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更新日:2025年11月28日

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令和7年第4回定例会(知事提案説明要旨)

令和7年第4回県議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。

新内閣への期待と経済対策への対応

高市新内閣が発足し、1か月余りが経ちました。

高市総理は、先月開会した臨時国会の所信表明演説において、「日本列島を強く豊かに、日本を再び世界の高みに押し上げていく」ため、強い決意をもって政策実現に取り組む方針を示されました。

高市総理には、激変する国際環境や加速する人口減少など課題が山積する中、地方の声にもしっかりと耳を傾けながら、「最優先で取り組む」とされた物価高への対応など、国民の期待に応えて日本を前進させていただくことを期待しているところであります。

そうした中、政府においては、「生活の安全保障・物価高への対応」、「危機管理投資・成長投資による『強い経済』の実現」、「防衛力と外交力の強化」の3つを柱とした、約21兆3,000億円規模の総合経済対策を今月21日に閣議決定しました。県といたしましては、今後、経済対策に伴う補正予算などの内容を見極めながら、適時適切に対応してまいります。

本県経済の着実な成長と新しい茨城づくり

次に、本県経済の着実な成長と新しい茨城づくりについてであります。

私は、知事就任以来、成長産業などへの戦略的な企業誘致をはじめ、本県の経済力を高める施策に特に力を入れてまいりました。

その結果、総務省が直近で公表している2019年の全国家計構造調査において、本県の勤労者世帯の可処分所得は全国第1位となったとともに、昨年、内閣府が公表した2021年度県民経済計算における本県の1人当たり県民所得は、過去最高の全国第3位に躍進しました。

今後とも、豊かで経済力のある社会をしっかりと構築することにより、安心安全につながる生活基盤を確保し、多様な人財が活躍できる、夢や希望にあふれる「新しい茨城」づくりに全力で取り組んでまいります。

こうした県政運営の基本方針となる新しい県総合計画につきましては、先月30日、県総合計画審議会に策定を諮問し、議論がスタートしたところであります。今後、審議会での意見や、県議会の「未来を拓く新たな茨城づくり調査特別委員会」での議論などを踏まえながら、策定を進めてまいります。

企業立地の推進

次に、企業立地の推進についてであります。

現在開発を進めている県施行の工業団地「フロンティアパーク坂東」におきましては、これまでに約19ヘクタール、2社の立地が決定し、先月16日から、第3次分譲の公募を実施いたしました。

引き続き、企業の立地ニーズに応じた産業用地の確保や整備に取り組むとともに、若者が望む魅力ある雇用の創出に向けて、高付加価値な成長産業の生産拠点・本社機能やグローバル企業のフラッグシップ拠点などの誘致に取り組むなど、1社でも多くの優良企業の立地を実現してまいります。

最低賃金引上げへの対応

次に、最低賃金引上げへの対応についてであります。

本県における本年度の最低賃金については、私自ら引上げの必要性について関係機関に対し粘り強く理解を求めてきた結果、昨年度を69円上回る過去最高の1,074円となり、先月12日に発効したところであります。

これに伴い、最低賃金引上げの影響を受ける中小企業などを支援するため、先の定例会において議決いただいた補正予算による「地域賃上げ加算支援事業」の申請受付を今月13日から開始いたしました。

県といたしましては、引き続き、適切な価格転嫁や生産性の更なる向上を後押しするとともに、関係機関への積極的な働きかけを継続し、去る6月に県・労働団体・経済団体の三者間で合意した「本県の経済実態に見合う全国9位相当額との乖離を5年から7年かけて解消する」という中長期的目標の達成を図ることにより、最低賃金の引上げに力を尽くしてまいります。

魅力ある観光地域づくり

次に、魅力ある観光地域づくりについてであります。

今月18日、日本政府観光局が公表した本年1月から10月までの訪日客数の推計は、前年同期比17.7パーセント増の約3,555万人となるとともに、観光庁が先月公表した本年1月から9月までの訪日客消費額においても、前年同期比18.6パーセント増の約6兆9,156億円と、ともに過去最高となっております。

こうした、インバウンドをはじめとした旺盛な観光需要を効果的に取り込むため、国営ひたち海浜公園のネモフィラ・コキア、いばらきフラワーパークのバラといった「花絶景」や、笠間焼や結城紬をはじめとした「伝統文化体験」など、本県ならではの観光コンテンツを磨き上げ、「珠玉の企画」として旅行商品を造成し、国内外に広く販売を行っております。

