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更新日:2022年3月22日

大子町に新しい風が吹きはじめた 「次の世代」とともに走る笠井英雄さん

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インタビュー 

「daigo café」、「daigo house」、まちやど「Motomachi」。
大子町にUターンし、さまざまな事業に取り組む笠井英雄さん(かさい ひでお)さん。
「大子町には世代交代の時期が来ている」と言う笠井さんが、今取り組んでいる事業やまちの変化について伺いました。

 
―笠井さんは、さまざまなことに取り組まれていらっしゃいますが、改めて、現在展開されている事業について教えてください。

笠井:自分の事業として、カフェ「daigo café」、ゲストハウス「daigo house」、まちやど「Motomachi」、2021年3月に始めた駅前でお土産などを扱う「大子商店」の4つを展開しています。

―その中で、最近特に力を入れてらっしゃる事業はありますか?

笠井:「Motomachi」も大子商店も本当は完全にオープンしている予定でしたが、「Motomachi」はコロナの影響もありまだプレオープン、大子商店もプレオープンに近い形で土日だけの営業中です。特に、これから力を入れてやっていきたいと考えているのは大子商店ですね。大子の良いものをいろいろ紹介したり、開発したり、販売したり・・・というところに繋げていきたいと思っています。

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―大子商店では、どんなものを取り扱っていますか。

笠井:大子町には、さまざまな特産品がありますが、オーソドックスな商品はだいたい取り扱っています。私が、特に力を入れていきたいのはりんごです。りんごは、見た目もかわいいし、おいしいし、主役になれると思っています。
りんごを使った加工品などを重点的に集めたり、紹介したりしています。

―大子町の特産品などが購入できるんですね。ちなみになぜこの場所を選んだのですか?

笠井:基本的に大子町の中心商店街をどうにかしていきたいという思いがあリます。物件も、持ち主が買い手を探しているというような場所をさまざまな縁で譲っていただいている感じです。

―「大子町の中心商店街をどうにかしたい」という思いの原動力は何なのでしょうか?

笠井:何でしょうね(笑)。元々、私は大子町の出身で、高校の時から大子を出ていて、「多分、もう大子には戻ってこないだろう」と思っていました。でも、社会人になって外から見たら、大子町の人口が減って、元気がないように感じてなにか寂しいと思うようになりました。いつからか、大子町をどうにかしたいという思いが強くなって、サラリーマンをやめて、1993年に帰ってきました。
「大子町を元気にしたい」というのが最大の原動力ですね。

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―町の変化を感じる部分などはありますか?

笠井:「daigo café」をオープンして初めて商店街に拠点を持ったのが2013年なのですが、それまでは地域のイベントを企画運営したり、手伝いをしたりしていました。ただ、やはり誰かにやってもらおうという形だと、なかなか話が進んで行きにくく歯がゆい思いをすることもありました。それなら自分が当事者になってやっていけば周りも含めて意識が変わっていくのではないかと、カフェをオープンしました。カフェを始めたころは、「こんなところに誰が来るんだ」なんて周りの人によく言われましたが(笑)。少しずつ認知度が上がって、まちの雰囲気も前と少し変わってきたかなと感じています。

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また、去年あたりからお店を開いてくれる若い方も増えてきて、そこはすごく大きな変化だと思っています。大子町には袋田の滝しかない、なんて地元の人は言いますけど、中心商店街にはレトロな建物が多く残っているので、みなさんに見ていただけるように整備をして、袋田の滝と同じように大子町の集客拠点の一つになっていくと良いと思っています。

―元々、大子町に戻ってくるつもりがなかった、とおっしゃっていましたが、外に出たからこそ見えた大子町の魅力や良さはありますか?

