ホーム > 茨城を知る > 県のご案内 > 知事のページ > バックナンバー > 知事記者会見録 > 2014年分 > 知事定例記者会見における発言要旨140718

ここから本文です。

更新日:2015年3月23日

知事定例記者会見における発言要旨140718

この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

(作成:広報広聴課)
平成26年7月18日(金曜日)
11時15分~11時35分 会見室

 原子力発電所の再稼働について

東京(幹事社):幹事の東京新聞です。よろしくお願いします。
まず最初に,原子力規制委員会が,16日,九州電力川内原発1,2号機について,新たな規制基準を満たしていると認めました。これは地元の同意があれば10月にも再稼働は可能になるのですが,一方で,規制委による原発安全神話の復活ではないかという指摘もあります。率直に,規制委の合格判断について知事の感想をお聞かせください。

知事:私はこれまでも,原子力施設の安全確保を大前提とした上で,それを政府が確約してくれて,地元の合意が得られるのであれば動かすということについては反対ではないということで,「減原発」ということを申し上げてきました。
今回,新しい規制基準に適合するという審査書案が示されているところでありますが,私どもが,これまでどういうことを言ってきたかというと,例えば,エネルギー基本計画,この中では,再稼働を進める際には,「国も前面に立ち,立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう,取り組む」と書いてあるのです。ですから,我々はこれに沿った形でやってほしいと考えております。
私が会長を務めております原子力発電関係団体協議会としても,「原子力発電所の安全性については,新規制基準への適合性審査の結果だけでなく,万一の事故や原子力災害に係る国の対策の状況,さらには事業者の運営能力の確認など,総合的な観点から判断するとともに,安全性を判断した理由について,国民及び関係自治体へ十分な説明を行うこと」という要望も行っております。
したがって,今回の適合しているという審査書案を踏まえて,これからどんな展開がなされていくのか。一つには,国民,あるいは地元自治体に対してどういうふうに説明を行っていくのか,あるいはまた,再稼働について地元自治体の同意をどのように得ていくのか,地元自治体の範囲をどの程度の範囲で考えていくのか,さらには,原子力規制委員会の田中委員長も新規制基準と避難計画は車の両輪だということを言っておりますので,これから住民の安全を守るための避難計画についてどういうふうに考えていくのか,そういったことについて,今後の推移を見守っていきたいと考えております。

東京(幹事社):まさにその避難計画の部分なのですが,規制委員会ではこれを判断しない,審査しないという方針なのですが,一方で,先日の全国知事会で,国に対して,避難計画の策定の支援や避難時の設備など,お金の面もあると思うのですが,国が早く方針を示してほしいという提言が出ました。ある意味,避難計画が自治体任せになっており,それがかなり厳しいという意見表明と受け取ったのですが,避難計画ができていない時点での再稼働というのはどのようにお考えでしょう。

知事:これから議論がされていくことと思いますが,私どもとしては,先ほど申し上げましたように,田中規制委員会委員長が,今年3月の参議院予算委員会の中で,「住民の方が安心できなければなかなかその稼働には結びつかないだろうという意味で,避難計画は新規制基準と車の両輪である」といったような答弁をされております。
私どもはこれまでこの答弁をそのまま受け取ってきたわけでありますが,16日の記者会見で,「審査の中では評価していない,防災対策をつくることは規制庁の範囲外,手伝いはする」というようなことを言っておられます。これでいいのかどうか,私どもとしては,今ご質問にあったように,国としてしっかりした今後の手順を示してほしいと考えております。

東京(幹事社):一方で,福井県の原発から30キロ圏に一部入る滋賀県の知事選がありまして,卒原発を訴えた候補が大方の予想を裏切って当選しました。政権は,審査に合格した原発については,無条件に再稼働を容認するという構えです。このあたり,民意とのずれが感じられると思うのですが,いかがでしょう。

知事:エネルギー基本計画の中では,専門的な判断に委ねて再稼働を進めるけれども,その際,国も前面に立って立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む,としっかり書いてあるのです。ですから,これを実施してほしいというのが原子力発電関係団体協議会の意向でもあるわけであります。
滋賀県の選挙結果がどうかについては,これは原発がメインだったのか,集団的自衛権とかその他の影響があったのかなど,いろいろはっきりしない面もありますので,その点については,発言は控えさせていただきたいと思います。

東京(幹事社):田中委員長は,規制委は規制基準を審査するのみ,再稼働については判断しない,再稼働について判断するのは地元,事業者,国であるとはっきり考えを示しているのですが,これについてはいかがでしょうか。

