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更新日:2022年8月17日

試験研究課題およびこれまでの成果

試験研究課題名一覧

 

 

試験課題および成果

乳用牛におけるグルタチオンを活用した肝機能改善による繁殖成績向上技術のための試験研究

期間・区分

平成24~28年度,国補

背景・目的

乳用牛における肝機能と卵巣機能との関連性について,そのメカニズムを解明するとともに,実験動物の分野で肝機能改善効果が示唆されているグルタチオン(GSH)を給与し,分娩前後の肝機能改善による繁殖成績向上技術について検討を行う。

方法

当センターで飼養する乳用牛延べ40頭を供試し,肝機能と卵巣機能との関連性について調査した。また,5月から11月分娩の乳用牛4頭を供試し,分娩前4週から分娩後12週まで継続的にグルタチオン含有酵母を1頭1日あたりGSHにして15g経口給与し,対照群(4頭)との比較を行った。

成果・評価

分娩後40日以降に発情回帰した”遅延群”は,40日以内に発情回帰した”早期群”に比べて肝機能の指標となる血中T-Cho値が低く,GGT値が高い傾向にあったことから,分娩後の卵巣機能の低下と肝機能の低下とが関連する可能性が示唆された。

また,グルタチオンを給与したところ,末梢血濃度の上昇には反映されなかったものの,”給与群”では肝機能に関する一部指標が改善するとともに,発情回帰までの日数が6日程度早まり,血中IGF-1濃度が高めに推移したことから,グルタチオン含有酵母の給与が肝機能及び卵巣機能の改善に繋がる可能性が示唆された。

飼料用籾米を中心とした国産飼料資源の利活用試験

期間・区分

平成27年度~30年度,県単

背景・目的

飼料用籾米を中心に,生豆腐粕等の地域飼料資源について,栄養特性を考慮しつつ,安価な飼料化およびその保存技術の確立を図るとともに,家畜への給与方法を確立する。

方法

飼料用籾米(80%)と豆腐粕サイレージ(20%)を混合し,ソフトグレインサイレージ(SGS)を調製した。

SGSを乳用育成牛に給与する配合飼料に30%添加し,発育(増体率)・糞性状・濃厚飼料採食量・粗飼料採食量を調査した。

成果・評価

試験区が対照区に比べ有意に10週目の粗飼料採食量が多くなっていた。

その他の項目に有意差は見られなかった。

高能力乳用牛の効率的な飼養管理技術の開発

期間・区分

平成27年度~,県単

背景・目的

産乳と繁殖性が両立した高能力牛の総合的な飼養管理技術を確立するために,国産自給飼料の利用法,暑熱・酸化ストレスを低減させる周産期の飼養法を確立する。

方法

畜産センターで飼養する40頭の搾乳牛を対象に体重,BCS及び乳成分等を測定するとともに,乳房炎検査を実施した。また,場内で生産された自給飼料(トウモロコシサイレージ)の成分分析を行い,その結果を基に泌乳ステージや気候等を勘案したうえで飼料設計を行った。

成果・評価

年間の生産(販売)乳量は287,183kg,1頭1日あたり平均乳量は23.2kgであった。7月から9月は1頭1日あたり23.3kgであったことから,暑熱による影響を抑えることができた。また,年間の平均体細胞数は144千/mlであり,乳価減算の対象となる400千/mlを大きく下回った。平成28年度に調製したトウモロコシサイレージの品質はTDN68%,pH3.8と良好であった。 

納豆菌培養液給与による乳用子牛の発育試験

期間・区分

平成28年度,委託

背景・目的

消化吸収力の改善及び整腸作用等様々な効果が期待できる納豆菌培養液廃液を用いて乳用子牛への給与試験を実施し,それらの効果について検討を行う。

方法

生後1日から出荷あるいは離乳までの乳用子牛に納豆菌培養液廃液を給与する。試験区は代用乳添加区と直接給与区の2区を設置し,発育(増体率)・糞性状・糞中細菌数・人工乳摂取量を調査した。

成果・評価

糞中細菌数では,pH・大腸菌・枯草菌に有意差はみられなかったが,乳酸菌数の3週目において,対照区より代用乳添加区が多い傾向にあった。しかし4週目以降の対照区にて乳酸菌数の増加がみられたことから,2区間での差が継続しない結果となった。

糞性状では,3週目,4週目において対照区より代用乳添加区の方が普通便になりやすい傾向にあった。代用乳添加区の方が早い段階で普通便となっていた。 

飼料作物品種選定試験・高能力飼料作物品種選定調査

期間・区分

昭和58年~,県単
平成23年~,受託

背景・目的

イタリアンライグラスおよび飼料用トウモロコシについて,本県の気候・風土に適合した優良品種を選定し,県奨励品種決定の基礎資料とすることにより,本県の自給粗飼料の生産性向上を図る。

方法

【イタリアンライグラス】

両試験合わせて極早生~早生の14品種について生産力検定を行った。前年度の10月14日に播種し,施肥等は県耕種基準を準用した。

【飼料用トウモロコシ】

両試験合わせてRM(相対熟度)110~125の19品種について,生産力検定を行った。5月上旬に播種した。施肥等は,県耕種基準を準用し,収量調査は黄熟期に行った。

成果・評価

【イタリアンライグラス】

1番草,2番草の乾物収量の合計は極早生ではワセフドウおよびあかつきが,早生品種でははたあおば,LN-IR01がそれぞれ多収傾向にあった。

【飼料用トウモロコシ】

乾物収量の全品種平均は1,567.8kg/10aだった。極早生品種のうちP1690が,中生品種のうちゆめそだちが他品種に比べ多収であった。


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農林水産部畜産センター飼養技術研究室

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