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更新日:2014年8月27日

知事定例記者会見における発言要旨140827

この資料は、県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

(作成:広報広聴課)
平成26年8月27日(水曜日)
11時20分~11時45分 庁議室

 平成26年度9月補正予算案について

知事:今日は,第3回定例会に提案いたします予算案等を発表させていただきたいと思います。
具体的な中身につきましては,財政課から既にご説明させていただいているところでございますので,私からは基本的な考え方だけをお話ししたいと思います。
まず,東日本大震災からの復旧状況等でございますが,いつも申し上げているとおり,インフラの復旧等につきましては着実に進んでいるものと考えております。しかしながら,原発事故に伴う風評被害の影響というものは依然として大きいものがございます。今年の夏の海水浴客,24日現在でありますが,約75万人となっており,昨年が約84万人でありますから,約1割減少しております。もちろん,天候不順ということもあると思いますが,それだけではないものもあるのではないかなと感じております。
ちなみに,平成22年度,原発事故の前と比べますと42.9%と半分以下の水準にとどまっておりますので,県としても大分キャンペーン等はやっているのですが,影響は拭い切れていないという感じを持っております。
続いて,経済情勢でございますが,ご承知のとおり,国のほうでは,4月から6月期のGDPについては,消費税の引上げ及び駆け込み需要の反動減といったこともあって,年率換算でマイナス6.8%と大変大きな下げ幅を記録したところでございますが,昨日の月例経済報告におきまして,「景気は,緩やかな回復基調が続いており,消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」とし,先行きについても「緩やかに回復していくことが期待される」として,景気判断は据え置かれているところでございます。
私どもも是非こういった方向に進んでもらいたいと思っておりますが,今後の景気の動向あるいは経済運営に関する国の動きなどについて,注意深く見守っていかなければいけないと思っております。
次に,今回の補正予算の基本的な考え方でございますが,まず第1には,引き続き東日本大震災からの復旧・復興に取り組むこと,第2には,圏央道などの重要な社会資本の早急な整備に対応していくこと,第3には,待機児童数の削減のための保育所の整備など緊急性の高い課題への対応,こういったことを中心に必要な事業を計上した結果,一般会計補正予算の総額は約95億円となっております。
その内訳としましては,東日本大震災関連では,緊急輸送道路の整備などに約16億円を計上しております。
また,東日本大震災関連以外では,圏央道をはじめとする重要な社会資本の整備,圏央道の直轄事業負担金が極めて大きな割合を占めておりますが,それと保育所整備などに約79億円を計上しているところでございます。
また,条例その他の議案といたしましては,資金積立基金条例の改正や,幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定などを提案してまいりたいと考えております。
そのほか,今年度末には常磐線の東京駅延伸ということも予定されておりますので,昨日,実は,JR東日本に陳情をしてまいりました。
また,オリンピック・パラリンピックに向けて,7月4日に組織委員会の森会長にも要請活動を行ってきたところでございまして,本県も被災県ということから,オリンピック・パラリンピックが実施されるにあたって様々な配慮をしていただきたいということをお願いしてきたところでございます。
それから,今月から常陽銀行のシンガポール駐在員事務所に本県の職員を1人派遣しているところでございます。世界に開かれた茨城という点で,ジェトロの貿易情報センターが6月に開所されたことに引き続き,体制の整備を図っているところであります。また,10月5日からベトナムを訪問します。ぜひ向こうの農村地帯を見てくれということもサン国家主席から言われていますので,そういったことも含めて,議会,市町村,農協関係団体,経済界,福祉関係の人たちなどと一緒にベトナム訪問をしてまいりたいと考えております。
以上です。

東京(幹事社):幹社の東京新聞の林です。最初に,補正予算,議案関連の質問をさせていただきます。今回,震災からの復興・復旧事業が当初予算にかなり含まれたということで,純粋な公共事業が多いのかなと思うのですが,知事の考えとしては,今回は公共事業に重きを置いたと考えてよろしいでしょうか。

知事:災害関連などが比較的少なくなりつつある中で,例えば,圏央道の整備などがピークを迎えつつあります。そういったこともあって直轄事業負担金が大幅に伸びているといったことが大きな要因になっているのかなと思っています。

東京(幹事社):やはり一番事業として大きいのは圏央道の建設関係ということですね。

知事:はい。

東京(幹事社):わかりました。各社,自由に予算・議案関連で質問をしてください。

茨城:今回の補正予算なのですが,4月から6月期のGDPの年率換算が前年比6.8%減と大幅なマイナス成長となって,この後の7,8,9月に,どこまで回復するかということだと思うのですが,景気対策に今後何か力を入れていきたいというお考えはありますか。

