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更新日:2021年3月29日
人の安全を第一に考えた対策で
有事にも物流事業を継続
代表取締役社長沼尻年正
当社は、倉庫業と運輸業が中心で、事業規模の割合では倉庫業が8割、運輸業が2割となっています。また、県内には18拠点の物流センターがあり、保管だけではなく流通加工も手掛けています。取り扱っている商品は、食品・生活用品・家財・建設機械・医療関係など多岐にわたり、生活者、事業者に密着した物流事業を行っています。
さらに、今後は文書管理事業にも力を入れて行きます。2014年11月には、つくば市内に倉庫機能とデータサービス(文書の電子化、および、クラウド管理による検索・閲覧)を併せて提供できる専用倉庫が完成する予定です。
東日本大震災の時には、マニュアルもなくどうして良いかわからない中で全従業員の安否確認や各拠点の被災状況確認などせざるを得ず、非常に苦労しました。
そのような状況の中でも、お客様からは、『倉庫に保管してある商品を出庫して運んでほしい』という要求があり、力技、人海戦術により何とか対応することができました。
それ以降、いかにお客様からお預かりしている大切な商品を守り、物流サービスを継続させるかについて対策を構築することが急務であると考えるようになりました。そこで、早速社内にBCP策定委員会を発足させましたが、BCP全体の策定をどのようにすれば良いか判らず、なかなか進まない状況でした。そのような折、本事業のことを知り、大きな期待を持って参加をさせていただきました。
当社の主要業務は、お客様からお預かりしている商品や重要書類をお客様依頼の発送先に発送準備を整えお届けすることです。着荷が指定日に間に合わなければ信用問題になってしまいます。有事に主要業務を継続するためには人員と電力が重要です。依頼を受けた商品をピッキング(検索・仕分け)するためには、パソコンとつながったハンディーターミナルが必要となり、また、商品を倉庫の2階から1階に降ろすためにリフトが必要です。更に、トラック運送に必要な燃料の調達方法も課題となりました。
これらの課題への対策として、トラック用の燃料を蓄えるインタンクを1拠点に設置しました。更に、停電時の電力確保のため、ディーゼル自家発電装置を1拠点に、太陽光発電装置を10拠点に設置しました。これらの設備は順次、設置する拠点を増やしていきます。
また、有事に拠点間の通信手段を確保するため、衛星電話も導入しました。さらに、飲料水確保のため、河川や浄化槽から取水して飲料水として利用できる飲料水生成装置を導入しました。この装置で約6,000人分の飲料水が確保できます。他にも、災害用マンホールトイレや、炊き出しに使用できる防災かまどベンチ等、被災時の生活に不可欠なものは一通り準備しました。
これらは、当社の従業員のためだけではなく、地域の方々にも利用していただけるようにと考えて導入しました。
![]() 太陽光発電用パネル |
![]() 炊き出し用、防災かまど実施訓練風景 |
社内の防災対策やBCP教育等を、各職場の担当者にお願いして実行してもらうにあたり、日常業務との関係でなかなか計画した日程通りに進みませんでした。とにかく熱心に協力をお願いするしかありませんでした。また、事務局担当者も業務都合で策定を一時中断せざるを得ず、途中1ヵ月程度のブランクが発生してしまいましたが、最終的には各職場の協力もあり、当初の予定どおり3ヵ月間で策定を完了することができました。
自力でBCP策定ができなかったところを、今回の茨城県事業で支援していただき策定できたことは非常に良かったと思っています。
現時点では、本社と他の1拠点の計画が策定できたところですが、今後、他の拠点に順次拡大していきます。また、2014年は5月に防災訓練を実施しましたが、有事を想定した演習を定期的に繰り返し実施することで、従業員一人ひとりの危機管理に対する意識を高めていきたいと考えています。
BCPの策定は会社経営として大変重要な課題であり、企業の社会的責任を果たすためにも必要不可欠な取り組みです。当社としましては、今後ともBCP策定委員会を継続させ改善していく所存です。
称号: | 沼尻産業株式会社 |
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本社所在地: | 茨城県つくば市榎戸783-12 |
設立: | 1964年6月 |
資本金: | 9,720万円 |
従業員数: | 200名 |
代表者: | 代表取締役社長沼尻年正 |
事業内容: | 倉庫事業、運輸事業 |
URL: | http://www.numajiri.co.jp/ |
(2014年8月末日現在)
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