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ギャンブル等依存症とは、その人の人生に大きな損害が生じるにも関わらず、ギャンブルを続けたいという衝動が抑えられない病態をいいます。勝ちを追い求めて、最後には掛け金をたいてい失ってしまいますが、そのような行為を人に隠したり、貯金を使い果たしてしまったりします。借金が膨らんで、盗みや詐欺行為に手を染めてしまうこともあります。そして、最終的には生活が破綻して、深刻な事態に至ります。
結果、人間関係のトラブル、破産を含む金銭問題、法律問題や違法行為をはたらいたことによる懲役、仕事能率の低下や失業、健康問題、希死念慮や自殺などの深刻な問題に至ることがあります。
ギャンブル等依存症のメカニズムについて
ギャンブルをなかなか止められない、しばらく止めていても久しぶりにすると止められなくなる。これには、脳内のいわゆる報酬系などの機能異常が原因と考えられています。
脳内には、「脳内報酬系」と呼ばれる部位があります。我々が感じる、気持ちよさ、ワクワク感、多幸感などは、この部位が働いて生まれます。ギャンブルも、やり始めの頃に大儲けした時など、この部位が強く反応して、ドーパミンという快楽物質が大量に作られ、放出されます。
しかし、ギャンブルをやり続けて依存状態になるにつれて、この部位は快楽に鈍感になり、ギャンブルの勝ちにもだんだん反応しなくなります。こうなると、ギャンブルだけでなく、おいしい食事、お酒など本来は楽しいはずのものも、楽しいと感じられなくなっていきます。
一方、依存状態になると、自分がしているギャンブルを連想させる何か (例えば、パチンコの台) を見たり、聞いたりすると、その時だけ脳の一部が強く反応し、「ギャンブルをしたい」という強い欲求に襲われます。この欲求を満たすためにギャンブルをしても、ドーパミンが放出されないために、この欲求は充分に満たされません。その結果、益々ギャンブルがエスカレートしていくわけです。
ギャンブル等依存症になりやすい人
「年齢、性別」
幼少期や青年期のギャンブル体験は、ギャンブル等依存症のリスクを高めます。ギャンブル等依存症は、若い人や中高年によくみられますが、ときに高齢者にもみられます。性別では、男性に多い傾向があります。
「性格傾向」
ギャンブル依存は性格が原因ではありません。しかし、衝動性の高い人は、高くない人よりギャンブル依存になりやすいと考えられています。
「環境要因」
ギャンブルを始めた初期に大勝ちした経験がある、ギャンブルにアクセスしやすいなどの環境はギャンブル依存のリスクを高めると考えられます。
※文章は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターの
ホームページ(ギャンブル等依存症)より引用しております。