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更新日:2025年7月14日

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茨城県人権施策推進基本計画 第3 分野別施策の推進

4 障害者

(1)国、県の動向

障害者の基本的人権と障害者問題について,昭和46年(1971年)の「知的障害者の権利宣言」,昭和50年(1975年)の「障害者の権利宣言」が国際連合で採択され,ノーマライゼーションの理念に基づく指針が示されたのをはじめとして,昭和56年(1981年)が「国際障害者年」とされ,また,「国連・障害者の十年(1983年~1992年)」,さらには,「アジア太平洋障害者の十年(1993年~2012年)」により,障害者問題に取り組むこととされている。
 このような国際的な動向を受け,わが国においては,昭和57年(1982年)に「障害者対策に関する長期計画」,平成5年(1993年)には新長期計画,平成7年(1995年)には「障害者プラン」,平成14年(2002年)12月には,平成15年度から24年度までの10年間を計画期間とする「障害者基本計画」が策定され,長期的視点に立った障害者施策の推進が図られている。また,精神障害者の人権に配慮した適切な医療の確保と,精神障害者の自立と社会復帰の促進を図るという観点から「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の改正も行われた。
 さらに,「高齢者,身体障害者が利用できる特定建物の建築の促進に関する法律」も平成15年4月に改正施行され,建物のバリアフリー化も一層促進されることになった。
 また,平成13年(2001年)1月には,「21世紀の特殊教育の在り方について」,平成15年3月には,「今後の特別支援教育の在り方について」が報告され,障害の程度に応じ,特別の場で指導を行う「特殊教育」から,障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて,適切な教育的支援を行う「特別支援教育」への転換を図ることが示された。
 本県としては,「いばらき障害者いきいきプラン」に基づき,障害者自らが必要とする保健福祉サービスを適切に利用できるよう,一人ひとりの人権に配慮した利用者本位の保健福祉サービスの充実と施設の整備を推進するとともに,障害者が,地域において自立でき,生きがいのある生活を営めるよう,児童生徒への決め細やかな支援など学校教育の充実や学習機会の提供などの生涯学習の推進,福祉的就労の場の確保やスポーツ・レクリェーション活動,文化活動の振興,在宅福祉サービスの充実,計画的な福祉施設の整備など,地域におけるケア体制を整備し,ともに生きる豊かな福祉社会を実現するため,様々な施策展開に努めている。

(2)現状と主な施策推進上の課題

ア 施設,病院,企業等での人権侵害への対応

知的障害者や精神障害者は,施設,病院,企業などにおいて,人権侵害が起きた場合に,自ら対処することに困難性がある。
 また,保護者にとっても,退所・退院等を気にかけて,施設・行政等になかなか実状を訴え出ることができにくい状況にある。
 そのため,施設,病院,企業などにおける知的障害者や精神障害者への人権侵害に対し,知的障害者や精神障害者が,行政などに身近に相談できる体制をつくる必要がある。

イ 障害及び障害者に対する理解の促進

地域や企業などにおいて,障害や障害者に対する理解不足と,偏見や先入観などから,障害者を受け入れない(受け入れにくい)物理的・意識的障壁が残っている。
 障害者の社会参加が進む中,地域の中で活動する障害者に対する理解が徐々に進んできているが,今後さらに,障害のある人に対する理解を深めるため,交流の場となる各種イベントを開催するなど,県民に対する広報・啓発活動を積極的に展開する必要がある。
 また,地域における障害者の自立と社会参加をさらに進めるため,物理的,意識的な障壁を取り除く必要がある。

ウ 自己決定の権利の確保

知的障害者等自己決定能力が十分ではない人たちが,身体や財産などの基本的権利に関わる決定に関われないなど,必ずしも自己決定の権利が十分に確保されていない。
 そのため,知的障害者等自己決定能力の十分でない人たちが,地域で安心して生活ができるための身体,財産など基本的権利に関することがらのほか,生活上のあらゆる相談が受けられる体制づくりや,社会的支援の仕組みの整備が必要である。

エ 障害者の就労の場の確保

障害者雇用率制度に基づく雇用率が,企業において達成されていない状況や障害の程度に応じた福祉的就労の場が十分整備されていない。
 そのため,企業における障害者雇用を促進し,障害者雇用率の充足を図るとともに,障害の程度に応じた福祉的就労の場を確保する必要がある。

オ 社会生活環境の整備

 身体障害者等が,障害のない人と同じように安全に安心して生活し,社会参加できるための環境整備が遅れている。
 身体障害者等が,安全に安心して生活し,社会参加できるよう,住宅,建築物,公共交通機関,歩行空間など生活空間のバリアフリー化を促進するとともに,情報格差の是正を図り,障害者が自立して生活できる環境を整備する必要がある。