また、去る8月1日からは、国内のみならず、台湾や韓国など海外でも人気の高いテレビアニメ「薬屋のひとりごと」と、都道府県としては全国初となるコラボレーションを開始し、アニメの世界観を活かした特設観光サイトやプロモーション動画を公開したほか、先月25日から県内の観光地を周遊するスタンプラリーを実施するとともに、今月16日からJR山手線の1編成を丸ごとジャックしたアド・トレインを運行するなど、本県観光イメージの形成及びブランディングの推進に取り組んでいるところです。

さらに、茨城港においては、日本船籍のクルーズ船として27年ぶりに新造され、去る7月に就航した「飛鳥3」が今月5日に初寄港するなど、本年度は国内外のクルーズ船がすでに計11回寄港して過去最多を更新する見込みとなっております。

こうしたクルーズ船の寄港回数の増加を好機と捉え、クルーズ船の誘致を一層推進してまいります。

県といたしましては、引き続き、国内外からの誘客と観光消費の拡大に徹底して取り組み、魅力ある観光地域づくりを加速してまいります。

県北地域の振興

次に、県北地域の振興についてであります。

先月18日と19日の2日間、サイクルルート「奥久慈里山ヒルクライムルート」と、トレイルコース「常陸国ロングトレイル」を組み合わせた、奥久慈を舞台とする国内唯一無二のサバイバルレース「Okukuji「X」」を開催いたしました。当日はサイクリングに131名、トレイルランニングに77名の方が参加され、うち県外からの参加者が約70名と、多くの方々にお越しいただき大いに盛り上がったところです。

来年度以降も、企画を磨き上げつつレースを継続的に開催することにより、本県が誇るアウトドア資源である両コースの認知度向上を図るとともに、県北地域をはじめとする本県の魅力を広く国内外へ発信してまいります。

また、今月22日から来年1月31日にかけて、JR水郡線沿線市町と連携して、子供から大人まで幅広い層に人気のアニメ「忍たま乱太郎」とコラボレートした周遊イベントを実施するとともに、来月1日からは、水郡線においてキャラクター仕様の特別ラッピング列車の運行を予定しております。

県といたしましては、引き続き、県北地域の豊かな資源を活用して更なる誘客の促進に努め、県北地域の活性化に力を入れてまいります。

 

「食」の魅力による観光創出

次に、「食」の魅力による観光創出についてであります。

先月4日と5日の2日間、都内の駒沢オリンピック公園において「茨城をたべよう収穫祭」を開催いたしました。

会場では、県内外の有名シェフによる本イベント限定グルメや、「シン・いばらきメシ総選挙2024」の受賞グルメなど、本県自慢のグルメを集結させたほか、クラフトビールバーや新鮮な県産野菜のマルシェなどの催しを実施し、延べ約5万8千人もの方々にご来場いただき、本県の「食」の魅力を大いに発信したところであります。

また、「シン・いばらきメシ総選挙2024」によるご当地グルメの創出については、第3位を受賞した常陸太田市の「けんちんまん」について、県と株式会社ファミリーマートとの「地域活性化包括連携協定」に基づく商品化が実現し、先月14日から、東日本地域約7,000店舗で販売され、早々に完売する店舗も出るなど、好評を博したところであります。また、グランプリを受賞した五霞町の「シン・茨城あげそば」については、先月25日から今月30日までの間、県内の道の駅9駅にご協力いただき、各駅の工夫を凝らしたアレンジメニューを提供する「シン・茨城あげそばフェア」を開催するなど、企業や観光施設とのコラボレーションを積極的に進めることで、多くの方に味わっていただく機会を創出してまいりました。

 一方、日立市が「HITACHIブランドあんかけ飯」の準グランプリ受賞を契機として、旬の食材を使用したあんかけ料理を市のご当地グルメとして位置付け、その提供店舗を拡大する取組を進めていることや、鹿嶋市が「シン・かしまし豚丼」をふるさと納税の返礼品として採用しているように、総選挙を契機として、地域振興につながる独自の取組も各地域で生まれてきております。

県といたしましては、こうした県内の盛り上がりを加速させるとともに、更なるご当地グルメの創出による地域振興を図るため、来年10月10日から12日までの3日間、「シン・いばらきメシ総選挙2026」を開催することに決定いたしました。

今後、市町村とともに開催準備を進め、機運の醸成を図るとともに、引き続き、本県が誇る「食」の魅力と価値を引き出すことにより、本県への新たな誘客促進につなげてまいります。

