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更新日:2026年9月1日
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提案説明に先立ちまして、一言申し上げます。
本年7月の令和8年熊本地震に続き、先月には千葉県や富山・石川両県及び福井県で記録的な大雨による豪雨災害が相次いで発生いたしました。これらの災害により亡くなられた方々の御冥福を謹んでお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。被災地が一日も早く復興し、被災された皆様が平穏な生活を取り戻されることを心から願っております。
それでは、令和8年第3回定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明と報告を申し上げます。
はじめに、物価高への対応についてであります。
本年5月に総務省が公表した、年平均消費者物価指数は、4年連続で前年を上回っており、とりわけ食料品やエネルギー価格の高止まりが県民生活や事業活動に大きな影響を及ぼしております。
中東情勢の混迷に加え、円安基調の為替相場が続くことが見込まれるなど、物価を取り巻く環境は依然として厳しく、物価高による影響は長期化することが懸念されます。
このような中、安定した県民生活や地域経済を維持していくためには、県民や事業者が置かれている状況を的確に捉え、必要な対策をスピード感を持って講じていく必要があります。
このため、今定例会においては、中小企業を対象とした資金繰り支援や適切な価格転嫁の促進のほか、介護事業所の事業継続への支援に要する経費などについて、補正予算案に計上したところであります。
引き続き、社会情勢の変化や物価高による県内事業者などへの影響を注視し、必要な対策を迅速かつ的確に講じてまいります。
次に、フィジカルAI産業の創出についてであります。
AI技術は今、デジタル空間を飛び出し、現実世界でロボットや機械などを実際に動かす「フィジカルAI」へと大きな進化を遂げており、今後の市場規模も飛躍的に伸びるものと予測されています。
私は、フィジカルAIは製造業のみならず、建設、農業、医療・介護など幅広い分野において、人手不足の解消や生産性の向上に大きく貢献する可能性を有し、今後の地域経済や社会を支える重要な技術になるものと考えております。
本県には、つくば、日立、ひたちなかエリアを中心として、先端技術を有する大手企業、ベンチャー企業、大学・研究機関などが集積しており、フィジカルAIの産業化を進めるうえで、国内屈指のポテンシャルを有していることから、この技術を今後の本県産業が成長するための起爆剤とするべく、去る7月3日に、産学官金といった県内外の幅広いプレイヤーを集めた「いばらきフィジカルAI産業創出コンソーシアム」を設立いたしました。
また、コンソーシアムを中心とした県内企業によるビジネス創出に向けた取組を加速化させるため、最先端技術を学ぶセミナーや新たなビジネスに向けた大手企業との意見交換会の開催、新しいビジネスに挑戦したい企業のニーズとシーズのマッチングのほか、ビジネス創出に向けた研究開発や実証への支援などに要する経費を今定例会の補正予算案に計上いたしました。
今後、会員同士が技術面や資金面での連携を深め、新たな化学反応を次々と生み出し、継続的なビジネス創出につながるような力強いエコシステムの構築に、全力で挑戦してまいります。
次に、最低賃金引上げへの対応についてであります。
本県における最低賃金については、昨年、県の働きかけにより、県・労働団体・経済団体の三者間で「本県の経済実態に見合う全国9位相当額との乖離を5年から7年かけて解消する」という中長期的な目標に合意するとともに、私自ら茨城地方最低賃金審議会において意見陳述を行うなど、引上げの必要性について粘り強く理解を求めたことにより、国の引上げ目安額に対し6円上乗せとなり、初年度の目標は概ね達成されたところであります。
本年度も引き続き、関係者に対して引上げの重要性を働きかけてきた結果、先月24日に公表された本県の最低賃金額は過去最高の1,136円となりました。引上げ額は、国の目安額に6円上乗せした62円となっており、昨年度に引き続き目標が達成されたことは一定の評価ができるものと認識しております。
県といたしましては、最低賃金引上げの確実な実施が図られるよう、中小企業などに対し、賃上げ実施への支援を行うとともに、生産性向上のための設備投資への支援を行うこととしており、本日から交付申請の受付を開始したところであります。
今後とも、三者間合意に基づくこの流れを持続的なものとしていくため、私が先頭に立ち、経済団体をはじめとする関係機関へ働きかけていくとともに、賃上げに取り組む中小企業などを支援することにより、経済の好循環につなげてまいります。
