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更新日:2000年7月24日
各方面で論議を呼んでいた「都道府県版豊かさ指標」は,平成11年から順位を公表しなくなりました。確かに「豊かさ」という基準は,人によって考えが異なっており,統一することが難しいため,公表しなくなったことに異議を唱える人は少ないようです。
ただ,豊かさ指標で用いていた統計手法には,着目すべきものがあったということはあまり知られていないようです。その1つにジニ係数という統計手法があります。これは,所得分配の不平等度を明らかにする指標で,イタリアの統計学者ジニの名称に由来するものです。ジニ係数は0と1の間をとり,1に近ければ近いほど所得の不平等度は高い数値になります。
よく,都道府県の所得を比較するために,県民経済計算の「1人当り県民所得」を引用することが多いのですが,「1人当りの県民所得」は県民の全ての所得を総人口で単純に割ったもので,所得の多い人が多いとか少ない人が多いという所得格差には全く関係ありません。
しかし,ジニ係数を用いることによって,所得のばらつきがどれくらいあるのかを比較することができるのです。ジニ係数の数式は難解なため省略しますが,「1人当り県民所得」と全国消費実態調査報告結果から推計した「収入ジニ係数」の本県の数値をグラフにしてみると,1人当りの県民所得は上昇し,ジニ係数は下降しているのが分かります。
つまり,本県では平均の所得水準である1人当りの県民所得は上昇し,かつ,所得格差は少なくなっているという望ましい状態にあるといえます。
また,手前味噌になりますが,県土の均衡ある発展を目標に,鹿島開発やつくば研究学園都市の建設等を進めてきた県計画の成果は,こういうところにも表れているということに着目して欲しいと考えています。
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