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更新日:2018年2月1日

茨城県人権施策推進基本計画・第3・分野別施策の推進

2子ども

(1)国、県の動向

子どもの人権の尊重とその心身にわたる福祉の保障及び増進などに関しては、昭和22年(1947年)に「児童福祉法」、「教育基本法」、昭和26年(1951年)には「児童憲章」が制定され、その理念に沿って児童の健全育成が積極的に進められており、また、平成元年(1989年)に国際連合で採択された「児童の権利に関する条約」においては、子どもは特別な保護を受ける存在であるとともに、自ら権利を行使する主体者としても位置付けられている。さらに、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成11年)」、「児童虐待の防止等に関する法律(平成12年)」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(平成15年)」の制定など、個別立法による対応も進められている。

本県としては、児童憲章の理念を受ける「茨城県青少年のための環境整備条例」を昭和37年(1962年)に制定、昭和38年(1963年)には「教育基本計画」を策定し、児童・青少年の健全育成に努めてきた。
また、増加・深刻化する児童虐待問題に対しては、「児童虐待対策基本方針」及び「児童虐待早期発見行動指針」に基づき、迅速かつ効果的な対応を図るため、関係機関等との連携や地域に密着したネットワークを強化するとともに、24時間対応の「いばらき虐待ホットライン」を活用し、早期発見に努めることとしており、さらに、相談・支援体制の拡充、虐待するおそれのある保護者等に対するカウンセリングの実施により、虐待の未然防止や再発防止を図ることとしている。

(2)現状と主な施策推進上の課題

いじめ

いじめの発生件数は、平成14年度においては、全国では22,205件、本県では816件となっている。平成13年度と比較して全国では2,832件の減少、本県においても、130件減少しており、ともに減少傾向にあるものの、依然として多く発生している状況である。また、その態様は、「冷やかし・からかい」や「言葉での脅し」などが多い状況にあるが、いじめは水面下で発生し、陰湿化が進行しやすいものである。その結果として凶悪な事件も発生している状況にある。
これらのことから、いじめが重大な人権侵害であることを再認識し、学校におけるいじめの早期発見、早期対応の体制づくりを充実する必要がある。

体罰

学校や施設における子どもへの体罰は、重大な人権侵害であるが、学校において体罰ではないかとして調査した事案が毎年発生している。
教職員は、体罰が法律により禁止されていることを常に自覚し、児童生徒の指導に当たる際、いかなる場合にも体罰を用いてはならないことを十分に認識する必要がある。

性的搾取

児童買春や児童をポルノの題材にすることなどは、児童の人権を侵害するものであるが、大人社会の歪みが子どもの心身に悪影響を及ぼしている。
児童買春や児童をポルノの題材にすることなどの犯罪は、被害届が出されることが少ない傾向にあるため、被害を受けた者への適正な保護(早期発見・リハビリ、カウンセリング等の支援・容易な被害申立手続きの確立)のもとに、事案が顕在化しやすくなるような対策を進める必要がある。
また、問題を助長するポルノグラフィー(印刷・インターネット・視聴覚ビデオ)から児童を保護する措置を強化する必要がある。

児童虐待

童虐待に関する相談件数が増加しており、児童虐待による死亡事例が発生するなど、虐待事例の深刻化が進んでいる。
そのため、児童の人権を保護する見地から、保護者に児童虐待の違法性についての認識を持たせる必要がある。
また、児童虐待を早期に発見するため、県民に児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の通告義務を周知させ、特に関係者(医師・教育者・保育士等)に意識の高揚を促し、通告体制を強化する必要がある。
さらに、児童虐待への根本的な対策としては、保護者に対する十分なケアも必要となるため、そうしたシステムを早急に創設する必要がある。

(3)今後の取組方針

児童の権利に関する条約の普及啓発

(ア)子どもは権利の主体であり、あらゆる場面で子どもの意向が配慮、尊重されるよう、児童の権利に関する条約の理念、内容の普及啓発に努める。

(イ)教科、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等、教育活動のあらゆる機会を通じ、児童・生徒が、自らの権利に関する意識を高めるとともに、権利と表裏の関係にある自己の義務、責任についても、より一層の自覚を深めることができるような指導を行う。
また、関係団体等とも連携し、官民を問わず、子どもが自らの権利について考える機会となる行事等の開催充実に努める。

