ホーム > 茨城を創る > 商工業 > 金融・経営支援 > 事例紹介:有限会社岩間東華堂

ここから本文です。

更新日:2021年3月29日

事例紹介:有限会社岩間東華堂

医薬品のゲートキーパー薬局として、

従業員の安全と地域の健康を守る。

 岩間東華堂_集合写真

岩間東華堂_ロゴ岩間東華堂

御社の事業内容について教えてください。

代表取締役間みち子

岩間東華堂_代表取締役岩間東華堂グループは、薬局、クリニック、及びリラクゼーション施設を経営しております。1683年に水戸徳川家御免の生薬屋「筑波屋」として開業し、光圀公の師であり壽昌山(じゅしょうざん)祇園寺の開祖である東皐心越(とうこうしんえつ)禅師より伝授された『北斗香めぐす利』の総本家として現在も製造販売しています。これからも地域の健康情報拠点として、また、医療提供施設として活動していく所存です。

 

今回BCP策定に取り組まれた理由を教えてください。

東日本大震災当時は、店舗に大きな破損はなかったものの、医薬品や商品等が散乱し、業務継続が難しい状態でした。水戸の中心市街地である泉町はライフラインの復旧が早かったため、発災後3日目には、業務を再開することができましたが、一貫した計画などはなく行き当たりばったりの対応となりました。

薬局は健康情報拠点として、また医療提供施設として医薬品や医療機器等を取り扱っています。災害医療を行う際には、病院や医師と連携し地域メディカルスタッフとして従事します。医薬品のゲートキーパーである薬局がしっかりと機能を果たさなければ地域の健康を守ることができません。

薬局の機能を保つにはどうすればいいかを考えていた時に様々な出会いがあり、発災年の10月に取締役が消防団に入団し、さらには、茨城県主催の「いばらき防災大学」を受講するに至りました。その時にBCPの存在を知り、薬局版BCPを作ろうと取締役から提案されました。

BCP策定の過程で、どのような検討をされたのかその経緯をお聞かせください。

今回のBCP策定は薬局を対象としました。薬局では、主に医薬品・医療機器等の相談販売、保険調剤や在宅訪問服薬支援、検体測定、及び健康増進のための指導・受診勧奨を行っています。
東日本大震災では、従業員の存在、特に薬剤師の存在は業務を行う上で必要不可欠であることを認識する事ができました。大地震の発生後は、街に負傷者があふれるため、保険調剤のニーズは、非常に高まります。如何にして薬剤師や補助者を確保するのか、社会インフラが停止した中でどうやって保険調剤を継続するかという観点から大地震を想定したBCPを策定しました。

従業員の薬剤師が出社できない場合に備え、資格のある退職者へ緊急時に応援いただくお願いをしておくことにしました。また、薬剤の保管方法も工夫し、ガラス瓶に入った液体の薬剤等を高所ではなく棚の低い所に置くようにしました。

保険調剤業務では、停電時は調剤用の自動分包機が使用できないため手作業での分包になります。そこで、従業員への手作業の指導を行うと共に、さらに、当薬局では薬学生への実習指導も行っていることもあり、薬学生が将来実務に就いて緊急事態に遭遇した時にも役立つよう、機械に頼らない手作業による分包指導を必ず実施するようにしました。

また、緊急時における近隣の医療機関や薬局との連携を検討・協議し、実際に態勢を構築しました。
お客様が持参した処方箋で指定された医薬品が無く、かつ、処方した医師にも連絡がつかないような場合の対応等について、近隣の医療機関と「医療の提供についての同意書」を交わしました。
さらに、薬剤が不足した場合に、近隣の薬局と相互に不足分を補う態勢を整えました。

苦労されたポイントや、新たな気づきはありましたか?

当初、通常業務の合間のBCP作成は薬剤師には、馴染みのない良くわからない事ばかりでしたが、逆の発想で、わからないから全部受け入れてやってみようと考えることにしました。

緊急避難ひとつを取ってみても、東日本大震災時は薬局長が不在であり、学生指導役や副薬局長が無我夢中で避難を指示したというのが現実でした。そこで、当時を思い出しながら、「より良い方法は何だったのか」という事を考えながらまとめていきました。

責任者不在の場合の代行者決め、緊急時にやるべき事の優先順位や実施の手順をまとめることができたので、これらを日頃から訓練しておけば、いざという時も落ち着いて行動できるのではないかと考えています。そのため、水戸市のシェイクアウト訓練に従業員だけでなく来店中のお客様も一緒に参加する等、実効性ある訓練の機会をできるだけ多く持つようにしています。

BCPを策定したご感想をお願いします。

コンサルタントの方の的確なご指導のおかげで一冊の文書にまとめ上げることが出来ました。出来上がった瞬間は満足感で満たされましたが、文書の内容を従業員間で共有し、さらにこれらが映像のように『見えて』来るまでにすべきとも思っています。

今後は、このBCPをマインドマップみたいなものに落とし込みを行い、『BCPの可視化』を図る事が必要ではないかと感じております。

<会社情報>

称号: 有限会社岩間東華堂
本社所在地: 茨城県水戸市泉町2-3-6
設立: 1950年4月(1683年創業)
資本金: 300万円
従業員数: 13名
代表者: 代表取締役間みち子
事業内容:

漢方相談・保険調剤・医薬品販売・クリニック

URL: https://www.hokutokou.com/

(2015年5月末日現在)

このページに関するお問い合わせ

産業戦略部中小企業課団体支援

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3554

FAX番号:029-301-3569

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?