笠井:もちろん自分の故郷という贔屓目もありますし(笑)、自然も豊かというのはありますが、自然が豊かなだけなら日本中にたくさんあります。でも、そんな中で大子町には陶芸家やアーティストが移り住んで拠点にしてくれています。アーティストの方にとって何か感じる土地なのかな、活動拠点にしてもらえるよな魅力があるのかなと思います。

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それ以外には、実際に自分が中心商店街に入り込むようになって、周りの人との会話でレトロな商店街の街並みが「リアル三丁目の夕日」だね、なんて話をすることもあります。大子町には、大正~昭和初期に建てられた建物が結構残っています。昭和レトロの商店街なんて、あまりないような気がします。それが今なお健在で残っているというのはとても貴重なことだと感じています。
特産品もクオリティが高く、おいしいものも多い。さらにそれを活用しようと頑張っている人がたくさんいるというのも大子町の魅力ですね。大子町は夏は40度近く、冬はマイナス10度ぐらいまでと年間の気温差が50度ぐらいあります。そういう厳しい気候条件だからこそ生まれる大子町の特産品のクオリティが、最大の魅力なのではないかと思います。中心商店街にそういう様々な魅力を発信するものがたくさん集まって、商店街の魅力がこの大子町の魅力として発信され、いろいろなものが知られていくと良いと思っています。

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―笠井さん自身が、FMだいごやSNSなどさまざまな発信ツールを使っていらっしゃいますが、何か意識されて発信されていらっしゃいますか。

笠井:以前はSNSは全部同じ情報を載せていましたが、現在はお店ごとに発信ツールを変えたりしています。
FMだいごに関しては大子町の情報が結構集まってきますので、今後は放送だけでなく、Web上にも緻密な情報を集められるようなシステムを作り、発信していきたいと思っています。
大子商店でしか扱っていない商品もありますが、SNSの情報を見て来店する方もいらっしゃいます。
そういうこともあり、オリジナルの商品もどんどん作っていきたいと思っています。

―台風による水害からの復旧は、その後いかがですか?

笠井:商店街の半分ぐらいが水害に遭い、解体がやむを得ない物件もありましたが、一部の建物については持ち主に「残してもらいたい」と直談判して活用したいという方に買い取っていただき、残して頂けることになりました。通常なら、多分買えないような条件の物件が、台風による浸水被害によって、譲渡するなどの動きが出てきたことは、ある意味、悪いことばかりではなかったのかもとは思っています。
町の中心商店街に限りませんが、かなり前から世代交代の時期が来ていたのがいよいよ最終段階を迎えていて、後継者や活用する人がいなくて空き店舗になってしまうという状況にあるので、ここをうまく世代交代出来れば次の30年、50年のタームも世代交代がうまく繋がっていくのではと思っています。最近だと、memeguruさんは地域おこし協力隊から定住して起業、ミチルベーカリーさんは移住し、中心商店街での開業です。移住して中心商店街での開業は、ここ最近では多分初めてなので、商店街にとっても第一歩かなと思います。

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―新しい風が吹いている感じですね。

笠井:ええ。駅前のパン屋さんも一度廃業になりましたが、手を挙げた若者がいて、後継者がいないところでも事業承継が生まれています。同じ事業ではなくても、例えば場所の承継、物件の承継がうまく繋いでいけると良いと思っています。中心商店街であれば、いろいろ協力できることもあるので、こんなふうになったら良いね、というものが少しずつ積み重なっていけばと思っています。ドッカンという爆発力はないかもしれませんが、若い人が関わってくれることによってまた僕たちが進めている商店街の事業などもパワフルになっていくのかなと思います。

―最後に、今から8年後ですが、2030年に何か成し遂げたいことはありますか?

笠井:僕たちはもう次の世代に譲っていかなければいけない年齢になっていくので、その次の世代の人たちを育てるとか、一緒にやっていく体制を作っていきたいと思っています。今関わっている事業も含めて、新しい世代の人たちが担い手になってくれていると良いと思っています。大子町のいろいろな良いものが街の中心商店街に集まって、それが商店街の魅力になって育ち、年間40万人、50万人が来るような商店街になって、その中心商店街の魅力が大子町の魅力として、いろいろな人が潤って循環していくと良いと思っています。

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大子カフェ
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笠井 英雄さん
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そんな笠井さんが共に大子を元気にするスタッフを募集しています。

 

茨城県北でクリエイティブを活かす”きっかけワーク”Vol.22

【内容】きっかけワーク / 大子を共に元気にするスタッフの募集
【地域】大子町大子988−3 大子のいいもの『大子商店』
【詳細】大子商店での商品企画をメインに
    daigo café、丘の上のゲストハウス「Daigo house」
    まちやど『Motomachi』の企画など
    また、大子町の活性化につながることなんでも。

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