次に、県産品の輸出拡大・インバウンド需要の取り込みについてであります。
人口減少に伴い、国内市場の規模が縮小する中、本県が持続的に発展していくためには、海外の需要獲得が不可欠であることから、これまでも県産品の輸出拡大や観光誘客に戦略的に取り組んできたところであります。
去る7月5日から10日にかけては、更なる有望なマーケットの獲得を目指し、私自らスペインとフランスを訪問し、本県産の農産物や酒類、加工食品などの販路開拓及びインバウンド需要の取り込みに向けたトップセールスを行ってまいりました。
スペイン・マドリード及びバルセロナ、そしてフランス・パリにおける日系輸入商社や日本食レストランなどとの商談においては、コメや常陸牛などの農産物に加え、酒類や冷凍焼き芋などの加工食品を幅広く提案し、コメ及び酒類については、すでに新規での成約が実現したところであります。
また、商談を行う中で、他にも好評をいただいた県産品があったことから、成約に向けたフォローアップを実施するほか、今回提出した補正予算案に、欧州における日本食品 ECサイトとの連携による、新たな販促活動に要する経費を計上いたしました。
加えて、観光面においても、フランスの現地メディアや旅行会社に対し、常陸国ロングトレイルやサイクリングなどの自然体験型のコンテンツをはじめとした本県の観光や伝統文化などの魅力をPRしたところ、現地旅行会社からは「クライアントに茨城県を勧めたい」との高い評価をいただいたところであります。
県といたしましては、引き続き、市場ニーズを踏まえた戦略的な営業活動や、現地の事業者と連携した販促活動に全力で取り組むことで、県産品の輸出拡大やインバウンド需要の取り込みにつなげてまいります。
次に、企業立地の推進についてであります。
私は、これまで、戦略的な企業誘致に特に力を入れて取り組んできたところであり、その成果は本年6月に公表された2025年工場立地動向調査においても表れております。
県外企業立地件数は知事就任以来9年連続となる全国1位になったほか、9年間の累計でも県外企業立地件数、工場立地面積は1位、工場立地件数は2位となるなど、全国に誇る成果を上げております。
また、本年6月には、茨城中央工業団地2期地区において、蓄電池分野で世界有数の企業であるGSユアサによる定置用蓄電池システムの生産拠点の立地が決定いたしました。
本県が成長産業の誘致を進める中、国において特定重要物資に位置付けられている蓄電池の大規模な生産拠点が本県に整備されることは、本県のみならず我が国のエネルギー安定供給や経済安全保障の強化にも大きく寄与するものと期待しております。
引き続き、若者が望む魅力的な雇用の創出に向けて、付加価値の高い成長産業の生産拠点のほか、本社機能やグローバル企業のフラッグシップ拠点などを対象とした戦略的な企業誘致に取り組むとともに、「阿見実穀地区」における新たな産業用地の開発を推進するなど、企業の立地ニーズに応じた産業用地の確保にも取り組み、1社でも多くの優良企業の立地を実現してまいります。
次に、県北地域の振興についてであります。
来月17日、18日の2日間にかけ、県北地域を舞台に熱い戦いが繰り広げられる国内唯一無二のサバイバルレース「Okukuji X」を開催いたします。第2回となる今回は、初開催であった昨年よりも更に過酷さを追求した「熟達者向けコース」に加え、参加者の裾野を広げるため、距離を短くした「入門者向けコース」を新設いたしました。
本大会の開催により、里山風景に代表される県北地域ならではの魅力を国内外へ広く発信し、奥久慈地域の更なる認知度向上を図ってまいります。
また、常陸国ロングトレイルについては、これまで7年にわたり整備を進めてまいりましたが、今月19日にいよいよ全線約350キロメートルが開通いたします。今後、全線開通を記念したイベントや各種プロモーションを強化し、国内最長の周回コースを活かした更なる誘客促進を図ってまいります。
さらに、来月には、常陸太田市のかなさ笑楽校に忍者修行体験ができる拠点「常陸国忍者学校」を開設するほか、大子町を中心に、国内最大手の事業者が主催するコスプレイベント「アコスタ!」を開催するなど、県北地域における新たな観光コンテンツの創出を図り、交流人口の拡大につなげてまいります。
次に、シン・いばらきメシ総選挙2026についてであります。
来月10日から12日の3日間、三の丸庁舎において、本県を代表する新たなご当地グルメの頂点を決定する「シン・いばらきメシ総選挙2026」を開催いたします。
大変大きな反響をいただいた前回に続き、2回目となる今回も県内全市町村から地域の特色を活かした選りすぐりの82のグルメがエントリーされました。先月25日からは、公式WEBサイトと公式Xにおいて事前投票の受付が始まり、今後、総選挙会場での投票と審査員による審査を経て、最終日にグランプリを決定いたします。