知事:私どもとしては,当初予算の中で計上してある公共事業等関係の経費,あるいは昨年度の補正予算で計上した経済対策関連経費等について,早期の執行を図るということに,今,努めているところでありますが,資材不足,人員不足等々もあってなかなか思ったとおりの数値にはいっておりません。
しかし,大分目標に近いところにきていますので,できるだけ早期の公共工事等の執行に努めて,景気の腰折れを防ぐ,ひいてはデフレ脱却という難しい課題に国を挙げて取り組んでいく,その一端を担っていけたらと思っております。
先般,甘利経済財政担当大臣が,「必要と判断される場合には,機動的な対応を行うなど経済運営に万全を期す」とも言っておられますので,今後の景気の動向次第によっては,私どもとしては補正予算などもあるのかなと考えております。

茨城:それと,秋の臨時国会に地方創生法案というのが提出されると聞いておりますが,地方版アベノミクスというものの今後の推移というか,知事としてはどのように期待を抱いておりますか。

知事:よく言われているのは,東京一極集中をいかに防ぐかということですが,それについては,国で取り組んでもらわなければどうにもならない課題でもありますので,ぜひそういったことにより,積極的に取り組んでもらえたらと思いますし,また,できるだけ地方へ企業などが進出するような対策も講じてもらえればありがたいと思っております。
現在の状況を見ると,本当に東京の一人勝ちみたいな形になっていますので,そういった点についてどう対応をしていくのか。例えば,容積率の緩和というのは国家戦略特区の重要な目玉になっているのですが,容積率を緩和すれば,外国から企業が来なければ地方から企業が行ってしまう,そういったことなどもあります。あるいは,今度,公務員の給与,地方のほうが引下げになってくる。地域手当というものでバランスはとるのだという話でありますが,そういったものに地方側としてどう対応するかということも大きな課題になってくると思っております。これが果たして本当にプラスになるのかどうかということも含めて,政府としてしっかり地方を指導していってほしいという感じはもっています。

 広域避難計画について(1)

東京(幹事社):予算,議案以外で質問させていただきます。先日,県の広域避難計画の基本的な考え方がまとまって,避難場所,避難ルート,避難手段の基本的な考え方が示されたのですが,県民に現実味があって実行可能だという信頼がなければ成り立たない計画だと思うのですが,特にUPZ圏については,PAZを逃がすために屋内退避をして一時的な足止めを食らうわけですが,そういった県民の皆さんにこの計画,考え方というのは受け入れられるとお思いでしょうか。

知事:これからまだ詳細を詰めていかなければいけませんが,しっかりした内容にして,県民の方々に理解をしてもらうことは避けて通れない課題だと思います。再稼働するかどうかは別にしましても,東海第二発電所に使用済み核燃料は置いてあるわけでありますから,そういったことも踏まえた避難計画をつくっておく必要があるのだろうと思っております。
この間,地域防災計画改定委員会の原子力災害対策検討部会が開かれたのですが,この中でも,「わかりやすい計画として事前に住民に周知徹底すべきだ」とか,あるいは,「ほかの県にも避難させてもらうので,そちらとの考え方の共有化を図っていく必要があるのではないか」とか,いろいろなご意見をいただいていますので,そういったものを踏まえて,今後詳細なものをつくっていきたいと思います。

東京(幹事社):内容を見ると,日立市の場合には福島方面に逃げる。また,ルートを見ても,どうしても常磐道に集中してしまうということ,あと,これは夜間人口で出しているのですが,昼間の場合には家に帰って避難というツークッション必要になると思うのですが,そのあたりの課題というか,違和感があったのですがどうお考えでしょうか。

知事:一度私のところへ上がってきた避難計画の素案について,今のような問題もありましたので,どうやって使用する道路などを分散できるかという点については相当考えたつもりでありますので,もっとこうやったらどうかというご意見があれば承ります。我々としては,できるだけある一定の道路に集中しないようにということで,例えば,鹿島のほうに逃げる場合は国道51号で逃げられるようにするとか,いろいろなことを考えてきたつもりであります。
それから,避難計画をどうやってこれから現実的なものにしていくかということにつきましては,県外避難者のほうが多いわけですので,皆さんの理解を得ていくことが大変重要になってくるのかなと思っております。
福島に逃げることについては,緊急事態ですから,安全な地域を目指して逃げるということは当然になってくる。そして,日立あたりの人たちが本当に南へ逃げるとなると,先ほど言われた常磐道に集中してしまうわけですので,ここは逆に安全をトータルに考えた場合には,福島のほうへ逃げたほうがいいのではないかと思います。