知事:先ほどから申し上げているエネルギー基本計画は政府として決めているわけです。この中で,「原子力発電所の安全性については原子力規制委員会の専門的な判断に委ね,世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には,その判断を尊重し原子力発電所の再稼働を進める。その際,国も前面に立ち,立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組む」と書いているわけです。
ですから,この後段の部分がどうなっているのか。規制委員会で判断したから再稼働を進める。しかし,進めるにあたっては,政府として前面に立ってこういうことをやっていくと書いてあるわけですので,もう規制委員会の判断が出ればそれでおしまいだというわけにはいかないのだろうと思います。
今後の手順がどうなっていくのか,国民,地元自治体への説明をどうするのか,また,地元自治体の同意についてどの範囲まで求めていくのかなど,いろいろな課題がございます。そういったこともいろいろこれから検討されていくのだろうと思いますので,我々としてはそれを見守っていきたいと思います。

東京(幹事社):知事としては,最終的な再稼働の判断は地元が下すものと考えますか。それとも,国の判断に委ねますか。

知事:国として,方針を示した上で,地元の理解を得ていくということだろうと思います。ですから,前々から言っていますように,国としてエネルギー政策上も必要だという大きな観点から判断される。それを地元としては住民の意向はどうかということも踏まえながら判断していく。そしてまた,安全性その他についても,本県の場合,例えば原子力安全対策委員会,そういったところでチェックしていくことになるのだろうと思います。

東京(幹事社):今回の判断,東海第二原発の審査に何か影響が出ると思われますか。

知事:それは審査結果がどのようになってくるのかわからないものですから,我々としては予測はできない状況にあります。

共同:先ほどの質問に関連しまして,エネルギー基本計画の中で,国が前面に立って説明なりしていくということですが,今回の川内原発の再稼働の方針に当たって,菅官房長官は,特に首相とか経済産業大臣が直接地元に説明をしていくということはないというふうに言っていまして,かつ,基本的には地元への説明も事業者が行うべきだと思うというふうに言って,エネルギー基本計画の中で言う国が前面に立っているというような印象は与えられないのが現状ではあるのですが,そういった国の姿勢に対してはどうお考えになりますか。

知事:一昨年の大飯原発の再稼働などでも同じような考え方だったと思いますが,最終的には国が前面に立っていったという例もございます。ですから,今後の手順がどのようになっていくのか,我々としては大いに関心を持って見ているところです。

共同:今回の件については,最終的には鹿児島県,そして,薩摩川内市が再稼働の判断を迫られるような形になっています。こういうものが先例となってしまうと,東海第二発電所についても,最終的に茨城県と東海村が判断するというような事態に直面することは十分想定はできるのですが,その場合,知事はこれまでどおり国に手順を示せと求めていかれるのでしょうけれども,最終的にそういう手順が示されなかった場合,知事はどういう判断をされますか。

知事:東海第二が順番的にあまり早いほうに来ることもないと思っていますので,それまでいろいろなケースが出てくると思いますから,そういったものを参考にして判断していきたいと思います。

NHK:今の質問に関連してなのですが,国が方針を示した上で原発の運転再開,再稼働に関しては地元が判断をするという話だと思うのですが,地元の範囲というところで,今,茨城県内においても,県南もその枠組みの中に入れてくれという話もある一方で,県央地域の首長や今回入っていない3市1町に関しても枠組みの中に入れてくれという動きもあります。橋本知事は,地元の再稼働に向けての同意の範囲について,現時点でどのようなお考えを持っているかお聞かせください。

知事:県南地域については,私はかなり難しいかなと思っております。UPZ圏内,30キロ圏内については,避難計画の策定が義務づけられていますので,そういった中でどこまでにするかということがこれからの検討課題だろうと思います。ですから,今回の川内原発の例などは我々にとって非常に参考になるものと思います。

NHK:現時点では,UPZ30キロ圏に東海第二発電所の場合,14市町村あるかと思うのですが,これが全て地元という認識になるかどうかについてまだ判断は難しいということでよろしいですか。

知事:そうです。はい。

 パチンコ税について

産経:自民党がいわゆるパチンコ税の創設を検討しているということで,まだ内容についてはわからないのですが,パチンコに税金をかけることについて,例えば,これを地方税とするなら大歓迎だとか,そういうことも含めて知事のお考えがありましたらお聞かせください。

知事:パチンコについては過去に課税されていた例があるわけです。それが今は課税されていないわけですから,そういう経緯なども踏まえて慎重に判断していく必要があるのだろうと思っています。