農産物のブランド化の推進

次に、農産物のブランド化の推進についてであります。

本県ブランド豚肉の「常陸の輝き」について、話題性のある取組によりブランド価値をPRするため、去る9月、誰もが親しみやすい「とんかつ」をテーマとして、「あぐー」や「かごしま黒豚」など全国6つの有名ブランド豚肉が味を競い合う、「とんかつベス豚グランプリ」を初めて開催いたしました。

一般の消費者約300名と専門家により行われた審査の結果、「常陸の輝き」は第2位となる金賞を受賞し、在京テレビ局をはじめ数多くのメディアに、その肉質の高さや美味しさについて取り上げていただくことができました。さらに、先月29日からは、グランプリでの金賞受賞記念として、県外の多くの方にも味わっていただくため、都内約10店舗において「常陸の輝きとんかつフェア」を開催するなど、更なる認知向上に努めているところであります。

また、県産米のブランド化については、中山間地域などにおいて、少量でも食味の優れた米や有機米の生産に取り組む農業者を後押しするため、今月21日、「いばらき米の極み頂上コンテスト」を開催し、県内102点の応募の中から、一般米のトップであるローズドール賞、有機米のトップであるビオ・ローズドール賞を選出いたしました。

これらの受賞米については、今後、首都圏などでの販路拡大を進めるとともに、消費者への積極的なPRを通じて美味しさを広く発信し、高価格での販売を実現してまいります。

今後とも引き続き、「儲かる農業」の実現を目指し、本県農産物のブランド化に全力で取り組んでまいります。

茨城県植物園のリニューアル

次に、茨城県植物園のリニューアルについてであります。

茨城県植物園については、いよいよ明日29日に、日本初の泊まれる体験型植物園「ザ ボタニカルリゾート 林音」として、リニューアルオープンいたします。

県内外から多くのお客様にお越しいただける魅力ある施設とするため、民間企業のアイデアを活用し、従来の植物園にはなかった「泊まる」「食べる」「遊ぶ」などの体験の要素を加え、園内の木々と調和したコテージやグランピング施設での宿泊、茨城の旬の食材を活かしたレストランや日帰りバーベキューのほか、自然の中で楽しめるツリーアドベンチャーなど、様々なアクティビティを用意いたしました。

オープン前にも関わらず、全国放送のテレビ番組をはじめ多くのメディアに取り上げられるなど、リニューアルオープンに対して各方面から大きな期待をいただいており、今後、体験王国いばらきを象徴する新たな観光拠点として、滞在時間の延長や更なる広域周遊などにつなげることにより、地域振興にも寄与する施設となるよう取り組んでまいります。

サツマイモ基腐病への対応

次に、サツマイモ基腐病への対応についてであります。

今月5日、ひたちなか市において、2022年以来3年ぶりにサツマイモ基腐病の発生が確認されました。

私は、この事態をかんしょの大産地である本県にとって大きな脅威であると考え、発生ほ場を中心とした周辺一帯の農地の土壌消毒に速やかに着手いたしました。

土壌消毒と並行し、周辺農地の調査を進める中で、更に5件の発生が確認され計6件に拡大したことから、本病の徹底的なまん延防止のため、今月18日、ひたちなか市を対象として県独自の緊急事態宣言を発出し、生産者や周辺一帯の農地所有者などに対し土壌消毒への協力や、疑わしい症状が確認された際の速やかな通報を呼び掛けてまいりました。

昨日、対象地域の全てのかんしょほ場において消毒作業が完了したことから、緊急事態宣言についても、同日をもって解除したところですが、他県において、基腐病が拡大したことで、かんしょ産地に甚大な被害が生じた例もあることから、引き続き県内での発生予防とまん延防止に向け、かんしょ生産者への防除対策の指導を徹底し、本県のかんしょ産地の維持・発展に全力で取り組んでまいります。

海外との経済・人的交流の促進

次に、海外との経済・人的交流の促進についてであります。

県では、台湾や韓国をインバウンド誘客の重点市場と位置付け、私自らトップセールスを行うなど戦略的な誘客を行ってまいりました。

その結果、昨年の外国人延べ宿泊者数は、台湾、韓国ともに過去最多となったほか、本県の空の玄関口である茨城空港においては、韓国の航空会社エアロKにより、去る5月から韓国・清州への定期便が就航したことに加え、去る8月からの国際線の乗り入れ制限の撤廃も功を奏し、今月12日からはソウルへの定期便が就航いたしました。