グランプリをはじめとした受賞グルメについては、地域定着化に向け、県内外への積極的なプロモーションを展開するとともに、商品化や販路拡大などの取組に対しても支援していくことで、「食」を通じた地域振興を図ってまいります。
次に、納豆日本一奪還プロジェクトについてであります。
本県は、全国有数の納豆生産地であり、「納豆といえば茨城」というイメージが広く定着しているとともに、県民の食生活にも深く根差していることから、納豆はいわば茨城県民のソウルフードであります。
しかしながら、全国納豆鑑評会では、県内事業者が毎年入賞してはいるものの、最高位の最優秀賞の獲得は、2008年以来遠ざかっております。
また、総務省の家計調査における納豆支出金額においても、調査対象である水戸市の順位は2016年を最後に、1位を逃し続けております。
納豆は、医学的にもその健康効果が実証されている優れた食品であり、私は、茨城の納豆に深い愛着と誇りを持っております。
このため、本県の納豆について、名実ともに「日本一」を実現することで、その高い品質と技術力、そして高い健康効果を全国に示していきたいと考え、先月25日に「納豆日本一奪還プロジェクト」をスタートいたしました。
プロジェクトにおいては、「品質日本一」「消費量日本一」「健康長寿日本一」を三本柱に、納豆製造事業者にも参加いただいたうえで研究会を立ち上げ、鑑評会での最優秀賞の奪還を目指すとともに、水戸市や企業・団体などとも消費拡大に取り組んでまいります。
これとあわせて、これまでに高血圧対策として野菜摂取を中心に取組を進めてきた「いばベジスタイル」についても、納豆の高血圧予防や骨を強くする効果にも注目し、「いばベジプラス納豆スタイル」にアップデートして取組を強化してまいります。
加えて、今定例会において、納豆の消費拡大などに必要な経費を補正予算案に計上したところであり、本プロジェクトの推進により、本県の誇る納豆食文化の一層の振興、県民の健康増進を図ってまいります。
次に、災害・危機に強い県づくりについてであります。
去る7月28日に発生した令和8年熊本地震においては、道路などのインフラをはじめ住宅や企業の生産拠点に甚大な被害が生じるとともに、水道・電力の供給途絶や暑さ対策、避難所における生活の質の確保の難しさについても、連日報道がなされました。
また、先月相次いで発生した、令和8年8月千葉豪雨や富山・石川両県及び福井県での豪雨災害においても、住宅や車両の浸水被害が多数生じました。
国からの要請に応じ、本県からも熊本地震の復旧活動などの支援のため、職員を派遣したところですが、私は、今回の地震や豪雨災害を通じ、県内の防災・減災対策についても、平常時から着実に取り組み、災害への備えを一層強化していくことの重要性を改めて強く認識いたしました。
県民の命と暮らしを守り抜き、いかなる災害にも屈しない強靱な県土の整備や、災害発生時の危機管理・避難体制を構築することは、県政における最重要かつ最優先の使命であります。
本県ではこれまで、災害に対する公共インフラの防災機能の拡充維持のため、防災拠点となる県有庁舎施設について改築や耐震化を進めてきたところであり、耐震化率100パーセントを達成しているところであります。
また、河川の堤防や砂防施設の整備のほか、震災時における救急・救命活動や緊急物資の輸送ルート確保のための道路整備に加え、上下水道施設の耐震化・老朽化対策についても、計画的な整備を推進しております。
さらに、住宅の防災・減災対策として、市町村と連携して耐震化を促進するほか、本年度からは、地震により発生する住宅火災を防止するため、感震ブレーカーの設置を進めております。
一方、災害発生時においては、全ての県民が適時適切な避難行動をとることが何より重要であることから、日ごろからの災害への備えとして、県民の「マイ・タイムライン」の作成や、県内全市町村における、住民が参加した実践型の避難力強化訓練の実施を促進するほか、市町村による個別避難計画の早期作成を支援し、避難行動要支援者への避難支援の取組みを推進していくなど、避難力強化に引き続き取り組んでまいります。
加えて、避難所生活の質を確保するため、災害時に避難所となる公立小中学校体育館への空調設備の設置も促進しているところであります。
県といたしましては、激甚化・頻発化する自然災害の発生時においても、県民の命と暮らしを守るため、今後も先手先手の対策を講じ、災害・危機に強い県づくりを進めてまいります。
次に、不適正ヤードへの対応についてであります。
プラスチックなどの再生資源物を不適正に屋外保管する事業場において、度重なる火災が発生したことを踏まえ、監視・指導体制の強化を図るとともに、指導に従わない事業者に対しては、「再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」に基づき厳正な対応を行ってきたところであります。