東京(幹事社):幹事社からは以上です。各社,自由にどうぞ。

 県内の土砂災害警戒区域について

NHK:広島県の土砂災害に関連してお伺いしたいのですが,茨城県の警戒区域の指定は54%にとどまっているという数字もあるのですが,この数字をご覧になって,例えば,指定の前倒しとか,今回の広島の災害を受けて,知事の考えをお教えください。

知事:基礎調査を終えたけれども土砂災害警戒区域の指定にまで至っていない場所は958か所あります。まだ土砂災害警戒区域の指定にまではいっていないということで,この958か所について,今の広島の大変厳しい災害の状況の記憶が薄れないうちに,できるだけ早く指定を終了するように作業を早めていきたいと思っていまして,土木部のほうにも指示をしているところです。今,54%で,これが全部平成26年度末までに指定されていけば70%台まで乗ってくるのかなと思っております。
ただ,一方で,住民説明会をやると,地価が下落するのではないかとか,あるいは,建築物の構造規制がかかってくるのではないかとか,いろいろな点でそれぞれご意見をお持ちなものですから,そういった方たちにしっかり理解をしていただいていくことが大変重要になってくるのかなと思っております。

NHK:平成28年度までに全ての指定を終わらせるというもともとの計画があるということですが,そのあたり,デッドラインについては何かありますか。

知事:デッドラインというか,我々としては,平成28年度ということでこれまで進めてきていますが,できるだけ早くやっていけたらと思っております。例えば,今年度,基礎調査を実施している場所についても,調査を終え次第,順次指定に向けた作業を進めていきたいと思っています。できるだけ前倒しでやっていきたいと思います。
ただ,そういったことについても住民の理解が必要になってきますので,我々としては,できるだけ先般の広島の災害の記憶が残っている間に早く進めていきたいと思っています。

NHK:あと,基礎調査の部分でいうと,例えば,基礎調査の人員を増やすことによって,今後の指定に向けてなるべく早い段階で指定に動けるようにするとか,そういったお考えはありますか。

知事:前倒しでどのぐらいできるかについては,我々としても十分考えていきたいと思っています。一方で,保全対象人家が5戸以上または災害時要援護者関連施設等のある危険箇所については優先的に作業を進めて,平成24年度までに区域指定は全部終えておりますから,あとは比較的人家の少ないところが残っております。そういったところについても,人が住んでおられる以上は,何とか少しでもいい条件に持っていけるようにこれから作業を進めていきたいと思っています。

茨城:土砂災害の関連なのですが,指定を終えていても,住民への周知というか,そういったところが市町村の役割が非常に大きいと思うのですが,ハザードマップができていても,それを一度見ただけではなく,逃げ方とかいろいろな訓練も必要だと思うのですが,広島の土砂災害を受けて,今後,そういった訓練等を含めて,県としてどういった対応をとっていきたいとお考えでしょうか。

知事:もう既に8月22日に,市町村に対して風水害への対応を一層強化してほしいということをお願いしているところであります。その中で,例えば,災害危険箇所を住民に事前に周知徹底してほしいということを強調しているところであります。さらに,避難勧告等については時機を失することなく,空振りをおそれずに早めに出すこととか,避難が必要な状況が夜間や早朝となることが想定される場合には,避難勧告,避難指示を速やかに出すこと等々を中心にして,市町村として十分検討してほしいということをお願いしております。

 平成26年度全国学力・学習状況調査の結果について

茨城:それと別な質問で,全国学力・学習状況調査の結果が出ましたが,本県の児童生徒の結果なのですが,8分野中6分野が全国平均を超えて,小学校はいい成績だったのですが,一方,中学校はちょっと下げて,しかも数学に関しては,知事も理科・数学あたりの教育に関しては力を入れているところなのですが,この結果について率直な感想をお聞かせください。

知事:全体として見れば,少人数教育,あるいは学びの広場サポートプラン事業という形でおくれている子どもたちをしっかり支える,そういった事業の成果が出てきているとは思っております。
ただ残念ながら,今ご指摘のように,中学校の数学の分野で成績が若干下がっているということでありますが,恒常的にこれから傾向としてそのようになっていってしまうのであれば問題ですが,一回下がっているだけですので,これから十分に分析し,どういうところを強化していけば学力がついていくのかということを検討して,そこを補うような授業をこれからやっていってもらえたらと思っています。

