目的から探す
ページ番号:68987
更新日:2025年3月14日
ここから本文です。
これまで畜産センターでは、公益社団法人畜産技術協会や国のアニマルウェルフェアに関する指針に
基づき、適切な飼養管理体制に努めてまいりましたが、令和6年度から「アニマルウェルフェア推
進チーム」を設置し、畜産センターとしてさらに取り組みを推進してまいります。
畜産センターのアニマルウェルフェアに関する取り組み状況(PDF:699KB)
令和7年3月14日(金曜日)令和6年度アニマルウェルフェア推進チームの活動報告
令和7年1月30日(木曜日)アニマルウェルフェアに関する所内研修
令和6年12月11日(水曜日)フリーストールベットのメンテナンス
「令和6年度アニマルウェルフェア推進チームの活動報告を行いました」
令和7年2月19日(水)に開催した畜産センター研究員会議の中で、令和6年度のアニマルウェルフェア推進に関する活動報告を行いました。
今年度は快適なフリーストールベッドづくり(川砂と山砂をブレンドした敷料)や牛体への散水等による暑熱対策(牛体を濡らして気化熱によって体温を下げる)といった飼養環境改善のほか、牛を移動する際の扱い方などに関する勉強会の開催などを実施してきました。
また、飼養環境の改善に取り組んできたチーム員から、それぞれ今年1年間のふり返りとして外部専門家からの助言によって、搾乳後の動線変更といった自分達だけでは気付かなかった部分の改善に取組むことができたことや、来年度に向けた検討事項などについて意見があり、取り組みを継続していくための意識の共有ができました。
当センターでは、来年度も引き続き家畜が快適に過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。
「牛の体に合わせて牛床マットを長くしました」
当センターの牛舎は平成12年に建てられ、当時に比べ牛が改良されて大きくなったことで、牛床(牛の寝床)が短く、バーンクリーナーにふんを落とすグレーチング上に後肢がはみ出してしまうことが課題となっていました。
そのため、これまでグレーチングの手前まで設置していたゴムマットを牛の体に合わせて、グレーチング部分まで伸ばして設置し、牛床の長さを十分に確保しました。今後も起立・横臥の状況など牛たちの様子をよく観察して快適な飼養環境を整えていきます。
設置前 設置後
「アニマルウェルフェアに関する所内研修を開催しました」
令和6年12月12日(木曜日)に当センター全職員を対象として、アニマルウェルフェアに関する所内研修を実施しました。研修では「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針」に基づき、飼養管理における主な注意点について確認するとともに、当センターでの飼養状況、家畜への接し方や施設の点検管理といった家畜にとって快適な環境維持のために今後も継続すべきポイントなどについて改めて確認しました。
研修資料(抜粋)
※出典:農水省HP「アニマルウェルフェアに関する新たな国の指針について」
「牛のブラッシングを行っています」
牛のブラッシングは牛体の汚れを落としたり、毛並みを整えたりするだけでなく、牛の身体に異常がないかの健康観察や、飼養者と牛のコミュニケーション手段としてストレス軽減にもつながります。ブラッシングされている牛は気持ちよさそうな様子で、もっとブラッシングをして欲しそうにブラシに頭を寄せてきていました。
金ぐし(写真左):ヨロイ(体表に付いた糞汚れ)落とし、ブラシ(写真右):フケ落としや毛並みの仕上げというように、2種類の道具を使い分けて行います。
「牛が快適に過ごせるようフリーストールベッドを定期的にメンテナンスしています」
当センターでは乳牛舎のフリーストールベッドの敷料は、山砂と川砂をブレンドしたものを使用しています。砂のベッドは、無機物のため細菌の増殖を防ぎ、乳房炎のリスクを低減させたり、クッション性や滑りにくさ等が利点ですが、牛が寝起きすることで段々と踏み固められてしまいます。
そのため、毎日の清掃と凹凸をならす作業に加えて、メンテナンスとして定期的に小型のバックホウでの掘り返しや砂の補充等を行い、過ごしやすく清潔な環境づくりに取り組んでいます。
「アニマルウェルフェア研修会を開催しました」
令和6年 10 月 29 日(火曜日)に畜産センターや関係機関の職員を対象として、アニマルウェルフェア(以下「AW」)についての研修会を開催しました。
まず、座学で講師の先生から「現在のAWの動向と今後の流れ」と題して、AWを実践する上でのポイントについて話題提供をいただきました。また、今年8月に実施したAWに関する飼養管理指針に基づく外部有識者調査でいただいた助言に対する改善状況について、 畜産センターAW 推進チーム員からスライドで説明、さらに現場でその状況を確認し、講師の先生から「問題がない」とのコメントをいただきました。
また、牛を誘導する際の注意点等について実際に牛を用いて解説していただきました。
今回の研修内容を活かして、引き続き飼養環境の向上に取り組んでまいります。
AW実践上のポイントについて(座学)
牛の誘導方法の解説(実技) 改善状況の確認(質疑応答)
「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針に基づく外部有識者調査の結果 を受けて改善に取組んでいます」
令和6年8月6日(火曜日)に実施しました外部有識者による調査で助言いただいた以下の点について改善しました。改善点1では、当初心配されていた過食や食い負けの発生もなく、スムーズな採食ができるようになりました。
【改善点1 搾乳後の牛の動線の改善】
【改善点2 フリーストール牛舎パドックへの日除け設置】
「アニマルウェルフェアに関する飼養管理指針に基づく外部有識者による調査を 実施しました」
去る令和6年8月6日(火曜日)に当所の家畜飼養管理について外部有識者2名による調査を昨年度に引き続き実施しました。
調査では、昨年度調査時からの改善の状況や今年度新たに搾乳作業の様子を確認いた だきました。有識者からは、昨年度よりフリーストールベッドの状態等の飼養環境が改 善されている、搾乳作業では牛が穏やかに動いており、牛の扱いに問題は無いとの評価とともに、搾乳後の牛の動線の見直しや日除けの追加などといった更なる改善のための助言をいただきました。
それらを受けて、翌日から動線の見直しやパドックへの日除けの設置を行うなど、より良い飼養環境とするための取組みを続けています。
「牛の暑さ対策に水浴びを行っています」
毎日厳しい暑さが続く中、牛たちの暑熱対策として、畜舎内の気温が30度を超えてきた7月初旬から毎日、水浴びの時間を設けています。具体的には、散水により身体を濡らし、扇風機の風を当てることで、気化熱により牛の体温を下げる取組をしています。牛たちは自ら散水スペースに向かい、気持ち良さそうな様子をみせていました。
「快適なフリーストールベッドづくりを行っています」
乳牛舎におけるフリーストールベッドについては、こまめな掘り起こしを継続し、快適な環境づくりに取り組んでいます。牛たちも快適なベッドでリラックスした様子です。
研究員会議を開催し、その中で、「アニマルウェルフェアの取り組みについて」をテーマに した勉強会を開催しました。
令和6年6月26日(水曜日)、研究ノートの活用やゲノミック評価試験、アニマルウェルフェアの取組み等を議題として研究員会議を開催しました。
アニマルウェルフェアについては、これまでの取組みと、今年度から設置したアニマルウェルフェア推進チームの実施計画についての説明ののち意見交換を行いました。推進チームで取組んでいる自主チェックの改善点や活動内容などについて活発な意見の交換が行われました。今後も議論をしながら、よりよい飼養環境を目指して活動を進めていきます。