本年3月末には、保管基準違反の事業場は84か所ありましたが、粘り強い改善指導や、条例に基づく勧告、事業者名の公表などを行ってきた結果、6割を超える51か所の保管状況が改善されました。
一方、事業者名を公表しても期限までに改善が見られていない事業場に対しては、基準に適合するよう措置命令を発出し、現在、9か所において改善作業を進めさせているところであります。その他の公表中の事業者についても順次命令を発出し、履行期限までに改善されない場合には、事業の許可取消しを行うとともに、刑事告発を含めた厳正な対応を行い、県民の安心安全の確保を図ってまいります。
次に、新県立病院の整備についてであります。
人口減少・超高齢社会の更なる進展を見据えた医療提供体制の構築は喫緊の課題であります。
特に、県北など周辺地域からも多くの患者を受け入れる重要な地域である水戸保健医療圏については、昨年2月に医療圏内の6つの病院を2つの拠点病院を中心とした病院群に再編する方針を打ち出すとともに、県立中央病院と県立こども病院を統合し、高度医療を提供する拠点病院として新たに整備するための検討を進めてまいりました。
昨年9月以降、県内医療関係者などで構成する新県立病院整備検討委員会を計3回開催し、本年7月には、新県立病院整備の基本方針、担うべき機能や役割、病床規模などを定めた基本構想を取りまとめたところであります。
今後は、この基本構想をもとに、がん・小児・周産期医療を柱とした新県立病院の整備に向けた基本計画の検討を進めるとともに、県立以外の他の4病院についても、役割分担や機能の具体化に向けた協議を進め、地域住民が必要な医療を変わらず受けられるよう、医療提供体制の構築に全力で取り組んでまいります。
次に、茨城空港の利用促進についてであります。
茨城空港については、来月25日から空港運用時間が拡大されることに伴い、スカイマークの冬ダイヤにおいて、神戸便が1日3往復から4往復に増便されるとともに、6月中旬から1往復となっていた福岡便も2往復に戻ることで、国内定期路線としては1日当たりで過去最多となる、4路線10往復の運航となります。
また、国際線においては、中東情勢の影響により本年4月から先月まで運休となっていた清州路線が、本日より運航再開となったことに加え、来月には、茨城と釜山を結ぶチャーター便が計4往復運航される予定となっております。
これまでも、私自らトップセールスを行うなど、利用促進に積極的に取り組んできた結果、旅客数が2年連続で過去最高を更新したところであり、引き続き、新たな定期便・チャーター便の路線誘致や利用促進に精力的に取り組むことで、航空需要の更なる取り込みと交流人口の拡大につなげてまいります。
次に、提出議案等についてご説明申し上げます。
今回の提出議案は、予算の補正に関するもの3件、条例その他14件、報告1件であります。
まず、一般会計の補正予算についてであります。
今回の補正予算につきましては、先ほど申し上げた中小事業者への資金繰り支援などに加え、教育環境の充実のための高等学校教育改革先導拠点の整備に要する経費など、政策課題に早急に対応するために必要な事業について予算措置を講じることといたしました。
この結果、今回の一般会計補正予算の総額は、114億67百万円となり、補正後の一般会計予算総額は、1兆3,722億24百万円となります。
次に歳出の主なものについて申し上げます。
・中小企業信用保証料助成 4億92百万円
・水産加工業緊急支援関連事業 2億97百万円
・介護事業所等生産性向上推進事業 4億34百万円
・高等学校教育改革促進基金積立金 61億98百万円
・国補公共事業の追加 31億 7百万円
などであります。
財源といたしましては、国庫支出金や県債などを活用するとともに、所要の一般財源 3億3百万円につきましては、令和7年度からの繰越金を充当することといたしました。
また、繰越明許費の額は一般会計ほか2会計で、327億30百万円となっており、債務負担行為の補正は、一般会計ほか1会計で12件であります。
条例は、新たに制定するもの1件、改正するもの4件、合わせて5件であります。新たに制定するものとしては、「児童福祉法に基づき一時保護委託者の登録等に関する基準を定める条例」であり、一部改正を行うものは、「児童福祉法に基づき児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部を改正する条例」などであります。
条例以外の議案としては9件で、「工事請負契約の締結について」などであり、報告は、専決処分の報告であります。
以上で、提出議案等の説明を終わりますが、なお詳細につきましては、議案書などによりご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げます。