カ 福祉サービス基盤の整備

 ノーマライゼーションの理念のもと,障害のある人の地域生活を支援するためには,ホームヘルプサービス,デイサービス等各種の福祉サービス基盤を整備する必要がある。

(3)今後の取組方針

ア 施設,病院,企業等での人権侵害への対応

(ア)「障害者110番事業」により,本人や保護者からの訴えに対し,速やかに実情を確認するとともに,行政と連携し,人権侵害があったと認められた場合には改善指導を行い,障害者及びその家族の地域生活の安定を図る。

(イ)茨城県社会福祉協議会に設置した「運営適正化委員会」により,福祉サービスに関する利用者からの苦情の適切な解決や事業者に対する苦情解決体制の整備などの巡回指導を行い,サービスの質の向上を図る。

(ウ)医療機関において,医療面での苦情・相談等に適切に対処する体制づくりを促進するため,必要な情報の提供や指導などの支援を行い,医療従事者との信頼に基づく適切な医療の確保を図る。

イ 障害及び障害者に対する理解の促進

(ア)障害者週間推進事業(障害者社会自立シンポジウム等)や障害者福祉施設等で製作した製品の即売会(ナイスハートバザール)などを通じ,障害者に対する県民の理解を深め,障害者の自立と社会参加を促進する。

(イ)障害者計画(障害者プラン)を策定している市町村が,平成14年度においては,75.9%であるため,県下全市町村での計画策定を推進し,障害者の地域における自立と社会参加を促進するとともに,社会資源の充実を図る。

(ウ)国の「障害者に係る欠格条項の見直しについて(平成11年8月)」を踏まえ,本県においても内容の検討を進める。

(エ)学校教育においては,特殊教育諸学校と小・中・高等学校及び地域の人々などとの交流教育やボランティア活動を多様な場で展開するなど,児童生徒の自立と社会参加をめざした教育の推進を図るとともに,障害や障害者への理解を深めるための取組を推進する。

(オ)特殊学級及び通級指導教室の障害児の教育的ニーズや通常の学級における学習障害(LD),注意欠陥/多動性障害(ADHD),高機能自閉症などの児童生徒一人ひとりに対する支援や指導などの教育的ニーズに対応するための特別支援教育の充実に努める。

(カ)特殊教育諸学校や特殊学級等の集いである「心と心のふれあいフェスティバル事業(学習発表会,作品展)」をとおして,学習意欲の高揚や社会参加能力の育成と県民に対する障害児教育の理解・啓発を推進する。

(キ)小・中学校及び特殊教育諸学校において,障害児教育の内容や就学等に対する相談支援体制の整備に努める。

(ク)教職員に対し,障害や障害者への理解を深めるための研究や研修を推進する。

ウ 自己決定の権利の確保

(ア)茨城県社会福祉協議会に設置した「地域福祉権利擁護センター」における権利擁護事業の積極的な推進を図るとともに,成年後見制度の活用を促進し,痴呆性高齢者,知的障害者,精神障害者等の自己決定能力が低下している人が,地域で自立した生活が送れるよう必要な援助を行う。

(イ)NPO団体の活用等により,障害者が地域で生活できるようなサポートを行う人的育成を推進するとともに,適切な相談対応等,ボランティア従事者への支援策の充実を図る。

エ 障害者の就労の場の確保

(ア)特殊教育諸学校高等部における現場実習(就業体験学習)先の情報収集及び職場開拓や,「障害者雇用対策事業」として,障害者就職面接会の開催,職場適応訓練事業の実施等により雇用機会の拡大を図る。

(イ)「障害者雇用支援センター運営費補助事業」として,障害者の職業生活における
自立を図るための職業準備訓練等を行う施設の設置・運営に対する助成を行う。

(ウ)小規模作業所,授産施設,福祉工場等の整備・充実に努め,障害のある人の能力や適性を生かした福祉的就労の場の確保を図る。

オ 社会生活環境の整備

(ア)「ひとにやさしいまちづくり」の普及・啓発を推進する。

(イ)「ひとにやさしいまちづくり条例」に基づき,病院や百貨店など多くの人が利用する施設,道路や公園などの公共施設について,障害者が安心快適に暮らすことのできるよう,身体の障害がハンディキャップとならないような施設整備を推進する。

(ウ)障害のある人が住宅で安心して生活できるよう,住宅リフォーム制度の普及を図り,居住環境の整備を促進する。

カ 福祉サービス基盤の整備

 障害のある人の自立と社会参加を促進するため,「いばらき障害者いきいきプラン」に基づき,デイサービスやグループホームなど34の施策について整備目標を掲げて基盤整備を促進する。

 

キ 国際的協調

 国連・障害者の十年及びアジア太平洋障害者の十年の成果を踏まえ,障害者施策に関する取組や現状について国際理解を深めるために,情報の収集と提供を行う。

 

このページに関するお問い合わせ

福祉部福祉政策課人権施策推進室

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-3135

FAX番号:029-301-6200

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