いじめや体罰、校内暴力など問題行動への対応

(ア)人と人とのふれあいを体験し、思いやりのある豊かな心を育てるため、ボランティア活動や職場体験などの体験的学習の積極的な導入、障害者や高齢者との交流を推進することによって、自ら問題行動を抑止する人権尊重意識の醸成を図る。

(イ)道徳教育など人間としての在り方生き方教育に関する教育の指導法の研究及び研究成果等の県下各学校への周知、ティーム・ティーチングの活用により、きめ細かな指導を推進する。
*ティーム・ティーチング:児童生徒にきめ細かな指導を行うため、複数の教員が協力して行う授業形態

(ウ)いじめの問題については、教職員に対する研修の一層の充実を図る。
また、スクールカウンセラー等との連携により、事案の早期発見、加害者、被害者双方に対する問題を深刻化させない適切な指導に努めるとともに、心のケアに努める。

(エ)児童生徒に対する体罰やセクシュアル・ハラスメントについては、教職員に対する、倫理観、責任感をはじめとして人権意識高揚のための研修を継続し、その根絶に努める。

(オ)体罰を受けた児童生徒が安心して相談できる体制の整備を図り、被害者の適切なケアに努めるとともに、再発防止のための対策を推進する。

(カ)行政、学校、保護者、関係機関等の更なる連携を図り、児童生徒の問題行動の防止に努める。

児童虐待問題への取組

(ア)配偶者等に対する暴力(ドメスティック・バイオレンス)と並び大きな社会問題となっている児童虐待は、児童の人権を守るため、児童虐待の防止等に関する法律及び児童福祉法の適正な運用の推進、県民への周知徹底のための啓発活動を推進する。

(イ)医療機関等の事案の初期認知者となる可能性の高い関係機関への周知を図るとともに、連携を強化し、早期発見に努め、迅速な一時保護等の対応を推進する。

(ウ)電話相談窓口「いばらき虐待ホットライン」での対応を適切に進める外、保健・医療・福祉・教育・警察などの関係機関や市町村、民間団体等との連携により、児童の保護に関する相談や児童及び家庭への対応の充実強化を図る。

(エ)児童相談所における保護者へのカウンセリングの実施や、児童養護施設、一時保護所に配置したセラピスト(心理療法職員、心理判定員)により、被虐待児童の心のケアと保護者等への指導を的確に行う。
さらに、被虐待児童等の心のケアを行う「情緒障害児短期治療施設」等の施設整備を推進する。
なお、保護者に対しケアを行うシステムの確立等、児童虐待問題の抜本的解決のために必要と考えられる事項について、検討する。

有害環境の浄化・良好な環境の整備

(ア)茨城県青少年のための環境整備条例に基づき、図書等自動販売機をはじめ、関係店舗等に対する条例遵守のための立入調査や指導を行うとともに、関係機関、市町村や青少年健全育成関係者との連携を強化し、有害図書等の自動販売機への収納禁止並びに関係店舗等における区分陳列の徹底を図り、良好な環境の整備を推進する。

(イ)テレホンクラブ・出会い系サイトなど匿名性の高い出会いの場を提供する営業を利用した犯罪から少年を守るための対策を効果的に推進する外、少年の福祉を害する犯罪を未然に防止するための広報啓発活動及び積極的かつ効果的に取締りを推進する。

(ウ)県内全市町村に設置されている青少年相談員及び県内28市町村に設置されている青少年センター等を通じて青少年に係る相談に応じ、青少年の健全育成を進める。
また、少年指導委員等のボランティアと共同し、少年の保護・指導に努め、非行を誘発させない環境条件の整備を進めるとともに、少年サポートセンターを中心とする少年相談への適切な対応により、地域の実態に即した非行防止・健全育成活動を推進する。

(エ)学校、警察署等の連携を密にするとともに、「子どもを守る110番の家」の協力を得て被害の未然防止に努める。

(オ)子どもたち自身が犯罪等の被害から身を守る力を身につけるための指導の充実に努める。

このページに関するお問い合わせ

福祉部福祉政策課人権施策推進室

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3135

FAX番号:029-301-6200

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