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ページ番号:54148
更新日:2025年7月3日
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食品添加物とは、食品の製造、加工、保存の目的で食品に使われる物質のことで、分類としては、指定添加物・既存添加物・天然香料・一般飲食物添加物に分けられます。食品添加物は、安全性・有効性確保のためポジティブリスト方式*がとられており、安全性・有効性が確認されたものだけが使用を認められています。
*ポジティブリスト方式とは、「原則として全てを禁止するが、認可するものだけを一覧表にする方式」です。その反対に、「原則として全てを認可するが、禁止するものだけを一覧表にする方式」をネガティブリスト方式といいます。
【分類】
指定添加物 |
厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定したもの |
既存添加物 |
長年使用の実績があるものとして厚生労働大臣が認めたもので引き続き使用可のもの |
天然香料 |
動植物から得られる天然の物質で香をつけることを目的とし,使用量が微量で,健康被害がないとして使用が認められているもの |
一般飲食物添加物 |
一般に食品として飲食に供されるもので添加物として使用されるもの |
食品添加物には保存料、防かび剤、殺菌料、酸化防止剤、発色剤、色調調整剤、着色料、甘味料、漂白剤、調味料、酸味料などがあります。
【代表的な食品添加物】
ソルビン酸 |
保存料。チーズや食肉製品、漬物に使用が認められています。 |
キシリトール |
甘味料。ガムや清涼飲料水に使用されています。 |
次亜塩素酸ナトリウム |
殺菌料。カット野菜の殺菌に使われます。 |
アスコルビン酸 (ビタミンC) |
酸化防止剤。清涼飲料水の酸化防止に使われます。 |
亜硝酸ナトリウム |
発色剤。食肉製品、魚肉製品の発色に使われます。ボツリヌス菌の増殖を抑制する作用もあります。 |
食品添加物は有用性や安全性が確認されているものですが、それらが適正に使用され、基準が守られていることが重要です。
当所では、県内に流通する食品の安全・安心を確保するため、毎年計画的に数種類の食品添加物の試験検査を行っています。
当所で行っている食品添加物の試験検査の一つとして、ワインや乾燥果実等に酸化防止剤や漂白剤等として使用される「二酸化硫黄及び亜硫酸塩類」の分析方法等を紹介します。
「二酸化硫黄及び亜硫酸塩類」として測定する化合物は次の9種類です。
測定する化合物 |
分子式 |
二酸化硫黄(無水亜硫酸) |
SO2 |
亜硫酸水素カリウム |
KHSO3 |
亜硫酸水素ナトリウム |
NaHSO3 |
亜硫酸ナトリウム(結晶)(亜硫酸ソーダ) |
Na2SO3・7H2O |
亜硫酸ナトリウム(無水)(亜硫酸ソーダ) |
Na2SO3 |
次亜硫酸ナトリウム(ハイドロサルファイト) |
Na2S2O4 |
ピロ亜硫酸カリウム(メタ重亜硫酸カリウム) |
K2S2O5 |
ピロ亜硫酸ナトリウム(メタ重亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ソーダ) |
Na2S2O5 |
亜硫酸水素アンモニウム水 | NH4HSO3 |
食品中に含まれている食品添加物を測るためには、いろいろな方法がありますが、当所では、二酸化硫黄及び亜硫酸塩類には、まずアルカリ滴定法を用います。亜硫酸塩類は酸や熱で分解して二酸化硫黄として定量します。
Na2S2O5→Na2SO3+SO2
Na2SO3+2H+→2Na++H2O+SO2
アルカリ滴定法は、次の写真のように通気蒸留装置を組立てて分析します。
県内に流通する輸入食品の安全を確保するため、「二酸化硫黄及び亜硫酸塩類」の検査では、ワイン(果実酒)のほか、乾燥果実、かんぴょう、煮豆(甘納豆)等を検査しています。