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更新日:2018年2月1日

茨城県人権施策推進基本計画 第1 基本計画策定にあたって

1 計画策定の背景
(1) 人権を取り巻く国内外の取組状況
ア 国際的な取組
 昭和20年(1945年)10月に成立した国際連合(国連)では、平和を実現するためには世界的な人権保障が必要であるという第二次世界大戦の反省から、昭和23年(1948年)12月10日、第3回総会で「全ての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」と規定した「世界人権宣言」を採択し、人権の国際的基準を示した。
 その後、国連は「あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約」をはじめ「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」、「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」及び「児童の権利に関する条約」などの人権に関する様々な条約を採択している。
 また、国連では加盟国が特定の事項について集中的に活動を行うことを促進させる目的で、種々の「国際デー」、「国際の10年」などを設定しており、昭和25年(1950年)には世界人権宣言が採択された12月10日を「人権デー」と定め、世界人権宣言の精神を具体化し発展させる取組を行っている。
 さらに、平成6年(1994年)の第49回総会において、平成7年(1995年)から平成16年(2004年)までの10年間を「人権教育のための国連10年」と決議し、人権という普遍的文化の構築を目指し、各国に国内行動計画の策定などによる積極的な取組の推進を求めている。
イ 国内の取組
 国内においても、人権の擁護に関する施策の推進について、国の責務を明らかにするとともに、必要な体制を整備し、もって人権の擁護に資することを目的として平成9年(1997年)3月に「人権擁護施策推進法」が施行され、同年7月には「『人権教育のための国連10年』に関する国内行動計画」が公表された。この国内行動計画は、憲法の定める基本的人権の尊重の原則及び国連行動計画などの趣旨に基づき人権という普遍的文化を築き上げることを目的に、あらゆる場を通じた訓練・研修、広報、情報提供の積極的な推進を目標としている。また、人権の重要課題として、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、刑を終えて出所した人などに対する人権課題を設定し、それぞれの固有の問題点についてのアプローチとともに、法の下の平等、個人の尊重という普遍的な視点からのアプローチにも留意するとしている。
 平成12年(2000年)12月には、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が施行され、国に対しては、人権教育及び人権啓発に関する基本的な計画の策定が義務付けられ、地方公共団体には、人権教育・啓発に関する施策を策定・実施することが責務とされた。
 さらに、この法律に基づき、平成14年(2002年)3月には、「人権教育・人権啓発に関する基本計画」を策定し、人権が共存する人権尊重社会の早期実現に向け、人権教育・啓発を総合的かつ計画的に推進することとしている。
 このほか、人権侵害の被害者救済のあり方などについて検討していた人権擁護推進審議会から提出された「人権救済制度のあり方」についての提言を実現するため、人権救済機関である人権委員会の設立に向けての取組を行っている。

(2) 本県の取組状況
 茨城県では、茨城県長期総合計画において「愛されるいばらきの創造―新しいゆたかさ かがやく未来―」を基本理念として明日のいばらきづくりを推進しているが、この計画において目指している「誰もが健やかに暮らせるやすらぎに満ちた社会」を実現するため、県民の人権意識の高揚に努めているほか、個別計画等により各種の施策を推進してきた。
 また、個別分野における人権課題に対しては、同和問題の早期解決に向けた取組をはじめとして、近年では、男女共同参画社会の早急な実現を目指すための「茨城県男女共同参画推進条例」の施行や条例の基本理念を具現化するための「茨城県男女共同参画基本計画」の策定、年々、増加・深刻化していく児童虐待に対する「茨城県児童虐待対策基本方針」の策定、また、「いばらき高齢者プラン21」や「障害者プラン」の策定による保健・福祉サービスの充実やハンセン病に対する偏見や差別をなくすための講演会の開催など、人権尊重の理念に基づいた施策を実施してきた。
 さらに、平成12年度には「人権施策推進の基本的考え方」を策定し、県職員一人ひとりが人権尊重の視点に立った行政を推進するための方向性を示したところである。
 しかし、私たちの身のまわりには、配偶者等に対する暴力(ドメスティック・バイオレンス)や子どもに対する虐待などの人権問題が依然として存在しており、国際化、情報化、高齢化等に伴い、人権問題も複雑・多様化しており、インターネットによる人権侵害などの新たな問題も発生している。
 平成12年度に茨城県が実施した人権・同和問題に関する県民の意識調査結果によると、「虐待いじめ問題」、「男女雇用機会均等法」、「障害者問題」、「基本的人権」などの人権問題を「よく知っている」、「少しは知っている」と回答した県民が60%を超えるなど人権意識も高まりつつあるが、「茨城県民の人権意識は十分高まっている」の回答率を見ると「どちらでもない」が29.7%で最も高く、ついで、「あまりそう思わない」が24%となっている。
 茨城県長期総合計画の基本施策である「誰もが健やかに暮らせるやすらぎに満ちた社会」の実現のためには、行政のあらゆる分野において総合的に人権に関する施策を推進することが求められている。

2 計画の基本理念 

  この計画における基本理念は、「誰もが健やかに暮らせるやすらぎに満ちた社会」を実現することである。
 この基本理念のためには、県民一人ひとりの人権が尊重されるとともに、互いの人権を尊重し合うことが肝要である。人権とは、「人が人らしく生きていくために社会によって認められている権利」であり、誰もが生まれながらにして持っている、誰からも侵されることのない基本的権利である。日本国憲法の第11条では、侵すことのできない永久の権利として基本的人権が保障され、また、第13条では個人の尊重並びに幸福追求権が、第14条では平等の原則がうたわれている。
 一人ひとりの個性や生き方はみな違い、それぞれに多様性を持っている。それぞれが人間としての尊厳をもったかけがえのない存在であることを認識し、自分の人権のみならず他人の人権についても十分配慮し、その権利の行使に伴う責任を自覚しつつ共生することができるよう、その発達段階に応じて家庭や地域、その他様々な場を通じて人権意識が醸成されることが不可欠である。
 そのため、この計画に基づき人権施策を総合的に推進する。

3 計画の性格 

 この計画は、国における「『人権教育のための国連10年』に関する国内行動計画」や「人権教育・人権啓発に関する基本計画」などの、人権が共存する人権尊重社会に向けた取組を踏まえ、茨城県が行政として施策を行う際の基礎となる人権尊重の考え方に基づき、今後の取組をより一層推進するための指針となるものであり、茨城県長期総合計画やそれに基づく各プロジェクト等を人権の視点から補完する性格を持っている。
 また、人権啓発・教育、分野別の人権課題についての現状・課題を明らかにすることにより、県民一人ひとりが人権問題が身近な問題であり、自分自身が権利の主体者であることを理解し、日常生活の中で特に意識しなくても、お互いの人権を尊重できるよう自己啓発を促す役割も併せ持ったものとしている。

このページに関するお問い合わせ

福祉部福祉政策課人権施策推進室

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3135

FAX番号:029-301-6200

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