茨城:保護者の方からも,学びの広場サポートプラン事業の小学4年生,5年生に対する四則計算の部分などは非常に良いとお伺いしたのですが,そういった取り組みを中学校にも広げていくというお考えとか,そういったやり方もいいのかなと思うのですが,いかがでしょうか。

知事:なぜ4年生,5年生で実施しているかというと,そこで四則計算などについてしっかりチェックしておかないと,あとで算数の授業で九九がわからなければ割り算についても全くわからなくなってしまいますので,一番基礎になる部分をしっかりチェックしたいということで,4年生,5年生で今実施しているところです。
ですから,次の段階,どこかそういうポイント的なものがあれば,また考えていかなければいけないと思っていますが,もう一つ大事なのは,英語も最初わからないと何もわからなくなってしまうものですから,社会や理科は分野が変わると,その分野はその分野で理解できますが,数学や英語は基礎ができていないとその先の方が理解できるということはほとんど不可能になってきます。そういった分野がほかにもあるかどうかということ,どういう時期に対応すればいいかということなどについて,教育委員会でも今後も絶えず検討していくと思います。

 広域避難計画について(2)

NHK:原発の広域避難の関係で,30キロ圏外の避難計画について,規制委員会がそちらのほうでも計画づくりをある程度進めなければいけないのではないかという考えを示したのですけれども,いかがでしょうか。

知事:原子力規制委員会の田中委員長は,記者会見の中でそこについてははっきり言っておられまして,原子力災害対策重点区域の拡大に対しては「そういうふうな考えは今のところ持っていない」,そして,30キロメートルの外側での避難計画や地域防災計画の策定については「必要はない」とおっしゃっているのですね。ですから,これから検討されていくのは,例えば,UPZ圏外におけるプルームが通過するときの防護対策,これを屋内退避と安定ヨウ素剤の服用に係る判断基準などをどうするかということで検討していくと言っていますので,先ほど申し上げましたように,地域防災計画等々の改定までにはつながっていかないのではないかなと思っています。

NHK:今,検討している仕組みというか体制を少し拡大したりとか,30キロ圏外の自治体を含めて原発事故への対応を今後検討したりとかはございますか。

知事:それはプルームでいうと,何キロ先まで飛んでいくかというのは,風の強さなどによってとてつもなく広がっていく。そうすると,そこにも避難計画などを作らなくてはいけないとなってくると,UPZ圏内の人たちはどこへ避難すればいいか。何キロ先なのか,50キロ,100キロ,その先までということになると,それこそ避難人員も多くなりすぎて実効性がない計画になってしまう。本当に予測される範囲で必要な計画というものをきちんと作っていく必要があるのだろうと思っています。

 茨城空港について

読売:スカイマークの件なのですが,中部便の搭乗率が低いということもあって休止になってしまうようですが,それについての受け止めと,ほかの路線については見通しといいますか,どういう感触をもっていらっしゃるのか,スカイマーク側と何かやり取りとかあったのかどうか,その辺を伺えますでしょうか。

知事:スカイマーク側と相談しているとかということではありませんが,もともと中部便については,機体の有効活用ということで入っていて,そんなに需要が多くなるかというと,以前就航していた時の例を見てもなかなか難しいかなというなかで進めてもらったわけです。現実的にやはり大変厳しい搭乗率になっているということで,名古屋と茨城の航路は切ってしまって,逆にこちらにナイトステイをしてもらう。これは,初めて茨城空港にナイトステイするわけですが,夜間駐機をすることによって朝便を早くすることができる。そうすると,福岡などは場合によっては午前中に向こうへ着けますので,日帰りということも考えられるなど,そういったほかの面の便宜を図ってくれているといいますか,いろいろ我々の要望に応えてくれたのかなと思っております。
ほかの路線については,今申し上げたような福岡便などがより便利になれば,ある程度の需要は確保していけるのだろうと思っております。
特に,福岡便については,皆さんにもぜひ活用していただけたらと思いますが,例えば,佐賀へ行くのに,福岡空港へ着きますと,その下の地下鉄がそのまま相互乗り入れで佐賀まで行っているのです。この間,全国知事会の時などもそこから乗り換えなしで,空港で降りてそのまま1本で唐津まで行けました。そういう便利性が大変高い路線でありますので,少なくとも九州の北のほう,大分や長崎など,そういうところついては便利だということをぜひ宣伝してもらえたらありがたいと思っていますし,利用してもらえたらもっとありがたいと思います。

東京(幹事社):ありがとうございました。

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