 霞ヶ浦導水事業について

共同:霞ヶ浦導水事業について一つお伺いしたいと思います。
本日午前から導水事業についての裁判が行われておりまして,原告側のほうから,アユとかシジミといった自然環境への影響についての観点から導水事業への反対の意見が述べられています。
その中で,那珂川と利根川でリンの値が高いということで,それを霞ヶ浦に流入させても,基本的にアオコの発生は抑えられないのではないかという科学的な知見からの反論がなされているのですが,30年前からの計画であると思うのですが,知事として,導水事業について,いまだに必要だとお考えになる根拠について改めてお伺いさせてください。

知事:霞ヶ浦の浄化について,本当に長いこといろいろな形で取り組んできています。今も森林湖沼環境税の(税収の)半分は主として霞ヶ浦の浄化のために使っています。高度処理型浄化槽の設置が一番大きな部分になっていますが,そういったことをやっていてもいろいろな数値が悪化してきている。リンの低下についてもかなり力を入れてやっているところです。リンを減らしていけば,ひょっとしたらアオコの発生が防げるのではないかなど,いろいろなことを検討しながら今進めているところですが,そういったことをやっても,今の状況だと,霞ヶ浦の浄化対策として本当に役立つものになっていくのかどうか,実効性のあるものになっていくのかどうかについて極めて厳しい状況だと思います。
そういった点で,霞ヶ浦導水事業はかなり大きな役割を果たしてくれるのではないかと思っていますし,これまで事業費的に見てもかなり進んできていますので,ここでやめるということはないだろうと思っています。また,これからもさらにどういうことをやればいいのかということについて検討していかなくてはいけないとは思いますが,これについても進めていきたいと思っています。

共同:もう1点,知事は,以前,県の負担が増えないように,国土交通省への申し入れをしていきたいとおっしゃっていましたが,現段階で,県の負担が減っていく方向にあるのかどうか,考えをお伺いいたします。

知事:今,特段,大きく増えるというような話は聞いておりません。これからのことだろうと思います。ただ,大分工期が延びてきてしまっているので,その関係で,特に,ここのところ,労務単価,資材費のアップ等々ありますから,どういうタイミングでやっていくのかなどによっては事業費が膨らんでくる可能性が全くないとは考えませんが,そこをどうやってカバーしていくかということもこれからの課題だと思います。

 原油価格の高騰について

茨城:原油価格の高騰に伴ってガソリン価格が上昇を続けています。県民の生活とか観光産業などさまざまな影響が懸念されておりますが,知事は現状をどのように見ておりますか。

知事:基本的には,日本や一部の国が割高になっている。これを直す努力をしていかなくてはいけないのだろうと思いますが,その際にいろいろ交渉するに当たってこちらの手駒がなかなかない。自分たちとして,エネルギーをある程度生産できれば,そういった点でかなり交渉に有利になっていくと思いますが,日本の場合にはエネルギーの自給率が原子力を除くと5%しかないといったことが一番大きなネックになっているのではないかと思っています。
ですから,政府には,石油価格,燃油価格を下げるための交渉を各企業がやっていくのをぜひ応援してほしいと思います。また,シェールガスの話やLNGの話などいろいろなことが出ております。茨城港日立港区にも,今度,東京ガスがロシアからLNGを持ってくることになっていますが,この価格がどうなっていくのか。世界の情勢,エネルギー事情にもよりますし,あるいは,ロシアの国内情勢といったようなことも関係してくる。いろいろなことが交じり合って価格が決定されてきますので,我々としてはできるだけ落ち着いた価格になることを祈るしかないのが実情かと思っています。

茨城:県内への影響としてどのようなことを懸念されていますか。

知事:例えば,夏休みになるのに,ガソリン価格が上がってしまうと遠出を控えてしまうのではないかとか,そうなると観光に影響するのではないかなど,いろいろなことが言われております。もちろん家計への打撃もありますし,これが公共交通への回帰を促すのではないかなどということも言われています。いろいろな影響については,はっきりしたことはまだわからないのではないかと思います。

茨城:県として何か特別な対策や取組みをするような考えはありますか。

知事:県としてというよりは,例えば,非常に厳しい産業,漁業などの場合に燃料費が高くなってとてもやっていけないときに,そういったところに対策を講じるかどうかといったようなことが出てくると思いますが,今のところ,まだそこまでは考えていません。将来,国としてどうするか,県としてどうするかということになっていくのかどうかということだと思っています。

このページに関するお問い合わせ

総務部知事公室報道・広聴課報道

〒310-8555 茨城県水戸市笠原町978番6

電話番号:029-301-2118

FAX番号:029-301-2168

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

質問:このページの情報は役に立ちましたか?

質問:このページは見つけやすかったですか?