私は、これらを韓国との交流や誘客の拡大の好機と捉え、ソウル路線の初便にて韓国を訪問し、トップセールスを行ってまいりました。

現地では、韓国メディアなどに対し、本県の充実したゴルフ環境や食の魅力などの観光コンテンツについてプレゼンテーションを行うとともに、清州との交流拡大のため、忠清北道の金榮煥知事や李範錫清州市長、清州市観光協議会と会談を行い、相互交流を拡大していく方針で合意いたしました。

一方、先月19日と20日の2日間にわたり、日立市において、日中の民間友好交流プラットフォームである「第18回日中友好交流会議」が、「地方都市間の新しい交流」をメインテーマとして開催され、私も出席してまいりました。本年4月に陝西省と「友好県省関係の発展に関する覚書」を締結した本県にとっても、中国との新たな協力や交流の可能性を拓く機会となり、今後の交流拡大につながるものと期待しております。

県といたしましては、引き続き、茨城空港への路線誘致や増便に取り組み、更なるインバウンド誘客を図るとともに、海外との経済・人的交流の一層の拡大を図ってまいります。

外国人材に選ばれる秩序ある共生社会づくり

次に、外国人材に選ばれる秩序ある共生社会づくりについてであります。

本県が国際的な人材獲得競争に打ち勝つためには、優秀な外国人材が安心して生活できる環境や、能力を十分に発揮し安心して働くことができる環境の整備充実を図っていくことが必要であると考えております。

そのため「IBARAKIネイティブコミュニケーションサポーター」を大幅に増員して87名体制とするなど、外国人による生活上の困りごと相談などに母語で対応する体制の強化に努めているところです。

また、日本語指導を必要とする児童生徒が多く在籍している県内8市町の小中学校47校に、日本語支援員を53人配置するとともに、日本語支援員が配置されていない学校の児童生徒に対しては、筑波大学と連携し、県内全域でオンラインによる日本語指導を受けられる機会を提供するなど、外国人児童生徒の教育環境の充実に力を入れているところです。

さらに、外国人材を単なる労働力として扱うのではなく、優秀な人材を積極的に経営に参画させるなど、企業の意識改革を促すため、本年度から「外国人受入優良企業等認定制度」を創設いたしました。本制度により認定された優良事例を県内全体へと広げていくことにより、地域と共生しながら、企業の更なる成長に貢献する優秀な外国人の受入れ・定着を促進してまいります。

一方、外国人材の活用を進めるにあたっては、不法就労など、ルールを守らない者に対し、厳格に対応することも重要であると考えております。

そのため県では、業界やサプライチェーン全体での適正雇用を促進するため、本年4月に、事業者や業界団体などによる自主的な「外国人材適正雇用推進宣言制度」を創設し、これまでに約1,400件の申出をいただいたところです。また、県内各地で巡回パトロールを実施するとともに、県警察本部や東京出入国在留管理局などと連携した啓発キャンペーンを精力的に実施しております。

さらに、例えば農業分野では、農家を直接訪問して不法就労の防止に係る啓発・指導を行うとともに、不法就労やその助長など違法と疑われる事態を把握した場合には、取締権限を持つ機関に迅速に情報を提供するなど、適正雇用の促進に繋げているところです。

県といたしましては、多くの優秀な外国人材から選ばれ、将来にわたり経済力ある豊かな社会を構築できるよう、外国人材が地域社会に溶け込み、共に支えあう秩序ある共生社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。

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いばらき出会いサポートセンター

次に、いばらき出会いサポートセンターについてであります。

いばらき出会いサポートセンターにおいては、発足以来の成婚数が、本年度3,000組を達成したことから、明日29日に水戸市内において記念式典を開催いたします。

引き続き、AIマッチングを活用した結婚支援を推進するとともに、他県との連携やSNSによるPR強化、女性の入会登録料無料キャンペーンの実施などにより、センターの会員数増加を図り、結婚を望む方々により多くの出会いの機会を創出するなど、未婚化・晩婚化対策にしっかりと取り組んでまいります。


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提出議案等

次に、提出議案等についてご説明申し上げます。

今回の提出議案は、予算の補正に関するもの5件、条例その他35件、報告2件であります。

まず、予算の補正についてでありますが、公の施設の管理運営に関する債務負担行為の設定であり、一般会計で1件、特別会計で1件、企業会計で3件であります。

条例は、「茨城県知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」など、改正するもの2件であります。

条例以外の議案としては33件で、「指定管理者の指定について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。

以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。

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