(第1報)(PDF:190KB)

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページに関するお問い合わせ

農林水産部産地振興課管理

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3916

FAX番号:029-301-3939

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?